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ミュージカル「マチルダ」の観劇(2023年4月・東急シアターオーブ)

神奈川大学外国語学部英語英文学科です。英語圏児童文学が専門の鈴木宏枝ゼミナールによる「ミュージカル「マチルダ」の観劇」の記事が、神奈川大学人文学会学生部会の「PLUS i alius」No.02(2023.9.29)に掲載されました。


2023年4月15日に、外国語学部英語英文学科鈴木ゼミの3年生の希望者は、東急シアターオーブでミュージカル「マチルダ」を観劇しました。参加者の感想の一部を報告します。

歌を通して伝えられるメッセージ、ミス・トランチブルのアクション、ミセス・ワームウッドの社交ダンス、第二幕が始まってすぐの観客との対話などミュージカルならではの要素・脚色があり、原作との相違を見つけながら鑑賞することができて面白かった。
 個人的には、「ぎちぎち」に生徒を入れようとするミス・トランチブルに抗うため、クラスの皆が口々に誤ったスペルを言う場面が印象深かった。全体を通して、このミュージカルは「反抗」に焦点が当たっている部分が多く、また違った視点から物語を咀嚼することができた。この場面以外にも、マチルダがミスター・ワームウッドに「ぼうず」と言われたことに対し「女
の子よ」と言い返したり、ミス・ハニーがトランチブルに対し「ちゃんと教えています」と少し声を荒らげて言い返したりしている場面も覚えている。原作を読んだ際は、マチルダは芯や意志の強さを内に隠しているように感じたし、ミス・ハニーは自身のトラウマに身を震わせているように感じたのもあり2人にここまでの強かさを感じてはいなかった。ミュージカルでマチルダは性別を、ミス・ハニーは自分の好きなことでもある、人にものを教える教師という職業を否定され、強く言い返している。原作を読んだ際にはあまり感じられなかった部分であるが、これは「反抗」に焦点が当たっているからこそ見えた面であったのだろう。
 「マチルダ」は、ロアルド・ダールがユーモア溢れる作品の中に散りばめたメッセージ性を少しずつ拾い上げて色濃くしたもののように感じた。『マチルダは小さな大天才』とはまた違った感想を抱かせてくれたし、この作品をより深く味わうための橋渡しの役をしてくれた。本当に素晴らしいミュージカルだった。
                             (菊池 暖)

原作を読んでいたからこそ知っている場面と照らし合わせて楽しむことができたり、原作とは少し違った部分も見つけることができたりと、終始わくわくしながら観劇できました。演出や小物の使い方が世界観とマッチしていてより物語に入り込みやすかったと感じました。
                            (小林 亜椰)

観劇に際し、事前に原作を読み、どこが脚色されたのかを比べると面白いだろうという鈴木先生の提言から、原作を読んだ状態で当日を迎えました。脚色という言葉に、私は勝手ながら、原作には基本的に忠実であり舞台化の都合上どこか省略された部分があったり、その部分を上手く繋げたり、という意味だと思ってしまっており、実際に見ると、原作には無かった展開がずらりと演じられ、驚くばかりでした。舞台化された「マチルダ」は、原作よりもミス・トランチブルに愛嬌がありました。演者さんの声量、音圧にはとても圧倒されましたし、とても男性演者とは思えない女らしさを感じました。
                           (白澤 ことみ)

全く知識のないまま劇を見ましたが、冒頭から圧巻でした。ミュージカルを見るのは小学生の頃から2回目でしたが、自分より小さな演者達が生き生きと演技している姿を見て涙が出ました。マチルダの家庭は自分には想像出来ないほど残酷なものであるなと思ったのですが、マチルダの自分の信念を曲げない、自分を貫く姿は自分が情けなくなるほど勇敢でした。彼女のような生き方はなかなかできるものではないと思うので(超能力とかも)、自分の中にも小さなマチルダを宿らせて正しく生活してみようと思いました。
                           (宮崎 あげは)

歌もダンスも物語の雰囲気に合っていて本の物語を現実で見られた気がして楽しかったです。トランチブル校長先生を男性の俳優さんが演じることで、大きく強く怖いというイメージがよく再現されていたと思いました。そして、ハニー先生は本で読んでいた通りの優しい声でしたがすこし工夫を加えて面白い一面を入れられていてさらに魅力ある人に感じました。マチルダは本で読んでいた時のイメージよりすこし自分の意志が強くまっすぐな気がしました。マチルダの父の役を斎藤さんが斎藤さんの面白さを出しながらキャラクターに忠実に演じていてとても印象に残りました。全体を通して照明や音楽、演者さんたちの演技すべてが素晴らしくて、マチルダの物語を本で読んで楽しむのも良いですがミュージカルを見るのも好きになりました。
                            (栁 莉里子)
                           

 実際に幼い子供がマチルダを演じることで、マチルダが同い年の子供たちよりも聡明であることが強調されていてとても良かったと思います。また、トランチブル先生が登場するシーンでは張り詰めた緊張感とその中で起きる笑いのシーンのメリハリがすごくて面白かったです。役者さん一人一人の演技が加わってストーリーがより魅力的にパワーアップしている気がして最後まで楽しく観劇できました!
                           (山田 あすか)                        

マチルダのパネルと一緒に

元記事はこちら(「Plus i alius No.02)

鈴木教授による「ミュージカル「マチルダ」と『マチルダは小さな大天才』」はこちら!

鈴木先生をもっと知りたい方はこちら!


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