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2019第22節 モンテディオ山形×京都サンガ

長ったらしいのが苦手な方は最下部をお読みください。

7月13日(土)

明治安田生命J2リーグ 第22節
@NDソフト

モンテディオ山形 0-1 京都サンガ
得点者:一美和成(54分・京都)

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1)試合前プレビュー

2)試合展開

3)雑感

4)最後に

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1)試合前プレビュー

奇しくも後半戦最初のカードが首位決戦。

前半戦で、京都はまだチーム作りの途中だったとはいえ完敗。

借りを返すには絶好の機会だ。

試合前プレビューなんてしてられっかよ!勝つだけじゃ!

というわけにもいかないのでさらりと。

各クラブ(特に守備時に5バック採用のチーム)が京都対策で行うプレッシングは当たり前。+αのところで、山形の最終ラインの横の連携が京都の攻撃を左右するだろう。山形視点で見れば、京都の両WGに対していかに数的優位を作れるか、ポストプレーの得意な一美を抑えられるか、おろそかになりがちな5バックの横のスライドやポジションの微調整が大事になる。

攻撃面では阪野やバイアーノらJ2クラスとは思えない個の力があるので、タイトにマークすることやセカンドボールへの意識を高めることで起点を作らせないようにしたい。

前回対戦ではDF・MFのライン間で起点を作られてピンチを招いているので、ライン間に入る選手のケアを徹底しなければならない。

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2)試合展開と雑感

◇スタメン

山形は従来の3421ではなく3322(守備時532)を採用。

DF安藤を出場停止で欠く京都は空中戦に強めの宮城を起用。

●山形の守備と京都の狙い

山形は532でブロックを作り、2トップの一人がDHを消しもう一人がボールホルダーにプレスをかける。中盤と最終ラインがそれぞれスライドしてマークする。残った後ろ4人で4バックを形成。これをボールの動きに合わせて繰り返し、おおよそ白いエリアあたりでのボール奪取を試みる(下図)。

対する京都は、過去の対戦や大宮戦での反省から、WBや最終ラインの裏を狙ったロングボールを積極的に用い、一美やWG、金久保を走らせた(下図)。

また押し込んだらボールを左右に動かして中盤3枚のところに風穴を開けそこから侵入していく動きや、サイドチェンジからWGが仕掛けていく狙いは普段通り持っていた。

ボールポゼッションを戦いの軸とする京都がロングボールを使う理由は以下の通り。
(ちくきさんのnoteより引用)

①プレッシング&ショートカウンターの仕組みを無効化する。
②ボールが前線の選手に渡れば前重心の山形の背後と逆サイドにある広大なスペースを利用して質の高いウインガーが勝負できる
③仮にボールが収まらなくてもカウンタープレスでボールを奪えればショートカウンターへ。
④山形のFWとCHを横に動かして横方向の選手間距離を広げること。体力を消費させること。

※ちくきさんのnoteが京都×大宮のプレビューのため”大宮”となってましたが、都合上”山形”に変更いたしました。

山形はプレスやショートカウンターに長けたチームで、後ろでボールを持つことが(できなくはないが)得意なほうではない。なので仮にボールを持たれても今の京都なら守り切れるし、高い位置で奪うことができればチャンスになる。

●山形の狙いと京都の守備

山形は3-1でビルドアップし、京都のIHを前に出させて442への変化を促す。変化するタイミングで中央がわずかながら空くので、DF・MFのライン間(白いエリア)で阪野や井出が受けてWBを使いながらチャンスを作ろうとする(下図)。

京都はあらかじめ山形にボールを持たせる狙いがあったので、ビルドアップをさせずプレスでハメやすくなるような守備設計をする。

金久保がアンカーポジションに入る本田をマンマーク。一美がサイドに誘導し、それに合わせてWGがHVにプレスをかける。中盤と最終ラインはマッチアップを作ることでパスの受け手をつぶす(下図)。

◇前半

京都が上記の狙いで潔くボールを手放すため、一見山形ペースのような展開が続いた。実際に山形は、21:20あたり、京都の守備が442化するところを狙って縦パスからチャンスを作りシュートまでもっていった。

何とか前線でボールをおさめたい山形だったが、京都CB宮城・本多がフィジカル勝負で上回っていたことで、なかなか攻撃の形を作れなかった。また2トップ3センターといういつもと違う布陣のため、京都陣内でセカンドボールを拾う回数は少なかったように思われる。

京都が本来のボールポゼッションを見せたのは、山形のプレスが緩んだ40分ごろからだった。

・42:10~ 相手の中盤を揺さぶったところに金久保がDFラインの裏に飛び出してチャンスを迎える。

・43:35~ 金久保が中盤でマイボールにすると、福岡が山田とホドルフォを引き付け、外でフリーになった仙頭へパス。仙頭が仕掛けて粘ったこぼれ球を石櫃がミドルシュート。跳ね返りに一美。

互いに得手・不得手の不得手のことを選択させられ、良さが出しにくく出させにくい、不思議で締まった試合になっていた。その中でもシュートチャンスを作ったのはさすが首位決戦だ。

◇後半

互いにメンバー交代含め大きな戦術的変更はなし。強いて言えば、バイアーノが本多に完封されていたせいか、山形が2トップの左右を入れ替えたくらいか。

山形は前半、前線の動きが少なく、後ろから無理やり通そうとしてパスミスになることが多かった。そこで後半は、狙いとしていた京都の442のライン間をFWが使う意識を強めたようだ。
京都はボールを持った時に横に速く動かすようになった。またIHがHVを引き付けるような動きも増やしたのではないか。サイドでWGが1対1になる状況を作りやすくするためだ。

先に良い形を作ったのは山形。

46:45~ 山形のリスタートで京都の守備陣形が442に変化するタイミングを逃さず、ハーフレーンへの縦パスからチャンスを作った。

52:40~ 右サイドのスローインから素早く左へ展開。スローインで片側に寄っていたことと京都のボール回しが早くなったことで小屋松が1対1で仕掛けられるシーンを演出。カットインからのミドルシュートは惜しくもセーブされたものの、直後のコーナーキックから先制。

先制後の京都はロングボールとポゼッションを織り交ぜて山形を翻弄。ボールの奪いどころを絞らせなかった。

流れが変わったのは65分。山形がバイアーノに代えて坂元を投入したことによる。フォーメーションを従来の3421に変更し、攻撃面で山形の良さが出るようになった。攻撃時に325になることで、ライン間への縦パスを狙いつつダメなら外のWBを使う攻撃ができる。また京都の最終ラインは4枚なので、サイドチェンジにはどうしても後れを取る。そこを狙ってきた。

下図は67:00あたりに山形がチャンスを迎えたシーン。

WBが下がってボールを受ける。そこに石櫃が対応に行くのでスペースが生まれる(白いエリア)。

そのスペースに井出が走り宮城がついて行くことでゴール前に次々とスペースが生まれる。あとは走りこむ選手に合わせるだけ(下図)。万が一シュートを打てなくても、キープさえできれば波状攻撃に繋げられる。

急な山形の戦術変更に戸惑いが見られる京都。守備面でも山形のプレス前線が2枚から3枚に代わっており、比較的余裕のあったSBにもプレスがかかったためボールポゼッションに苦労していた。後半途中までのように繋ぐのか、ボールを手放すのか選択に迷いがみられた。

74分、京都は金久保に代えて重廣を投入。守備時に仙頭が最終ラインまで下がることで、5トップのようになる山形に対抗。手薄になる中盤に運動量豊富な重廣を入れることでバランスをとる狙いだ。

78分には一美に代えて大野を投入。後ろの守備が安定しているもののまだ時間があるので、もう一度前からプレッシャーをかけてマイボールの時間帯を増やす意図がうかがえる。

多少攻め込まれたものの、この二つの交代でポゼッションする時間を増やし、最後は宮吉を入れて徹底的に前からチェイシング。

最後まで集中力を切らさず守った京都が無失点で勝利した。

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3)雑感

試合前のプラン、試合中の修正をばっちり決めた采配は見事だった。

相手に合わせて、これまでとは違うボールを大事にしない戦い方を選択したのは予想外だ。どこまでもロマンチストなのかと思えば、急に現実的な戦いをする、そしてそれをやってのける。

山形から首位を奪ったこと以上に、この現実的な戦い方が実を結んだ意味は大きい。チームとして、戦い方の幅がまた一つ増えた。今後の対戦相手はより一層頭を悩ませることだろう。

サポーターにとっては、とうの昔に忘れてしまった首位の味を得ることができた。不思議なことに首位奪還とはこれほど実感がないものなのか。

J2が混戦でまだまだ負けられない試合が続く。京都サポはそのことをよくよく理解してるからこそ、勝利を祝いつつ地に足をつけて戦えるのだろう。

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4)最後に

最後になったが、(僕が参考にした)とめさんの試合レビューもどうぞ。

長ったらしいの読むの苦手な方はこちらを。そうでないかたもこちらを。

大宮戦レビューは早いこと書きます。

本多選手、J通算200試合出場おめでとう!

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勝輝のサッカー観戦記

京都サンガサポーターの勝輝(サッカー未経験)がサンガの試合レビューを中心に書いていきます。 Twitter:@ks_ktk12 (京都府在住 20代 男性)

京都サンガ 2019シーズン試合レビュー

タイトルまんま。京都サンガの2019シーズン全42試合のレビューです。 試合毎に随時追加予定。 (既に一部抜け試合があります)
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