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研究費の獲得について ~この方法を教えて,ラボの後輩は軒並み”科研費”を獲得してます~

大変ご無沙汰しております。前回のnoteから2カ月強。なかなか、充実した2か月間でした。大学では、定期試験の時期となったので,時間を見つけて,あまり「責任をとらなくてよい?」記事をアップロードしようかと思います。

ズバリ!研究費の獲得方法!!

研究者が,個人の探求心を満たすために、必要なものは【お金=研究費】です。他にも、人材など多々ありますが,今回は研究費獲得のお話です。

下記の年表は,私のこれまでの省庁関係(文科省,経産省などなど)からの研究費獲得【年表】です。
(*企業様からの研究費獲得は除いてあります。)

研究費の獲得年数

日本の研究.comというサイトで,研究者名で検索することで,これまでの研究課題(獲得した研究費)を閲覧することができます。

見てもお分かりの通り,

学位を取得させていただいてから研究代表者として,【省庁関連からの研究費】を切らせたことはありません。(※上記の年表には,研究分担者の研究課題も入れて編集しています。)

どうせ、有名な研究室なんでしょ?

そんな斜め上の言葉が出てくるから,研究費が獲得できないのかもしれません。私の所属していた研究室は,いわゆる有名な研究室ではありません。(※非常に学びが多かった研究室です)

なぜ?研究費が初年度から獲得できたの?

指導教官にお願いして,修士2年生のころから研究申請書を見せてもらっていました。時には、自分で資料を書いてみたり・学術論文の作製の傍ら,将来を見通して予算申請についても実践的に作文技術を身につけました。

その4年間の研究申請書の執筆活動は,

今でも生きています。

今回は,そんな【コツ】を書いていきたいと思います。このコツを伝授すると、後輩研究者は軒並み,科研費が採択されているので,そこそこ間違えていないと思います。

おすすめの本

おすすめの本を紹介してほしいっとありますので,下記の本はザーッと見ましたが,参考になるかと思います。(個人的には買わなくても良いとは思いますが・・・)

4500文字

いきなり,「精神論かよ!」と思われるでしょうが,研究計画調書を作成するうえでの【気持ちが出来上がっていない】ので採択されないのです。
今,これを読んで「イラっ」と思われた方も,実際に採択されれば,この精神論がいかに大事なことであるかを身に染みて感じますし,後輩の研究者にこの精神論を【まず初めに伝えたくなる】はずです。

さて,次のURLから「科研費の研究計画調書」をダウンロードできます。
Webページ中央の「2.研究計画調書(添付ファイル項目)」に,特別研究推進(新規)から始まり基盤研究(S)や挑戦的研究(萌芽)や若手研究が並びます。

それぞれの研究種目の違いを知らない閲覧者もいるかもしれないために,ざっくり【金額】で紹介すると,

特別研究推進(新規):3-5年間 2億円以上5億円まで
基盤研究(S) :原則5年間 5000万以上2億円以下
挑戦的研究(萌芽):3-5年間 500万円以下
若手研究:2-4年間 500万円以下
他にも研究種目はありますが省略させえていただきます。詳しくは,次のURLから飛べます。

さて,さっそく大事なことを述べさせていただきます。

”研究計画調書をとおして【研究費】を獲得する”のです。

さて、本題に入っていきましょう。基盤研究(S)を作成しようと思う研究者はすべからず、その他の研究費をすでに採択済みでしょう。
ここでは例として、【若手研究】と【挑戦的研究(萌芽)】の資料を用いて、説明を行います。ともに,2-5年間で500万円以下の研究種目です。

改めて、以下のURLから「科研費の研究計画調書」をダウンロードできます。

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S-21が若手研究(;2-4年間,500万円以下)に関する資料です。7ページで構成されていて,それぞれのページで以下の内容を記載します。
P1-3:研究目的・研究方法
P4:本研究の着想に至った経緯など
P5-6:応募者の研究遂行能力および研究環境
P7:人権の保護および法令等の遵守への対応

P4以降は、これまでの研究者自身の実績がかかわります。この部分についても後述いたしますが,【研究費】を獲得する内容は,あくまでもP1-3の「研究目的・研究方法」に集約されるでしょう。
*当然,P4-7までの内容も大事ですからね。

計画調書を見ていただければわかりますが1ページあたり2000文字くらい書けます。研究内容を表す概略図(500文字スペース)ものぞくと,【P1-3の「研究目的・研究方法」】には,1500文字/頁しか書くことができません。

3ページ分で4500文字です。

この【4500文字】で,500万円が採択されるかどうかが決まるのです。
この事実を深く深く「深く」心に刻む必要があります。

1文字あたり1200円です。

この1文字1200円を忘れて研究計画書を書いている方が非常に多いです。500文字分をつぶして挿入する研究計画の概略図は「実に55万円分の価値をもたせない」といけません。

概略図に【55万円分】の労力を割く必要があります。

さて,改めて自問自答しましょう。

これまで,1文字あたり1200円の気持ちを込めて書いてきましたか??

科研費のコメントを求められた研究者に、この事実を(笑いながらですが)伝えると,「はっ!」と顔が変わる方が多いです。


*以下,有料となりますが。
これからもどんどん加筆していこうかと思います。文部科学省の方針で書類が変更されていますので,変更のたびに追記していきます。可否修正した場合は,メールでご連絡がいくようなシステムがNoteにはあります。

ご購入いただいた方,誠にありがとうございます。

ともに,研究費を獲得して,学生に良い意味での楽をさせてあげつつ,健全なラボ運営を行えればと思います。

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学生から大好評だった授業ノートを公開します。役立てていただければ幸いです。また,家でできる実験も書いていきますね。