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仕事の悩みを乗り越える4つの精神論

解決への道筋の見えないトラブルの発生、致命的な失敗による叱責必至の状況など、仕事に取り組んでいると様々な問題に見舞われる。不安が不安を呼び、晴れない暗澹たる気持ちからどうにか解放されないだろうかと願うものの、その兆しが一切見えない、という経験は誰にでもあるのではないだろうか。歳を重ねると問題への対処能力と鈍感力が磨かれ、多少のことでは動じなくはなるのだが、仕事でピンチな状況が訪れることからは残念ながら解放されることはない。

状況を気に病んだところで問題解決にはつながらないので、切り替えてやるべきことを粛々とやるのみ、というのが正解なのだが、その気持の切り替えにもやはり経験やコツはいる。私も若い頃は仕事上の問題が気になり、夜眠れなかったり、うなされたりすることはあった。が、歳をおうごとに自分の気持ちの切り替え方が身についてきた。本日は、感情の整理を早めに終えて、問題に向き合い行動を起こすモードに向かうための精神論を私なりにいくつか紹介したい。

自分の感情の整理と状況への対処を分ける

まずは、大原則なのだが、「やばい、どうしようどうしよう!」とパニクっている状況ではパフォーマンスはでない。それで正しい判断ができず、解決に向けての対処も鈍ると負のスパイラルに陥ってしまう。
焦ったところで状況が好転することは残念ながら絶対にない。なので、まずは負の感情を整理し、問題への対処、即ち行動にフォーカスできるような精神状態に持っていくことが大事だ。感情と理性をごっちゃにする人は、この切り分けができないのでトラブルに滅法弱い。感情はわき起こるものなので完全におさえつけることはできない。なので、その負の感情が早めに喉元を通りすぎるように自分をコントロールすることが大事だ。この大原則を抑えた上で、負の感情をわきにおく、4つの精神論を紹介したい。

10年後に自分はその状況を覚えているのか

「やばい、どうしよう!?」と途方にくれたことは誰しも何回もあると思う。が、どんな状況で途方にくれたのか、その時の自分はどんな精神状態だったか、などを正確に回数やタイミングを含めて覚えている人はいない。どんなつらい状況だって、喉元を過ぎてしまえば過去のことだ。少なくとも私は10年前の自分が何に悩んでいたのかを思い出すことはできない。要するに、その場その場のピンチの状況にわき起こる感情なんてずっと維持できるものではなく、思い返してみれば殆どが他愛のないものなのだ。

なので、私は仕事でピンチに陥ると、「10年後に川辺のカフェで、何の不安もなく、のんびり茶を飲んでいる自分を想像する」ようにしている。想像しながら、自分にこう問いかけるのだ。

「自分はこのピンチの状況を10年後に茶を飲みながら思い出せるだろうか」

そうするといつだって私の答えは「多分覚えてねーな」である。そうすると、時間がたてば忘れてしまう感情に心を乱すことがバカバカしくなり、負の感情が和らぐ

「得意淡然失意泰然」と心の中で唱える

「得意淡然失意泰然」というのは私の好きな言葉だ。

「調子の良い時はあまり驕らず浮かれず淡々と物事にのぞみ、調子の悪い時でも事態は改善すると信じ、落ち込まずに、むしろどっしり構える

という心構えを表している。
トラブルというのは何かと立て続けに起こるものだ。超弩級のトラブルが連発したところに、「今はやめてくれ~」という心の叫びも虚しく、細かなトラブルの波状攻撃を受けるというのは誰にでも経験はあるだろう。でも、どんなにトラブルが重なったところで、「ま、そのうち落ち着くだろう」と信じ、自分のできることを行動に移していくことしかできないのも事実だ。
なので、ピンチが重なった時は、心の中で「得意淡然失意泰然」という言葉をつぶやき、「そのうち事態は好転するから、やるべきことを自信をもって取り組もう」と切り替えるようにしている。

「シュガーバニーズ」の主題歌を口ずさむ

仕事で危機的な状況に陥っている人がこの対処方法をみたら、「ふざけんな!サンリオかよ!」と怒るかもしれない。が、私はふざけておらず、大真面目だ。
「シュガーバニーズ」というのは、サンリオの複数の可愛らしいウサギキャラがでてきて、わちゃわちゃするというテレビ番組だ。私は娘がいるので、娘が小さい頃は娘親の教養としてサンリオやプリキュアの番組のチェックに余念がなかった。その「シュガーバニーズ」という番組の主題歌は下記の歌詞のサビから始まる。

きーいーとうまくいくよ
きーいーとうまくいくよ
きーいーとうまくいくーよ

早稲田大学の校歌ばりにキーワードを連呼する構成だ。聞いたことがない方は調べて聞いてみて欲しい。
ウケ狙いかと思うかもしれないが、負の感情を整理し、問題の対処にフォーカスするには、「きっとうまくいく」と信じるしかないではないか。これは勿論精神論だが、課題は知識や技量で解決ができるがが、感情の整理は最後は精神論で解決するしかない。私は朝起きて、顔を洗って、

「あぁ、今日も大変な状況が続くタフな一日になりそうだ、、、」

と気持ちが沈んだ時は、この歌を口ずさむようにしている。軽快なリズムにのって、無邪気なキャラクターが明るい声で「きっとうまくいくよ」と連呼する。意外と勇気づけられ、前向きになれる。騙されたと思って試して欲しい(効果がなかったらごめんなさい)。

「最悪の結末」を受け入れる

一、「起こりうる最悪の事態とは何か」と自問すること。
二、やむをえない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること。
三、それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力すること。

『道は開ける』 〜悩みを解決するための魔術的公式 〜

自分の乗っている船が沈没しそうな場合、最悪の結末は死だ。この状況で、不安な感情をわきにおく術を私は知らない(幸いなことにそういう状況に陥ったこともない)。
仕事でピンチの際の、「最悪の結末」はおそらく「解雇」だろう。クビといったところで、実際に首を切られるわけではなく、せいぜい仕事を失うだけの話だ。死んだら再就職もできないが、クビをきられたくらいなら仕事をまた探せばよいだけだ。
「解雇」という最悪を受け入れると、腹もくくれ感情が落ち着く。そうなったら、少しでも現状からの最善にもっていけるように行動をしていくだけだ。パニクるとどうしても状況を必要以上に悪く考えてしまいがちだが、これは損だ。「もし全てうまくいかないとどうなるか」と考えてみると、意外と仕事がてにつかなくなるくらい心を乱す必要のないことに気づくものだ。

まとめ

私は、コンサルティング会社で以前働いていた際に、その会社設立依頼の大トラブルプロジェクトの、その中でも最も過酷なチームにアサインされたことがある。たまには激励にくるパートナーは、話の締めにいつも

「夜明けの来ない夜はない」

と励ましてくれた。当時若かった私は、そんな精神論は良いから、もう少し日々の課題を解決するような現実的なアドバイスが欲しい、と思ったものだが、今から振り返ると若かった。わき起こる大小のトラブルの一部への助言よりも、前向きに行動にフォーカスするために、「夜明けの来ない夜はない」と激励してくれていたのだと今ならわかる。
ここで述べたことはすべていわゆる精神論だ。精神論というのは昭和の遺物みたいな扱いをされがちだが、負の感情を整理し、行動にフォーカスするためには私にはかかせない道具立てだと思う。仕事で悩んでいる方の心の負担を少しでも本エントリーが軽くできたら、こんなに嬉しいことはない。Good Luck!

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