ドンとは(やまのひつじ)

 僕は、週末本屋をしていて、平日はバイトという生活。店が自粛中なので、今日はめずらしく日曜日に野菜の配達をしてきた。日曜日は一箇所しか配達がなく、午前中で終わる。これがなんだか学校が半日で終わる日みたいで、久しぶりにあのわくわくした感じを思い出す。僕が小学生の頃までは土曜日の授業は存在していて、祖父も、父もそれを「半ドン」と呼んでいたっけ。僕はその半ドンが大好きだった。学校という場所からの開放感がたまらなかったのだろう。丸一日の休みにはない、あの独特の空気が好きだった。

 配達を終えラジオをつけると、そこには聞きなれない声。いつも聞いている RCCも日曜日となると平日とは違う番組が流れる。女性の声だった。新しい生活様式の話をしている。地域によって状況は違うのに、一律なのはリアルじゃないと。うんうん、そう思う。考え方も好きだけど、声の雰囲気も気に入った。県境は山になるので、電波が入りやすい海沿いを走って、遠回りで帰る。

あーこれこそ半ドン。

(やまのひつじ)



 

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