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大女優ヘップバーンをエスコート⁉️

自分がファッションイベント業界に飛び込んだキッカケになったのは、当時は珍しかった紳士服の専門学校を卒業した流れで入所したデザイン研究所でした。研修で、ファッションショーの裏方で実際の現場に出る事が多かったので、当時男が少なかった事も幸いして入所1年で系列のプロデュース会社に就職する事が出来ました。

直ぐに訪れた衝撃的な体験……。

日本の自動車企業が冠スポンサーになり、パリからフランスを代表するオートクチュールデザイナーのジバンシーをコレクションとマヌカン(モデル)ごと日本に招聘して、東京(NHKホール)・大阪(フェスティバルホール)でファッションショーが開催されました。またスペシャルなことに、ジバンシーブランドが創立30周年であった事もあり、世界を代表する大女優オードリー・ヘップバーンも来日され出演が決まったのです!そしてこの仕事を総合プロデュースしたのが所属している会社でしたので、もちろん私も末端ですがスタッフとして参加出来たのです。

自分の役割は進行係といい、オンステージするキャストを楽屋裏からステージ袖まで声がけ・誘導・スタンバイされ、後は舞台監督が、表に居る演出家の指示するタイミングでキャストをステージ上に送り出す訳です。

そして、感動の衝撃が最大級に訪れた瞬間はヘップバーンを舞台緞帳(どんちょう)裏の下手(向かって左側)から上手(向かって右側)に誘導したその時でした。当然通路は暗いので自分の左手でヘップバーンの手をとり、右手のペンライトで彼女の足元を照らしながら、後ろ向きに数ジューメートル先にあるスタンバイポジションまで辿りついた時…。しっかりと私を直視して、微笑みながら優しく…「Thans! (サンクス)」と言ってくれたのです。

確か中学生の頃だったか、テレビ放送で彼女の「ローマの休日」を観て、思春期の多感な心を大きい揺さぶられた経験もあり、当時はやはりスクリーンの中の登場人物や物語は現実とは別世界だったので。

え?それが衝撃的?確かに今は、テクノロジーの進化で全ての垣根は低くなりそんな時代になっているのかも知れません。ただ自分にとってのあの瞬間のあの感動は、あの時の自分の立ち位置やこれから目指さなければならない事などを強烈に認識させられた、40年以上経過した今でも忘れられない「Thanks!」になりました!

能書きとか理論だけじゃない…もっとシンプルで大切なものが、人間にはあるんだよ。

話しが脱線しました(^^;;
次から現実に戻します。


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