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「品質」を定義できているか?

朝一で次の文章を目にして、考えたことを書いておく。

「語彙」を獲得することで世界の解像度が上がり、思考の精度も上がる。その語彙を獲得するために読書をすることは重要だという主旨にも大いに賛同するが、今回参考になったのは「品質」の定義。

たとえば私が「エレガントな定義だ」と思った言葉の1つが、「品質」だ。

品質とは「対象に本来備わっている特性の集まりが,要求事項を満たす程度。」(ISO9001:2015)

もちろん、これは品質マネジメント規格の定義であり、日常で使われる「品質」よりもかなり広い意味を含んでいる。

品質とは、「対象に本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度」とある。

僕は普段、コンテンツの編集業務に従事しているが、コンテンツをつくる領域では「クオリティが低い」「もう少しクオリティを上げてほしい」というような言い方をされることがある。
しかし、どうクオリティを上げればいいのか?が曖昧だったりする。

この状況に「品質」の定義を当てはめて気づいたことがある。

人が「クオリティ」や「品質」という言葉を使うとき、その人のなかには独自の「コンテンツが持つべき特性と要求事項」があるということだ。「クオリティ」や「品質」ということばで覆い隠されているが、そのなかにはさまざまな「特性」と一定の「要求事項」がある。

その特性と要求事項の共通認識がないまま、「クオリティが低い」という言葉だけでフィードバックされた場合、「どの特性をどれくらいの水準に高めるのか」がわからなければ、意向に沿うことができない。

「品質」や「クオリティ」という言葉を使うときには、外せない特性にはどんなものがあり、それらをどれくらいの水準で求めているのかを相互認識することが不可欠になる。

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