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武蔵

宮本武蔵(1582または1584-1645)は、江戸初期の頃に全国に名声をとどろかせた兵法家、剣術家です。きわめて短い瞬間の技の差で生死が分かれる真剣勝負において、なぜ武蔵はそれほどまでに強くなれたのでしょうか。とても興味深いです。まさに、その点に関わることを武蔵自身が書き綴っています。晩年、病気になって余命が少ないことを悟ったのちのことです。その書が「五輪書」です。このような書をしたためたこと自体、武蔵の強さとは、蛮勇では決してないことを示すものです。知的に精神世界をきわめ、迷いの少ない悟りきった無の境地に達したが故のすさまじい強さとわかります。

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現代は科学が進歩した時代だとよく言われますが、実のところ知識を獲得するほど新たな謎が深まり、広大な未知の世界が広がります。私たちの知識はほんの一部であり、ほとんどわかっていなません。未知を探索することが科学者の任務ではないでしょうか。その活動は、必ずしも簡単なものではなく、後世からみれば群盲評象と映ることでしょう。このマガジンには2019年12月29日から2021年7月31日までの合計582本のエッセイを収録します。科学技術の基礎研究と大学院教育に携わった経験をもとに語っています。

本マガジンは、2019年12月29日から2021年7月31日までのおよそ580日分、元国立機関の研究者、元国立大学大学院教授の桜井健次が毎…

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