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図書館の利用で住民税の元を取れるのか

図書館を利用することで住民税を活用したい

住民税は、所得に応じて毎年徴収される地方税である。その金額は決して少なくなく、納税者にとって大きな負担となっている。住民税を節税する方法はいくつかあるが、節税できる金額には限りがある。そこで、図書館を利用することで、住民税分を取り戻すことができないか検証してみたい。

図書館利用の実態

筆者が半年間で図書館から借りた本の冊数と金額を集計したデータがある。

2023年10月から2024年4月までの利用状況
2024/04/16 現在

それによると、成人向けの本を36冊、子供向けの本を68冊、合計104冊借りていたことがわかる。これらの本を購入すると、定価でおよそ15万円になる計算だ。
※ 定価はAmazon で調査

データを詳しく見ると、成人向けの本は1冊あたり1,500円前後、子供向けの本は1冊あたり1,000円前後が中心である。また、月別の借用冊数を見ると、ばらつきがあるものの、毎月コンスタントに本を借りていることがわかる。

住民税のケーススタディ

次に、所得に応じた住民税の金額をケーススタディとして示す。早見表によると、所得が400万円の場合、住民税は年間約20万円となる。同様に、所得が600万円なら約28万円、800万円なら約37万円、1000万円なら約47万円が住民税として徴収される計算だ。

図書館利用による節税効果

さて、図書館の利用によって、住民税をどの程度取り戻せるだろうか。先述の通り、半年間で借りた本の金額は約15万円相当である。仮に1年間このペースで本を借り続けられたとすると、30万円相当の本を読むことができる。

所得400万円の場合、住民税は年間約20万円なので、図書館利用だけで住民税以上を取り戻せることになる。
所得600万円の場合は、住民税約28万円に対し、図書館利用で30万円相当の元が取れる。
所得800万円になると、住民税約37万円に対し、図書館利用による取り戻し分が若干下回るが、それでもかなりの額を補えている。

ただし、所得1,000万円になると、住民税は約47万円となり、単純な図書館利用だけでは住民税の節税分を完全に取り戻すことは難しい。とはいえ、30万円相当の本を読めることのメリットは大きいだろう。

住民税分の活用についてのまとめ

住民税の活用として、図書館の利用は有効であると言える。特に所得が400万円から800万円程度の場合、図書館をフル活用することで、住民税分を十分に取り戻せることがわかった。読書好きの方にとって、図書館は税金の活用メリットだけでなく、知的好奇心を満たす格好の場所となるだろう。

ただし、高所得者になるほど、住民税分を図書館利用だけで補填することは難しくなる。とはいえ、読書のもたらす知的刺激や娯楽的価値は、金銭的なメリット以上に大きいと言えるのではないだろうか。

図書館利用で住民税分の本を借りて読むだけでは、本を購入することと変わりがない。住民税は図書館以外でも還元されているはずなので、図書館を利用することで少しでも税金の元を取ったと前向きに捉えておきたい。

行ってみたい図書館ランキング

日本で人気の図書館TOP30 のサイトを参照し、旅行の際の目的地の一つに組み込んでみるのも良いかもしれない。

1位:石川県立図書館

  • 所在地:石川県金沢市小立野2丁目43-1

  • 特色:2022年に新築オープン。円形の建物で開放感があり、1階から4階まで一体感のある構造。

  • おすすめポイント:蔵書数が多いのに解放感のある空間。階層ごとに雰囲気が異なる。

  • 口コミ評価点数:3.83

2位:武雄市図書館

  • 所在地:佐賀県武雄市武雄町大字武雄5304番地1

  • 特色:民間企業が管理。TSUTAYAやスターバックスが併設された話題の図書館。

  • おすすめポイント:開放的でお洒落な内装。設備が充実し、県外からの来訪者も多い観光スポット。

  • 口コミ評価点数:3.80

3位:富山市立図書館本館(TOYAMAキラリ内)

  • 所在地:富山県富山市西町5-1

  • 特色:建築家の隈研吾氏が設計。地元産杉材を使った温もりある空間。

  • おすすめポイント:一般書から専門書まで幅広い蔵書。居心地の良いカウンター席や自習室あり。

  • 口コミ評価点数:3.80

4位:梼原町立図書館(雲の上の図書館)

  • 所在地:高知県高岡郡梼原町梼原1212番地2

  • 特色:標高約1,500mに建つ木造建築の図書館。靴を脱いで利用する。

  • おすすめポイント:まるで森の中にいるような内装。座れる場所が充実し、ゆったりくつろげる。

  • 口コミ評価点数:3.76

5位:多賀城市立図書館

  • 所在地:宮城県多賀城市中央2丁目4-3 多賀城駅北ビル A棟

  • おすすめポイント:蔦屋書店、スタバ、レストランが併設されたオシャレな複合施設。

  • 口コミ評価点数:3.69

以下、6位から20位まで

6位:京都府立図書館(京都府京都市左京区)

https://www.library.pref.kyoto.jp/

7位:くめがわ電車図書館(東京都東村山市)

https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/shisetsu/kyoiku/lib/toshokyotu/kumegawa.html

8位:男木島図書館(香川県高松市)

9位:那須塩原市図書館 みるる(栃木県那須塩原市)

10位:みんなの森 ぎふメディアコスモス(岐阜県岐阜市)

11位:大阪府立中之島図書館(大阪府大阪市北区)

12位:こども本の森 中之島(大阪府大阪市北区)

13位:こども本の森 神戸(兵庫県神戸市中央区)

14位:地中図書館(千葉県木更津市)

15位:まちライブラリー もりのみやキューズモール(大阪府大阪市中央区)

16位:JICA横浜(神奈川県横浜市中区)

17位:多摩市立中央図書館(東京都多摩市)

18位:TSURUGA BOOKS&COMMONS ちえなみき(福井県敦賀市)

19位:酒田市立中央図書館(山形県酒田市)

20位:海士町中央図書館(島根県隠岐郡海士町)

それぞれの図書館のHPを見るだけでもワクワクするが、図書館のHP一つをとってもそれぞれの運営予算の差異や市町村ごとの様々な違いが見て取れる。今後公共サービスは縮小される傾向にあるだろうし、税収が豊かな市町村(=公共サービスが充実した)へ人口が流出するであろうことも感じずにはいられない。

Mallmall(都城市立図書館)

ふるさと納税の活用という意味では都城市立図書館は特筆すべきである。

都城市立図書館は、宮崎県都城市の中心部に位置しており、1902年の開館以来、地域に根差した図書館サービスを提供している。2018年には、閉鎖された旧百貨店の建物を再利用した複合施設「Mallmall」内に移転し、リニューアルオープンした。

移転後の都城市立図書館は、従来の図書館のイメージを覆す洗練されたデザインと開放的な空間が特徴である。約30万冊の蔵書を有し、ユニークな書籍検索システム「インデックス」や、市民の表現活動を支援する「プレススタジオ」「ファッションラボ」など、革新的なサービスを提供している。九州産のクスノキを使った800個もの木箱が館内を彩り、ショッピングモール時代の面影を残すホールは、多様なイベントに活用されている。

また、隣接するホテルの宿泊客に対し、ホテルのルームキーで図書の貸し出しを行うサービスを、全国で初めて導入した。子育て支援施設や保健センターとも連携し、多世代が集う「まちの居場所」として、地域コミュニティの活性化に貢献している。館長の井上康志氏は、来館者数だけでなく、利用者一人一人の小さなエピソードを大切にしながら、これからも図書館を育てていきたいと話している。

変わり種の図書館

国立国会図書館

使命: 日本の民主化と世界平和に寄与すること

主な役割:

  1. 国会活動の補佐 - 専門的知見に基づく調査や情報資源の提供により国会活動をサポート

  2. 資料・情報の収集・整理・保存 - 国内出版物の網羅的収集、書誌データ作成、資料の保存・デジタル化

  3. 情報資源の利用提供 - 来館利用、オンラインサービス、他図書館経由等での資料閲覧・複写サービスの提供

  4. 各種機関との連携協力 - 国内外の図書館・関係機関との協力、情報資源への総合的アクセス提供

憲法の理念のもと、立法の知的基盤として、また国民への情報提供を通じ民主主義の実現に寄与する役割を担っている。

国立国会図書館支部防衛省図書館

利用対象者:防衛省関係職員、他省庁関係職員、館長の許可した者(一般の方を含む)
特色:防衛行政業務に必要な図書資料を中心に収集管理
蔵書数:和書 約 90,000 冊 ・ 洋書 約 9,000 冊

宝塚市立手塚治虫記念館

手塚治虫の作品がすべて揃っており漫画が読み放題。

東京大学附属図書館

イギリス国立公文書館

以上

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