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パーキンソンの法則とリーダーの仕事

皆様、残暑いかがお過ごしでしょうか。
蝉時雨もいつの間にか遠ざかり、朝夕の暑さもほんの少し和らいできた仙台から毎月末の小話をお届けします。

私はといえばそろそろ身体の水分の半分は日本酒由来に置き換わり、居酒屋でホヤが食べられなければ若干物足りなかったり、らーめん堂仙台っ子の店舗ごとの味の違いが気になったりする程度には東北民になってきたと感じる今日この頃です。

さて仕事の方は当然のように課題山積みなのですが、おかげさまで素敵なチームメンバーやパートナー企業の皆様に恵まれ、大過なく2ヶ月が過ぎようとしています。
ご挨拶ラッシュと大量のインプットに明け暮れた7月。夏季休暇も活用しつつ少し立ち止まって課題発見・改革仮説構築に努めた8月。そして同様の2ヶ月を過ごした各支社の部長陣と連携して仮説検証を始め、下期に向けた具体の打ち手を講じていく9月が始まります。
新規の業務ラインだけあってもうホント伸びしろしかないはず。ワクワクしますね。

ただ一方で気になることもたくさんあります。
弊社に限らず地方拠点の経済活動あるあるだと思うんですが、まずとにかく関係各所の会議体向かいの報告・調整業務が膨大すぎるということ。

不調な指標項目PI:Performance Indicatorがあれば挽回策を準備し、好調なPIがあれば水平展開のために要因を調査する。中庸なPIであれば今後どう伸ばしていくかを問われ、どうにかこうにか理屈を捻り出す。
結局、どこがイジられるかわからないので全方位で会議準備が必要になる。そして締切ギリギリまでチームみんな頑張る。なのに本番の会議では時間の都合で議論割愛、みたいなね。地獄みあるわ。

誤解なきように言えば、こういう事象、誰も一義的・絶対的には悪くないんですよね。関係者全員がなんとかいい仕事にしようとした結果であって、性善説に立てば誰も初めから"Bullshit Jobs"を生み出そうとしているわけではない。でも現実として、無限にあるPIのモニタリングに有限の稼動リソースを当てるのだから当然不足する。そして末端に皺寄せがいく。
有名な"パーキンソンの法則"ってやつです。

仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

パーキンソンの(第一)法則 Wikipedia

そこからの派生として、「瑣末なことほど議論が紛糾する」現象を示した"パーキンソンの凡俗法則"もあります。
洋の東西を問わず、どこでも観察される話なんですねえ。

So What? じゃあどうすんのよって話なんですけど。
結論、優先度の低い仕事はするなということに尽きるのでしょう。成果につながりにくいことをやっているほどリソースは余っていないわけです。
マーケティング的に言うなら、無数にあるPIの中でも最終成果目標KGI:Key Goal Indicatorの達成につながる主要指標KPI:Key Performance Indicatorを意識して仕事を整理するべしということになります。
ここで重要なのはKPI同士とKGIのつながり、すなわちKPIツリーですね。我が部門ではまだまだこれからという状況ですけどちゃんと考えます。

そしてリーダーの仕事とは。
パーキンソンの法則に従えば「完成のために与えられた時間」を制限することに他ならない。やるべきことを考えているのと同じくらいの分量・熱量で、やめるべきことを考えているか否かです。
やらなくていい、と言えるのはリーダーだけなんです。

より具体的には、求めるアウトプットの品質を定義して「ここまでやってくれ、ここまではやらなくていい」と指示をしたり、「ここに至るまでのやり方はあなたに任せるから口を挟まない。ここより先をツメられるならやらなくていいと言った私が責めを負う」と責任分担を明確化して権限委譲することであったりするのではないかと考えます。

真の"戦"のために"略く"(はぶく)ことで"略る(はかる)"、それがすなわち戦略である、ということですかね。
私も削りの美学を身につけた戦略家になれるといいな、ということで。
これからもどんどん色々やめていきます。本当にやるべきことをやるために!


p.s.
そして歴戦の戦略家となった皆様、レイヤーが上がれば上がるほどやめたいことの影響範囲がデカくなっていくからあんまり呑気な姿を見せられなくなってSNS発信とか減ってしまうのか。。。って改めて気付かされたのでした。それはそれでバランス難しい問題ですねえ。。。











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