25『7本指のピアニスト』西川悟平

西川悟平さんの人生を書いた内容です。
テレビで西川さんと強盗のエピソードを見て、この人の本を読まねば!と思い、電子書籍を買って読みました。

予想通りのいい話でした。
15歳からピアノを始め、持ち前の明るさと行動力で周囲の人を巻き込んでいく力は読んでいて気持ちの良いものでした。

「音楽を通じて、何を伝えたいのか?」
西川さんの師匠であるピアニストから問われたシーンはいろいろと考えさせられました。

私も仕事をしていて、「これは伝えたい」と明確である授業は生徒も真剣に聞いてくれます。(多分)
反対に「よくわからない」「これは伝えることがない」と不明確な授業は生徒もポカンとしています。
授業の展開やテクニックは必要ですが、最も大切なのは「伝えたいことがある」「一生懸命に伝えようとする」の2点だと、自分の経験と本の内容を重ねて、気がつきました。

教師という仕事をしていると、効率的でスマートな知識伝達に偏る傾向があります。
相手が、機械であればこれでよいのですが、相手は人間で心のある存在です。
やはり、知識や理論といった理屈だけでは、超えられないことが多々あります。
この本を読んで、「教科書の内容」を重視しながらも、「自分の思い」を加えていかないといけないなぁと反省です。

教科書を読み上げ、ワークを解かせることは最低限の仕事であり、実践すべき内容です。
しかし、それだけでは足りないと思いました。

プロは「楽譜の通りに弾く、けど、自分なりの解釈を加える」
という、矛盾の実践が求められるとも書かれていました。

自分もプロの端くれとして、明日からがんばろうと思いました。

元気が欲しい、やる気が欲しいと考える人におすすめの本です。

おしまい。

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