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フィンランドでまた学生になるまで

こんにちは、ワタナベ コウスケと申します。
慶應SFCにてデザインリサーチを学び、Accenture Songのデザインチーム(かつてはAccenture InteractiveやFjordとも呼ばれた)でデザインリサーチャーとして様々な業種のデザインプロジェクトに関わらせていただきました。

この度2023年の8月より、そこを退職し、フィンランドのアアルト大学のデザイン修士課程 Collaborative Industrial Design (略称CoID:コーアイディと呼ぶらしい)に入り、学び直し、研究し直しをしていきます。今回はそこに至るまでの経緯を簡単に書いていきます。


なぜいまデザインスクール(大学院)留学に?

正直自分でもはっきりとこれというワケはわかりません。書こうと思えばいくらでもそれっぽい理由はありますが。正直一番は、学部を卒業するときから、ぼんやりと抱えていた「専門家を名乗るのならば、せめて修士号(デザイン領域)までは取り切りたい」という思いなのだと思います。そして、様々な物事が重なり、結果としてこのタイミングでの留学決定となりました。(とはいえ、何を探求しに行くかは自分のためにも、今後このnoteにきちんと書き留めていきたいと思います)

留学先の選定

留学先を選ぶに当たっては、もとより頭の中でいくつか候補があり、それを改めてNotionに並べ、学費や出願時期・要件などを加えながら、選んでいきました。結果として出願したいと思える先が、今回の留学先しかなかったため、1校決め打ちで出願をしました。

これはそこに受かる自信があったというよりは、今の仕事も楽しいし、その中から学びもあったため、ダメならまた来年受けてみればいいやと考えていたためです。

ちなみに最終候補まで残ったのは以下の4つでした。
①🇫🇮アアルト大学 Collaborative and Industrial Design
②🇬🇧ゴールドスミス Visual Sociology
③🇮🇹ミラノ工科大学 Product-Service System Design 
④🇳🇱アムステルダム大学 Applied Anthropology 

もとより個人的な感情として「イギリスにはあまり住みたくないな」ということだったり「アンソロポロジーというよりやっぱりデザインだな」ということだったりがあり、“住みたいと思える土地”かつ“興味真正面に思える環境”としてAalto CoIDだけを出願先として選びました。

唯一、ミラノ工科大については最後まで検討をしましたが、最終的には自分には合わないという判断をしました。というのも僕の興味志向が、いわゆる”アクティヴィスト”としての市民というよりは、政府や企業という”ストラテジックな主体やしがらみ”を前提とした、社会・地球環境のための戦術的な営みだったためです。(あと修了後にそのまま現地で働くと想像したとき、イタリアは国の経済がだいぶ斜陽傾向、かつ英語で動ける職場が少なそうというのも影響した)

最終的なアアルト大CoID受験にあたっては、先輩の川地さん森さんのnote記事を何度も読ませていただいただけでなく、実際にお話も伺わせていただきました。改めてましてありがとうございました。

アアルト大学 出願〜合格オファー

帰国子女でもない僕は例に洩れず、英語のスコアメイクに多少の時間とお金を割きました。ただ英語で仕事をすることが多く、そこで不甲斐なさを感じまいとなんとなく英語学習は続けていたため、結果として比較的スムーズに必要スコアを獲得することができました。

スコアを作った6月以後の数ヶ月は受験を忘れ、仕事に専念しつつ、片手間にいくつかの奨学金に応募し、資金面での準備を進めていきました。そして、年末の出願が迫る11月頃からポートフォリオ・CV・モチベーションレターを一気に作りあげ、職場のネイティブスピーカーにもチェックしてもらいながら、出願。面接を経て、オファーレターが届きました。

この合格通知はもちろん嬉しかったものの、それ以上にそのオファー内容が嬉しい誤算で、「授業料の全額免除」+「€5,000の支度金」という、総額€35,000(日本円現在レートにして約550万円)ものご支援をいただけることができました。これについては暮らす前から、フィンランド政府にめちゃくちゃ感謝をしています。キートスパリヨン-Kiitos paljon。

国内奨学金出願〜採択

またアアルトのオファーがでる前には「中島国際記念財団(経営科学)」「JASSO給付型奨学金 大学院学位取得型」へ、またアアルトからオファーが出たあとにも「埼玉県発世界行き奨学金 学位取得コース」と、財務的なインパクトを少しでも減らすためも、社会人が応募可能な奨学金制度に出願をしていました。

結果としては、JASSOと埼玉県のさらに2者様より支度金および奨学金(生活費)をいただけることとなり、お財布面でも万全の体制をつくりあげることができました。デザインという未だ日本では偏った解釈が一般的な分野に対して、ご支援を表明してくださったことにも感謝したいと思います。

学生であれ社会人であれ、海外留学の現実的な面として、資金をどう工面するかは避けて通れないものです。この件についてはいずれ個別に記事を残せるようにしたいと思います。

これから

これからはまずは8月の出国に向け淡々と準備をしていきます。会いたい人に会う、食べたいものを食べる、行くべき病院に行く、などいろいろしたいと思います。AYYやHOASと呼ばれる大学経由の住宅斡旋団体から家がまだ決まらないことには、やきもきしていますが。淡々とやっていくしかありません。

今後もフィンランドでの暮らし、デザインの話、研究の話、社会人?留学の話など、少しづつでも書き留めていきます。どうぞよろしくお願いします。



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