【読書録】amazonのすごい人事戦略


本の概要

タイトル:amazonのすごい人事戦略
著者:佐藤 将之

世界最強企業amazonの
採用・育成・目標管理が
これ一冊でわかる!

アマゾニアンの行動・思考の規範「OLP」
採用に絶対的な権限を持つ「バーレイザー」
毎年20%成長を実現する「メトリックス文化」
週単位で軌道修正を実現する「One on One」
能力に応じて適正に配置する「9ブロック」 ・・・・・・他


社員と組織が
最高のパフォーマンスを発揮し
持続的に成長し続ける
ジェフ・ベゾスが考えた究極の仕組み!

Amazon

手に取った理由

人材育成の担当にアサインメントがあったとき、成功例を真似するのが早そうだと思い参考例を探すことにしました。
条件は以下です。

  1. 近しい業界

  2. アメリカ系の企業でかつ日本法人がある

  3. 就職・転職希望ランキング上位50位以内

結果としてAmazon、Salesforceを超理想のベンチマークとして仮置きしました。Salesforceはサービス利用していたりソリューションの利用のための資格が外部公開されていたので解読しやすかったのですが、Amazonは社外秘のため情報の獲得難易度が高く、書籍に頼ることにしました。
※私に近い人がAmazonに勤めている(数名いて多職種に渡る)&交流もあるのですが内部情報を見にいくのは流石にダメなので書籍に頼るしかないと判断をしました。

内容要約

Amazonの人材育成

Amazonでは入社者をdevelopmentする際に「SL理論」を使って、ハイアリングマネージャーが育成責任を持っているそうです。

バディとメンターの両2名がつくそうです。
メンターはやや異なる部門の少し上位階層の方。バディは同部署とのこと。
バディは自分の主業務にAdd-onとのことなので業務量が増えるが、自分の業務をパスすることも可能らしいです。
と言うことは、バディに選ばれる=マネジメント体験ができる=マネージャートレーニングができる=マネージャー候補 と捉えられるのではないかと思いました。

自分よりも優秀な人を採用する、自分を追い抜く人を育てるのがマネージャーの仕事であり評価されるそうです。
マネージャーになると、部下(メンバー)を引っ張らなきゃ、部下(メンバー)に頼られなければ、部下(メンバー)へ指示を出さなければと上下関係をどう構築しながら成果を上げるのかと言う思考に陥り相談する人がよくいることを思い返すと、「自分よりも優秀な人を採用する、自分を追い抜く人を育てる」と言うことにイメージが湧かないのかもしれません。
ただAmazonのマネージャーがコーチングの技法を使っているのを拝見すると納得できます。

Amazonのリーダーシップ研修

2週間の集合研修でロールプレイングと課題解決提案を実施しているようです。

リーダーシップを全員が持たなくてはならないとされている企業のリーダーとは、個々人がリーダーシップを持った集団でリーダーとして活動するということだと捉えます。
リーダーシップを持った集団のリーダーとは何か、をインプット後にロールプレイング&フィードバックを1週間かけて実施するそうです。
Tグループに近いのかな?と思いました。

参考にして実践したこと

人材開発のbig pictureを描く上で大変参考にしました。
特にリーダー育成のプログラムについては、真似してみたいと思い提案をしました。

入社者の研修やフォローアップにあたってはSL理論を環境設計に組み込みました。いきなり大海原に出すのではなく、一定期間はフォローアップをし徐々に離していきます。Amazonではないので、どれくらいの期間で手離れできるのか毎月調整をしました。結果的に、モニタリングは半年ですが、人事としての最大フォローは最初の1週間にしました。

まとめ

Amazonの人事戦略や施策はAmazonだからできることであると納得しました。真似したい箇所、実際にトライしてみたい施策も多くありました。
一方で、真似する・トライするための土台作りをしなくては、期待したい結果が得られないだろうとも思いました。

全社人事初心者の身として、成功例は大変参考になります。ただし、その施策が成功するための背景や戦略、理論、戦術が組み合わさっての成功と言えます。単に真似をするのではなく、自社の課題と向き合い、紐解き、理論を参照し、効果的なインパクトが得られる施策を出す、オリジナリティが必要だと理解しました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?