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BtoBマーケの施策に「違和感」をつくるという話

この記事はログラスアドベントカレンダーに先駆けて、ログラスマーケティング部のメンバーが勝手に始めたログラスプレアドベントカレンダー9日目の記事です。

ログラス マーケティングチームの盛川です。

先日、以下のようなnoteを出させていただきました。まだ読んでいない方はぜひこちらも読んでいただけると嬉しいです。

現在はマーケティングチームの将来像や事業イシューから逆算した問いを立て、新たな勝ち筋を見つけるための探索活動を行っております。

活動の中心となっているのが、コンテンツマーケ・オフラインマーケです。どのような発信をされているのかを勉強するため、他社のコンテンツを拝見する機会も多いのですが、各社の色が出ているなと感じます。

クリエイティブやコミュニケーションに一貫性があり、分かりやすい会社。
とにかくコンテンツの数が多く、それでいて品質も高い会社。

ログラスは愚直にお客様の満足度の高いコンテンツを作ってきましたが、以前「経営企画の納涼会」というイベントの企画をしたときに、これまでには見たことがないお申し込みとご反応をいただきました。

そのときから少しずつ考えていた、施策に「違和感」をつくるということについて、お話しします。

1. 訴求・コミュニケーションの「独自性」とは

1-1. まずは「安打製造機」をつくること

BtoBマーケティングにて、ホワイトペーパーやイベント・セミナーは欠かせません。各社がお客様に向き合い、企画・制作・運営をしていると思いますが、正直、同じようなタイトルが並んでいるなと思ったことはないでしょうか。

特に、BtoBマーケティングの鉄板施策である、Facebook・タクシーで見るBtoBの広告には、同じようなメッセージ・ビジュアル・構成が並んでおり、「既視感」を感じます。

伝えたい人(WHO)と伝えたいこと(WHAT)が決まり、メディア(WHERE)やチャネル(HOW)を選定したあと、そのままメディアに言葉をのせていることはないでしょうか。

ここまで書いておいてなんですが、私はこのやり方には賛成です。BtoBサービスは便益がしっかりしているため、そのまま言葉にのせても届くと思っています。

基本に忠実に従った方が良く、便益がしっかり伝わり、少しでも興味・好意を持っていただけるタグラインの開発はレバレッジが効くと思っています。

また、実際成長にも繋がると思っています。ホームランではなく、ヒットを狙う必要があると思っているので、尖った訴求や言葉選びをせずとも、健全な成長を狙う仕組みや組織をつくる方が優先度が高いです。

ターゲットを前提にしたコンテンツづくりはユーザベース酒居さんの記事が大変分かりやすいです!

Facebook・タクシーの話だけでなく、メルマガのライティングや、ウェビナーの回し方、などは全てこの考え方に基づいていると思います。奇をてらったことはせず、WHO・WHATに基づいた、メディア・チャネルを見定めて洗練させていき、「安打製造機」をつくることが一丁目一番地です。

1-2. 読まない人は読まない!ということ

安打製造機、つまり勝ちパターンができたとしても、振り向いてくれない方はいます。これは広告を見るお客様のなかで、メディア・チャネルに対する「イメージ」が良くも悪くも固定されているからです。

例えば、皆さんのなかで「メルマガ」ってどのような印象でしょうか。「全ての情報に価値があり、情報の宝庫である」というイメージを持っていらっしゃる方はあまりいないのではないでしょうか。

最近ナーチャリングに取り組んでいますが、どれだけ秀逸なメルマガを送っても、一定の開封率を超えることはないと思います。

これは「読まない人は読まない」からです。件名や内容の工夫だけで、全員が読むわけではありません。実際多くの方にとって、自分にとって不要な情報が一定頻度で流れてくるメルマガは「読まなくてもいいもの」になっています。

一方で、LINE・Slack・Facebook Messengerの連絡についてはその限りではありません。定期的に未読をなくしたいという方も多く、ここの使い方をハックされている企業様もいます。

これはチャネルに対する「イメージ」です。

似たような話でいうと、展示会のパンフレットなどがあります。パンフレットをお配りしているときに、絶対にパンフレットを受け取らない方がいます。この方は、あらゆる情報を精査して、受け取らない判断をしているのではなく、「展示会で配られるパンフレットにはあまり価値がない」と考えている方です。

これが良いとか悪いとかではなく、人は情報取得先のメディアや、情報取得方法のチャネルに対して何らかのイメージを持っています。やっかいなのが、このイメージは不可逆なので、変わりにくいということです。

1-3. 訴求・メッセージの均一化

メディア・チャネルだけでなく、訴求・メッセージも同じようなことが言える気がしてきました。前述したように、BtoBサービスは便益がしっかりしているため、それらをそのまま言葉にすることは良くあります。

その結果「◯◯ができる3つのポイント」「◯◯の効率化とは」といった言葉が並び、本当は魅力的な内容ではありつつ、興味を持たない方が一定います。

似たようなサービスが増えており、受け手のリテラシーが求められる状態になっています。それに伴い情報収集のスタイルも多様になり、ウェブ検索で済ませる方もいれば、セミナーに参加する方、展示会に足を運ぶ方など、多様になってきました。

ターゲットに合わせたメディアプランニングの重要性が高まっており、一方で、扱うメディアの数が増えた結果、クリエイティブに対する工数が相対的に減り、メッセージが均一化しています。

そのため、独自性をもった目立つクリエイティブの割合は相対的に減っていると思います。

2. 振り向いてもらうための3つのポイント

企画をつくるとき、一般的にはポイントを抑えた「タイトル」や読みやすい「スライド」、慣れ親しんだ「配信ツール」を使うことが良いとされます。

このような、自分のなかにすんなり入ってきて、のどごしが良いものが、良い企画と評価されています。客観的に見ても「良さそう」なので、一定のパフォーマンスが出ます。

しかし、記憶に残っていないこと、覚えてもらってないなと感じることはないでしょうか。

人の記憶に関して、見聞きした内容に加えて、時間や空間的な文脈、心理状態といった様々な付随情報と共に保持される「エピソード記憶」という
長期記憶の種類があります。

単に伝えたいことを伝えるだけではなく、コミュニケーション・クリエイティブのレベルで独自性をつくり、心を動かすことが重要です。

ログラスでは、ウェビナーに参加したがその後に通電しない方、一度きりしか接点を持っていない方が、独自性をもたせたコンテンツに対してコンバージョンすることが増えています。

2-1. 施策に「違和感」をつくるということ

人の脳は、何かの情報を得たときに、既に脳内にあるイメージとズレていたり、おかしいと感じたときに、強く反応してしまうことが分かっています。ギャップが大きいほど、反応し、記憶に残ります。

「違和感がある」とは「いつもと違う」ということです。「いつもと違う」を目指すことで、より多くの方に気づいていただくことができます。

「違和感」は色々な方法でつくることができます。イベントを例にすると、バナーやコピーライティングといったクリエイティブが分かりやすいです。通常のイベントでは使われないような尖った言葉を散りばめたり、クリエイティブもトーンを変えることで一気に目立ちます。

ログラスが9月に開催した「経営企画の納涼会」はこの点を非常に褒めていただきました。実際に広告のクリック率も高く、Facebookのタイムラインでは少し浮いていました。

経営企画の納涼会のバナー

また、5W1Hにあらゆる「違和感」のきっかけがあります。
例えば、場所を大きくズラすこと。「ログラスマーケが実践する”Quick Win”の真髄」というテーマで、ウェビナーを選択するもひとつですが、「20人限定で台東区のサウナで話します」とするだけでズレた企画になります。
この点で、リアルイベントは挑戦の余地、工夫の余地が多いと感じています。

他にも、時間を大きくズラすこと。通常夜にやりがちなミートアップを、早朝に実施する。朝渋さんなんかは、凄くキャッチーで「違和感」があると思います。

誰が、どこで、いつ、何を、何故、どのようにするか。このなかの何かひとつだけを大きくずらすことで、「違和感」を作ることができます。

肝心なことは、「ひとつだけ」ということです。あらゆるところに「違和感」があると、それはまとまりのないもので、受け入れられ難くなってしまいます。

広告を見る人の頭のなかのイメージと「ちょっとズレている」ぐらいがちょうど良いです。高度なテクニックなんかでは全くなく、企画書を書いたあとに、何かひとつだけを大きくズラせないかな、と考えてみてください。10個出したら、1つは光るアイデアがあるはずです。

2-2. あえて「打ち手」から入ってみる

打ち手から入ることで、施策が「チャーミング」になることがあります。目的などは一旦無視をして、「面白そう」というアイデアを沢山出し、議論していきます。

そして、施策が「チャーミング」になると、多くの方に受け入れられやすくなります。カオナビさんのプロモーションムービーが、個人的には好きでした!

一般的に打ち手から入ることは批判されますが、「目的」を忘れることではありません。「目的」から落とすと、あんまりぱっとせず、面白くない企画になりやすいと感じています。

「目的」から落とす考え方は「収束」に近く、色々な制限・枠組みのなかで、実現方法を考えていくアプローチです。しかし、多くの方に受け入れられる「チャーミング」な施策は、人の想像を超えたアイデアに眠っています。

これらのアイデアも結局は、何かの模倣・組み合わせです。クリエイティブディレクター・PRプランナーの方々は、こういったことを息を吸うように、それも高いレベルで実施されていますが、BtoBマーケターは上記で丁度良いのではと思っています。

打ち手からと言いましたが、結局は目的を外すと良いアウトプット・アウトカムは生まれません。結局のところ、「目的は外さないぜ!」という強い意思と覚悟をもちつつ、打ち手を上手く接続させ、帳尻を合わせる「何とかする力」が大事だなと感じています。

2-3. 企画の「具体性」を上げてみること

「認知系のウェビナーをやってみよう」

このような会話をするBtoBマーケターはいるんじゃないでしょうか。僕もよくしています。

過去実績から大体のパフォーマンスを見込むこともできますが、抽象度の高い言葉は便利な一方、ふわっとしてしまうことが多いと思います。

また、施策の具体性がないと、コンセプト自体のポテンシャルが誰にも分かりません。敢えて具体性を上げていくこと、そこまで踏み込んで考える癖をつけると良いと思います。

例えば「お客様との繋がりを深めるイベントをしよう」と考えたと思います。この柔らかい案をチームに持っていっても具体性がないため、各人の頭に浮かべるイメージが異なります。その結果、良し悪しが判断できないといったことが起こります。

ここで「どんな会場で実施するのか」「何人ぐらいを集めるのか」「どのような食事をお出しするのか」「BGM・投影スライドはどのようなものか」などを、仮でも良いので具体化します。

大変好評だった「経営企画の納涼会」の企画の裏側

ビジュアル化することがオススメです。言葉では認識が揺れることがあります。

ここまで考えきると、コンセプトや施策の良し悪しが見えてきます。また、皆が同じイメージを持ちながらアイデアを出し、叩くことができるので、短期間で洗練することができます。

急がば回れ。企画を考えるときは敢えて具体性を上げてみることがオススメです。

3. 良い「企画」を一緒に考えませんか!

ログラスマーケティングチームでは、イベントだけでなく、ホワイトペーパー・メディアなど、コンテンツを強化していく方向性にあります。こちらの企画から入っていただき、コンテンツマーケを一緒にディレクションしてくださる方を募集しています。

特にオフラインマーケの企画は、あと1段階・2段階、レベルを上げにいきたいと思います。未経験でも大丈夫です!

ログラスは「良い景気を作ろう。」という最高のMissionと、高い事業目標を常に掲げています。

単なるオフラインマーケの企画・運営ではなく、お客様の体験を上げる取り組み、「経営管理クラウド」という市場を創るための挑戦にご興味のある方、良い景気を作りたいという方は、是非ご連絡ください。

X(Twitter):https://twitter.com/kskmrkw


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