走る時の意識と感覚

私たちは走っている間、自分の走りを客観的に見ることができません。よって、自分の走りを評価する際に「いい感覚で走れているかどうか」を指標にする人が多いでしょう。

実際の動きと感覚はリンクしていて、筋肉の使い方として効率良い走りができている時に、良い感覚で走れている、と認識しているのだと思います。いい感覚は動きで意識するポイント(腕振り、足の運び、重心移動…など)が良かった時に得られると思います。

身体を動かすこと全てに当てはまりますが、同じような意識を持って走ったとしても、身体の状態が違う場合同じ感覚(=動き)が得られるわけではない、というのが難しいところです。

例えば、前傾を意識することでうまく走れている人がいるとします。しかし、練習を続けていくと少しずつ筋肉のバランスは元の状態から崩れていきます。ニュートラルな姿勢が猫背になってしまった場合、その状態で前傾を意識してもうまく走ることができません。背中が余計丸まって苦しくなるでしょう。その時に必要なのは、頭から糸で引っ張られているイメージを持って結果的に上体を起こすことなのかもしれません。身体の状態によって、ベストな動きに近づけるためのポイントは変わってきます。

自分の走りやすい意識はいい動きを再現するための手段にすぎず、身体の状態が変われば意識すべき点は変わってくる。というのが大事なところです。

私も1番気持ちよく走れる意識のポイントが身体の状態によって変わっています。前傾を意識した方がいい時もあれば、頭から糸で引っ張られている状態をイメージした方がいい時もあります。腕振りも叩く意識がいい時もあれば、下から上への引き上げを意識した方がいい時もあります。少しでも身体の状態が変われば、ベストな動きを再現するために意識するポイントも必然的に変わるからだと考えています。

長い間走りから遠ざかっていた場合、「自分の以前の走りができない」という悩みを抱える選手は多いです。それはある身体の状態でいい感覚で走れていた時の意識に囚われているからだと思います。速く走れていた感覚は身体に染み付いているけど、以前の意識で走っても身体が変わっているからいい感覚として認識されない、ということです。身体が変わるというのは身長や体重といったわかりやすいところに限らず、立ち姿勢や身体の前後の筋肉の張り方などパッと見ただけではわからないところも含まれます。以前の意識で走ろうとしないで、今の身体で1番速く走れる意識を追求していくべきだと思います。

理想としては、身体の状態を一定にした上で、自分が1番走りやすい意識での練習を継続することでしょう。そのためにケアや練習量の調節は必須です。しかし、身体の状態がある程度変わるのは仕方ないことなので、いい感覚で走れる意識の引き出しをたくさん持っておいて、うまく走れない時には柔軟に意識を変えていく事が必要になるでしょう。

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近藤秀一

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