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あしたは墓参り

母方の実家はPL教なので墓石がない。遺骨はPL教の広大な敷地内にある建物の中なので、記憶を元に嫁ちゃん子どもたちで行こうと試みたが入口が分からず断念した。

盆を迎えるという事で行き方を聞いてみたらちょうど8月の13日に行く予定にしていると!渡りに船とはこの事だと、一緒に行く事にした。

が、嫁ちゃんは夜勤の明けの日。実家から父の姉、父方の祖父、母方の祖父母と回る予定との事で朝の早くから出る予定にしている。どう考えても物理的に無理。なら、いつも嫁ちゃんの夜勤入りの時に当たり散らされている子どもたちを避難させることも出来るし、墓参りも出来る一石二鳥案が飛び出した。実家に泊まって一緒に行く。

さて、問題は嫁ちゃんにどう伝えるか。たぶんひとりで置いていかれる事を不満に思うだろう。だからと言わずに行く事は不可能。絶対に言わなければいけない案件である。

とりあえずジャブで墓参りに行ったけれど辿り着けなかったエピソードを話す。そして、道を覚えるために一緒に行こうかと思っている事を話す。その時は特にリアクションは無かった。第1段階はクリア。

乾杯!子どもたちが寝静まればふたりの時間。ビールを飲みながら少し話す。嫁ちゃんはスマホの画面を見ているので聞いているかは分からない。でも、良い。ファーストミッションはクリアだ。

嫁ちゃんはよく仕事でのエピソードを話す。おかしな患者が来た話や同僚の苦情、しんどかった事や寝れなかった夜勤、頑張った事など。話したいモードの時の聞き役はNo助言である。話をする事で仕事での出来事を消化し昇華するのだ。そこに助言も指摘も要らない。必要なのは話しやすい様に合いの手を入れる事だ。必要ワードは復唱する。そして、感情に同調する労いの言葉を言う。

先日何故そんなにしんどい会話方法を選ぶのか!?と聞かれたが、ふたりで楽しい時間を過ごしたいからと答えた。他意はない。けれど、嫁ちゃんと話す時は1番気を使う。たまにリアクションすべき所で考えても考えても言葉が思いつかず何もリアクション出来ない事がある。

何なん!?無視か!?と言われ、それに対しても何と返していいのか分からず、漫画であれば吹き出しの中に糸が絡まっているぐちゃぐちゃしたのが出てきているはずだ。

嫁ちゃんは通勤に車を使っている。元々は上の子の育休明けに自転車で通える所に〜と引越しし、自動車運転免許を取得するまで自転車で通勤していたのだが、嫁ちゃん曰くもう自転車は無理だそうだ。

意を決して夜勤入りの日、まさに今日実家に子どもたちを連れて泊まると告げた。案の定不機嫌になり、じゃあ電車で行けって言うの、と言われた。

え!?そこ!!車で行けない事での不機嫌!?
子どもたちを早めに連れて行くから夜勤に行く前に寝れると告げたが、腹の虫はおさまっていない様子。けれど、言わなければいけない事は言った。ミッションコンプリートである。何やらブツブツ言っていたが聞き取れなかったので問題なぁし!

起きて特に急ぐ必要が無い朝。ゆっくりと朝食をみんなで摂り、出かける用意をする。家を出る時嫁ちゃんは子どもたちに何度もいってらっしゃい!と言っている。たまにはひとりの時間も必要なんじゃないかな〜とは思う。父親っ子のふたりは母不在でも特に問題なし。こういう時に普段から一緒に遊んでいるのは強いなぁと思いつつ、日常過ぎて特別感が無いのもなんだかなぁとも思う。

実家に泊まると言っても実際泊まるのは実家のすぐ近くの父方の祖母の住んでいた分譲マンションである。物心ついた頃からばぁちゃんがそこには居て、上の子の誕生日にはばぁちゃんの死を強く感じてしまうのに(上の子が生まれて15日後にばぁちゃんは永眠した)ばぁちゃん家は楽しかった思い出ばかりが浮かぶ不思議。子どもたちだけでなく嫁ちゃんもきちんと紹介出来なかったなぁ・・・。

日常とは常に生と死が繰り返され、血が受け継がれていってるんだなぁと。上の子がはぁちゃんの写真を見ながら誰の写真!?と聞くので父ちゃんのばぁちゃんだよ、と答えながら線が1本ビシッと通ったような気持ちになった。

明日はこの感謝の気持ちを伝えよう。

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