読書記録

ツルネ 綾野ことこ著

2周目。

アニメも原作もどちらも大まかな流れは、風舞高校が県大会予選出るまで。
流れや順番、アニメで描かれていない部分に関しては、1クールの放送話数が決まっていたり、制作にあたっての事情等があるからかな。

・入部前湊が夜多の森神社でマサさんに出会い、一万射をしていることを知る。早気のことを話す。
入部前にマサさんに夜多の森神社で指導を受け、一万射ラストにお爺さんのことを聞く。一手弓と禅の再現をする。湊も弓を引き的に届く。
→アニメのサブタイトルには「風舞高校弓道部」とあるように、風舞がメインになるからマサさんとの部分が原作では、すごく密に描かれていて良い。

・西園寺先生は原作では男性、アニメでは女性。
→設定をした理由が気になる。

・マサさんが風舞のコーチを受けて、原作では秘密特訓として夜多の森神社へ。マサさんのお母さん(女神主)登場。夜に大広間で怖い話を部員でやり、昼にバーベキューをする。
湊と七緒で川へ飲み物を取りに行こうとし、そこで七緒のファンに遭遇。弓道に打ち込む七緒へ嫉妬し、キャップを飛ばされる(キャップは海斗と海斗の姉たちからのプレゼント)。湊キャップを追いかけびしょ濡れに。
一足早くお風呂を済ませた湊を呼び、マサさんが手の内を教える。落ちの意味をマサさんに確認をする。
→下僕Tシャツアニオリだったか‼︎と。
あとマサさんお母さん…綺麗なんだろうなと想像しながら読んでいた。

・桐先校内選抜後、原作では本村と佐瀬と愁と千一と万次で食事をする。
→桐先サイドのお話がたくさん描かれていて、強豪校というのもあり、チームワークに関しては薄いのかなと思っていたけれど、こうやって部活っぽいところが読めたのは嬉しい。

・県大会予選で愁と湊が話す内容が、原作では愁が西園寺先生が「2人の少年を前にして確信した、この出会いは弓の神からの贈り物だ」と言っていたことを伝える。

・アニメで静弥との会話で湊は、愁は自分のことは忘れてるとあった。原作では、湊は愁と再会し、見限られなかったことを知って嬉しく、絶対に早気だけは起こしたくない、無様な姿をさらしたくないと強い欲求を持つ描写がある。
→湊と愁の描かれ方が原作の方が密。

・原作では、予選から県大会までの間に、トミー先生が湊たちにミッション(釣り)を言い渡される。
→アニメではバーベキュー回にあたるシーン。
原作では、しっかり静弥と海斗のシーンがあって、海斗も汲み取るのが上手いから、静弥は隠せてると思ってるかもしれないけど、その部分が読めたりしていて、でも直接何でもかんでも言わない距離感もこの2人って感じがする。

アニメ1期を見終わってから、原作を読んだのもあり、アニメの内容が前提でここが違うんだとか、こういう描き方に変えてるんだとか、という見方についついなってしまいがちだった。
原作は、個々のやり取りや、感情や考え方がしっかり描かれていて、より1人1人理解が深まった。
印象的だったのは、湊と愁、湊とマサさん、静弥と海斗。

アニメだと結構湊って愁に対しての気持ちが、薄いというか(風舞がメインなので当然なのかもしれないけど)、愁サイドは見えてる方だったから。
湊が愁に対して、こう思ってたんだ、向かう先は違うかもしれないけど、弓への思いは2人共熱いものを持っているのは同じ。

湊とマサさんも、お互いが師弟として強い絆で繋がっている感じがした。
そこにちょこちょこ出て来る蓮さんがインパクト大。
蓮さんの掴めない感じが、この人どうしたいんだと湊と一緒に引っ掻き回された。

静弥と海斗も、しっかり2人で話すシーンがあって、海斗ってこう思ってたんだっていうのが、分かってそれに対しての静弥も歩み寄って、でも奥の部分はまだ出せなくてみたいな。

静弥の湊と同じく風舞へ進んだ理由(自分が湊のお母さんに代わって、湊を守ると誓ったこと、弓を引ける環境を作ってあげるのが自分の役目だと答える。
自分が事故が起こる前に呼び止めて話をしなければ、事故は起こらなかったと責任を感じている。
湊にケガを負わせ湊からお母さんを奪ったのも自分だと。だから湊が負った傷の分だけ罪を償うと誓った。湊を守ると)も、そう思わずにはいられないよねと思ってしまう理由だった。
でもその後の「地上につなぎとめてくれたのは静弥だと、呼び止めてくれたからケガで済んだんだと、おまえのおかげでここにいる。ありがとう」という言葉に、少しでも救われれば良いなと思った。
100%吹っ切れることは難しいかもしれないけど、少しでも。

海斗七緒へ予選でおまえと静弥が俺の分まであててくれたおかげで、俺たちは決勝戦に出られる…サンキューなと伝えたのも個人的に熱かったな。
中々素直に言えないかっちゃんが言うからより。

輪倉高校の部員に押され、湊が事故の時痛めた左手に影響が。
海斗が気付いて、かっちゃんは本当に周りのことが見えている人。
また隠し事をしたと自分達を仲間と認めていないと海斗が怒り、湊も心配させまいと自分だって個人戦に絞りたいといいうつも、本当は団体戦に出たい(七緒に聞いた)こと隠していると言い返す。
湊が続けて海斗は仲間から逃げている、仲間を作ることを怖がっている、自分の思いに他人がついて来られないことを恐れている、本当は絶望しているのに相手にも自分にも失望したくないと。
だから名前で呼べと、仲間になってやると。
自分が落ちに置かれた意味を伝えて、自分が高みへ連れて行ってやると海斗に言う。
海斗湊を名前で呼ぶ。
このシーンも中々湊も本心をしっかり伝えて、ぶつけて、とんとん拍子で仲間や名前呼びにならないのがこの2人らしい。

最初は原作とアニメの違いを細かくつもりが、いや小説を読んだからと、そちらの感想メインに変えようとか色々書いてたら、読み終えた日から1ヶ月以上も経ってしまった。

2023.2.10

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