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塩狩峠を読んで

かつての椎名林檎がこの本に影響されていたことを知ったのがきっかけだった。

主人公の永野信夫の生き様がかっこよ過ぎた。

私が印象に残った場面がある。
幼少期の信夫が、近所の子に屋根上から突き落とされた。「自分で落ちた」と言い張り父親を喜ばせたと同時に、「僕は町人の子なんかに突き落とされたりしない」と言うと、父親に殴られそのままその子に土下座した場面。

この父親は普段は優しいけど怒ったらバケモンになるタイプの人だ。(先生とかによくあるやつ)人としてどうあるべきか、を考えて叱っているのでそこからも優しさが伺える。

人としての在り方、倫理観をこの本から学んだように思う。

自分は悪くないはずなのに人から悪く言われたり、酷いことをされたり。でもその人のことをどうか許して欲しい、と神に懇願することは出来るだろうか。自分に非があることを認め、反省出来るだろうか。人の命を助けるために自分の命を捨てることは出来るだろうか。

止まらなくなった車両にいる大勢のいのちを守るためにも自分が犠牲になるというのはそこらの人間じゃ出来ないし、ましてや私は泣きじゃくってその場で動けなくなると思う。

残された人も可哀想ではあったが(ふじ子は特に)あんなに立派な死に方をする人を知ったら、自分も頑張らなくては、と励みになると思った。

今の私はどれも出来ているようで実際のところ出来ていない。

一日一日を後悔のないように過ごすことはとても難しいと思う。けど1歩ずつ着実に頑張ろうと思った。

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