早見沙織オーケストラコンサート参加の感想

 2023年10月8日日曜日開催。
 我々が長年心の奥底で求めて止まなかった催し。
 昼公演に参加した。
 非常によいイベントだった。

 会場であるロームシアター京都。
 平安神宮のすぐ近く、美術館や博物館、図書館といった文化的な建物と並び立つシアター。
 京の街に溶け込む華やかさと落ち着きを纏っており居心地のよい空間だった。
 耳に刺さることなく響く音響も素晴らしいの一言に尽きる。

 そんな極上の会場の1階3列目。
 最前列といっていい場所で更にステージ正面。
 この会場の早見さんのオーケストラコンサートで最良といって差し支えない席で参加することが出来たのは何という僥倖。
 こんなことはもうないかもしれないと思うほどに心躍り、開演を待つ間はとてもワクワクしていた。
 公演中はもうすごかったよ。
 早見さんの一挙手一投足と表情がしっかりと見えて耳に届く歌唱がより深く深く感じられた。
 早見さんの他にもオーケストラの方々の真剣な表情も見えるのが良かった。
 目が合った錯覚があるのも最前列ならではだ。

 こんな風にステージをじっくり眺めながら音に浸れるのはオーケストラならでは。
 ライブのように立ったり手拍子したり光る某を振ったりする必要はない、ただステージから広がる音楽を拝聴するだけで良いなんて贅沢な時間よ。

 セトリもね、刺さる曲がきて感激だった。
 中でも一番ぐっと来たのは「little forest」。
 この曲すごく好きなのよ。
 ささやかに音を奏でる印象のある「little forest」とオーケストラの音楽がどう融合するのかと思った。けれど原曲に沿って早見さんとピアノであわせていたところにオーケストラが寄り添うように加わっていって、慎ましく楽しんでいた音楽がほんのりと温かく広がっていく素敵な一曲に仕上がっていた。
 普段のライブのバンドサウンドとは楽器の種類も人数も段違いだから幾重にも重なる音の広がりがすごくて、これを聴き分けられる耳が欲しいと切に思った。
 そんなオーケストラの重厚な音が感じられたのが「その声が地図になる」と「やさしい希望」の「赤髪の白雪姫」曲。
 昼公演は初っ端とアンコール前の最後にこの2曲が来る構成で、「赤髪の白雪姫」曲から始まり「赤髪の白雪姫」曲で終わっていた。
 感じ入っちゃったよ。
 オーケストラの方々がこの2曲を壮大に演奏してくださって、「赤髪の白雪姫」の世界が私の脳内には広がっていた。
 このコンサートに来るまでに私はセトリの予想なんてしていなかったけど、これが聴きたかったんやと思い至って感動した。
 この2曲の持つパワーはすごいよ

 早見さんの衣装も素敵だったよね。
 黒いオーケストラの方々とは対照的な純白の衣装。
 とてもお淑やかなでレースやフリルが可愛らしくて、でも靴がブーツでとてもお似合いだった。
 ライブでオーケストラの方々の前で歌唱されるのもピッタリだけど、京の街に繰り出していても違和感なく溶け込むのだろうな。

 およそ80分の至福の時間だった。
 これが最初で最後のオーケストラコンサートではなく脈々と続くものになって欲しい。
 「夢の果てまで」とかオーケストラで披露してもよいのですよ。

 時間と行先と行き方だけ調べて当日適当に進む、突貫日帰り京都旅行も楽しかった。
 雨の京都を練り歩くのも乙な気分。


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