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これから求められるのは「さらけ出す」SNS。コルク代表佐渡島さんが考える今後の企業アカウントの在り方 #noteとTwitter

11月29日、noteの徳力基彦さんと株式会社コルクの佐渡島庸平さんの対談式セミナーが配信されました。

主な配信内容は「クリエイターや企業はnoteやTwitterなどのSNSをどう楽しく続けていくべきなのか」というもの。

1時間超の濃密な時間を過ごしましたが、その内容を自分の備忘録も兼ねて記録していきたいと思います。


私が特に学びになったと感じたことは以下の3つでした。

■適当に発信していく
■DoとBeの意識
■頑張らずにやれることを続ける

それぞれ私の言葉で説明していきます。
(※ここからは、私の言葉と解釈を挟むため、徳力さんや佐渡島さんの本意とずれている可能性があります。ご了承ください。)


まず「適当に発信していく」ことですが、ここで言う適当とは「いい塩梅」という意味で、あくまでもポジティブなニュアンスであると佐渡島さんは説明していました。
どういうことか具体的に説明していきますね。

企業公式アカウントが何かを発信する時、会社の内からも外からも避難されないような、そんな言葉遣いを気にする側面が少あると思います。(少なくとも私はあります)
発信がかしこまりすぎていると言ってもいいのかもしれません。
ただ、それだとうまく受け手に発信内容が届いていない恐れがあると佐渡島さんは指摘。

企業公式アカウントが発信する時は、いい意味で適当な気持ちで発信していく方がより受け手にとってメッセージが伝わりやすい。
いわゆる”堅い言葉”を用いるのは必ずしも良くないとお話されていました。

発信する言葉は、少し柔らかく、伝わりやすい、つまり自分の言葉で発信していくことの方が、Twitterやnoteを運営していく上では大切だと私は解釈しています。


次にDoとBeの意識。
これはかなり抽象的な話だったので、私自身もきちんと解釈できているとは言えませんが、その上で説明させてもらいますね。

一言で言うと「あなたがしていること(Do)よりも、あなたがどんな人か(Be)を意識して発信する」という話です。

いわゆる会社がやっていることを説明するときって、どうしてもパンフレットみたいな言葉になってしまいがちなんですね。
「弊社はこういうことをやってます」みたいな場面を見せがちなんですけども、そうではなくてどんな企業なのか、どんな雰囲気で仕事をしているのかを伝えていくことが大切とお話されていました。

佐渡島さんはこのことを「さらけ出す」と表現しており、株式会社コルクの行動指針のひとつとして掲げているそうです。

具体的な例としてあげていたのは株式会社マネーフォワードの社内報。

マネーフォワードは社内報をnoteそのままインターネットに向けて公開しているとのこと。
あくまでも社内に向けた情報を発信しているため、会社の公式パンフレットのようにかしこまったものではなく、実際にどんな仕事をしていて、どんな雰囲気で社員が働いているのかというのが非常によく分かりやすいんだそうです。

もう1つ例に挙げていたのは、Twitterではトップクラスに有名な企業アカウントであるSHARPさん。
佐渡島さん曰く、「見せてもいい会話をTwitterで投稿している」のが良いんだとか。
その会話の姿勢が、SHARPさんの長い人気につながっていると分析していました。

話は少し逸れますが、SHARPさんのツイートがよくバズっていることも話題に。
企業アカウント担当者はどうしても会社や上司からバズが期待されるけども、これからの時代は意図的にバズを狙う投稿はやる必要がない、と対談では話されていました。

バズはあくまでも偶然の産物。
SHARPさんのツイートも、数多くある投稿の中でたまたま世間に刺さってバズったもの。
偶然を狙って工夫するよりも、自分の企業のありさま、つまりBeの状態をどんどん発信していくことでコンテンツとして深みが出る。
このことを意識して、Twitterやnoteで発信していく方が大切とのことでした。


実は、この話を聞いた時、私としては新しい学びというよりも点と点が線でつながった感覚がありました。
俗に言う「進研ゼミで見たやつだ!」の感覚です。

というのも、かつてSnapmartで代表取締役をされ、現在はサッカークラブでマーケティングをされている江藤美帆さん(通称えとみほさん)という方がいらっしゃるんですが、えとみほさんが先日noteで同じような内容の記事を公開していたんですね。

記事をざっくり説明すると、「フォロワー数がアカウント数の影響力を意味しない時代になる」というお話です。

これ、企業SNS担当者には耳が痛い話なんですが、社内や上司に向けて、広報として一番実績として示せるのはどうしても数字なんですよね。
その数字とはフォロワー数とかインプレッション数などになってくるんですが、もうそういう時代は終わりが来る、というのがアーリーアダプターの方々では共通認識となっています。

えとみほさんの記事をすでに読んでいた私としては、徳力さんと佐渡島さんのお話を聞いて、自分よりもはるか先の情報に触れている方々が口を揃えて同じ話をしていることで、ひとつの確信を得たところがありました。
ただ、これをどうやってSNSをやっていない上司の世代に伝えていくか、というのはまた別の問題になるんですけどね……。


話を戻して、最後の学びは「頑張らずにやれることを続ける」でした。
インターネット上の発信を行う中で、一番大事なことは継続すること、というのは太古の時代から言われています。
一方で、自分がちょっと頑張らないとできない事っていうのは、継続が非常に難しい。
忙しいときや、体調の悪いときはできなくなってしまう。
そうならないように、自分が頑張らずにできるコンテンツを続けていくのが大切だということです。

どれぐらい頑張らなくていいかと言うと、「毎朝会社に来たらデスクの写真撮って『今日のデスクです』っていう投稿でもいいんじゃないか」と冗談交じりに佐渡島さんは言います。
とはいえ、それぐらい発信に対して頑張るというハードルを大幅に下げたところで設定して、そこから発信を続けていくことが大切だということですね。


ここからはいわゆる余談なんですが、配信の感想です。
今回の対談では、徳力さんがファシリテーターとして司会進行してくれていたんですが、徳力さん自身が企業SNS担当者の生態や悩みを解像度高く理解してくれていることがわかるシーンが多くありました。
そのうえで、佐渡島さんに話をふってくださっていたのが非常にありがたかったです。
今の話を企業担当者は上司にどう説明すればいいですかねとか、企業担当者の孤独感とか、そういった痒い所に手が届くような話の展開をしてださっていて、一参加者としてストレスなく配信を視聴できました。


今回はセミナーを通じた私の学びを中心に書いてきましたが、他の方からは対談内容がきっと違うものに見えたはず。

ぜひ「#noteとTwitter」のハッシュタグでツイートを検索して、他の参加者の意見や学びなども見てみてくださいね。

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