無題

「作経」のすすめ。良心の声を文字にして、心を軽くする方法。

皆さん、こんにちは。久保家です。

久保家のリビングにはホワイトボードがありまして、毎朝、そこに夫が考えたことを描いて、朝ごはんを食べながら夫婦でディスカッションをしているのですが、その内容をコンテンツとしてまとめてみようというのが、今回の試みです。

本日のテーマは、自分でお経を書いてみましょうという「作経のすすめ」です。「作経」という言葉は、夫の造語で、読んで字のごとくお経を作るという意味です。

○レリジョン(Re・ligion)、繰り返し読むことの大切さ

スティーブン・R・コヴィー博士の「7つの習慣」という有名な本があるのですが、夫はこの本を座右の書の一つにしております。何度も読み返すことができる本は、思想とか、哲学、宗教ですね。

日本語で宗教と言えば、胡散臭いイメージがありますが、西欧語ではレリジョン(Re・ligion) 、ラテン語の re・ligio に由来して、繰り返し読むという意味だそうです。日本人は宗教と聞くと顔をしかめますが、Mission Statement と聞くと良い響きがする。会社では、これが会社のクレドですと、何度も基本方針を繰り返し読んだりしますね。

論理的には矛盾していますが、三つ子の魂百まで。繰り返し読むことの大切さは、子供の頃に、好きな物語を何度も読んだ頃から変わらないようです。人間の本質は、いつの時代も変わらないものです。

英語版は「The 7 Habits of Highly Effective People」で、日本語版を読んでから読むと、「おや?」と思う発見があります。例えば、第一の習慣「主体的を発揮する」は、英語版では「Be proactive」。グイッと引っ張るような、力強い意志を感じます。

逆もあります。第六の習慣「Synergize」。意味がわかりません。日本語の「相乗効果を発揮する」のほうが心に響きます。原文が良いとは限らないのです。好きな本なら、苦手な英語でも読むことができますから、こうやって比較して読めるのは読書の楽しみです。

言葉を一つ知れば、その分だけ世界が広がる。そして、豊かになれます。この世の中は素晴らしいと思えるようになる。読むことは、人間を豊かにします。

○「作経」の方法

さて、本題の「作経」ですが、これは写経のような仏教文化がもつ良さと、西欧社会の立憲主義の良さを合わせた、心が軽くなる方法です。やろうと思えば今すぐにでも実行でき、やった以上は、必ず効果がある文化的活動です。

方法は簡単です。紙と鉛筆を用意してください。スマホでも構いませんが、筆で書くほうが記憶に定着しやすいので、手を使って書く方法が、おすすめです。

そして、下記の3つのルールでお経を作ります。

□作経の方法
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1.「如是我聞」ではじめる。
2.一から五までの数字に関連する、自分が「これは良い」と思う概念を、「漢字」だけでまとめる。可能であれば、十までまとめる。
3.羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶
(ギャーテー ギャーテー ハーラーギャーテー ハーラーソーギャーテー
 ボージーソーワーカー)
 ○○心経で締める。

○「構造」と「数字」で本質にせまる

1.の「如是我聞」とは、「このように私は聞きました」の意味です。他の人はどう思うかわからないけど、私にとっての真理はこのように聞こえる。良心の声が聞こえるのだと、自分の世界に入ってください(笑)

「作経」の目的は、「個人の救済」ですから、万人にとっての真理の追求でも、合理性の追求でもありません。文化ですから、良し悪しではなく、「好き嫌い」の話だと割り切ってください。

2.の良い概念コーナーは自由に創作してください。制約条件は、一から五までの数字に関連づけること(余裕のある方は十まで)、漢字で書くことです。数字に関連づけることで「構造」ができます。

構造には「普遍性」があり、数字には「論理」が宿っています。矛盾があっても構いません。これは良いと思う概念を、自由に言葉にしてみてください。

3.は締め言葉です。終わりよければすべてよし。お経っぽくなるように仕上げます。「羯諦羯諦…」の部分は、般若心経からの引用です。ここは呪文だと思って、意味を考えずに、古代の言葉をそのまま引用してください。

頭で理解することが、理解のすべてではありません。わからないことがわかればオッケーです。数学者の岡潔が、「数学は情緒である。知・意・情の順に深くなる。」と言っていますが、ここは情緒だと割り切ってください。そして、最後に○○心経で締めます。○○には、好きな言葉を入れてください。

○夫の「作経」

それでは、恥ずかしながら、実際に夫がやってみた作経の原文と解説をご紹介します。昨日、はじめて思い浮かんだことをカタチにしたので、プロトタイプ(試作品)で恐縮ですが、こちらが原文になります。

【原文】
如是我聞
(1)調和第一 (2)抽象・具象 (3)比較・比喩・再帰思考 (4)知覚・認識・理解・記録 (5)莫妄想・一得一失・自灯明・放下著・竿頭一歩
(6)恕・楽・美・理・創・明 是六法 万物流転 諸行無常
(7)動因・目的・重要優先・共創・共感・相乗効果・精進洗練
(8)即時・個別・解釈・信頼・検索・実体・支援・発見
(9)創発・引用・羅針・自由・投資・実践・多様・回復・連携
(10)如是相・如是性・如是体・如是力・如是作・如是因・如是縁・如是果・如是報・如是本末究竟等 諸法実相
羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶
空観心経

漢字がずらずらと並ぶだけで、お経っぽく見えますね。
見栄えも大切ですが、音読してみて、響きのよいものを選ぶと、何度も繰り返し読みたくなります。まさにReligionの本質ですね。つづいて、解説になります。

【解説】
(1)調和第一は、「中庸の徳」を一番大切にするという意味です。
(2)抽象・具象は、抽象と具象の往復運動をするイメージで考えるという意味です。
(3)比較・比喩・再帰思考は、夫が考えるときのフレームワークです。比較して考えるのか、比喩(アナロジー)を使うのか、それとも再帰的に考えるのか。
(4)知覚・認識・理解・記録は、脳科学からの概念です。記憶に至るプロセスをまとめています。
(5)は、夫の好きなひろさちや先生が、禅の本質をまとめた言葉です。莫妄想(余計なことは考えない)・一得一失(なんだっていい)・自灯明(他人のことはほっとけ)・放下著(常識を捨てろ)・竿頭一歩(がんばらない)です。
(6)の恕・楽・美・理・創・明は、重要だと思う価値観を、漢字一文字で重要度順に並べたものです。6つの価値観が集まって法になると意識は考えるが、それは万物流転、諸行無常として流れるという、無常観を言葉にしました。
(7)この辺から苦しくなります(笑)「7つの習慣」を無理やり漢字にしました(笑)原文は、Be proactive Begin with the End in Mind Put First Thins First Think Win-Win Seek First to Understan, Then to be Understood
Synergize Renewal です。
(8)こちらは、ケヴィン・ケリーの「インターネットの次に来るもの」からの抜粋で、 無料より良いもの8つです。原文は、「即時性」「パーソナライズ」「解釈」「信頼性」 「アクセス可能性」「実体化」「支援者」「発見可能性」なのです。お経らしく文字を絞りました。なんでもありです(笑)
(9)ここまで来ると思い浮かぶものが、伊藤穰一さんの「9 Principles」しかありませんでした(笑)こちらも、お経らしく絞りました。原文は、Resilience over strength Pull over push Risk over safety Systems over objects Compass over maps Practice over theory Disobedience over compliance  Emergence over authority Learning over education です。


(10)ここは、法華経の十如是がパッと浮かびました。そのまま引用です。

以上が、夫の発明した「作経」です。同じような言葉遊びはあるのでしょうけど、実際にやってみると、心がすっきりしたので記事にしました。皆さんも、ぜひ「作経」に挑戦してください。心がふわっと軽くなりますよ。

○おすすめ本
7つの習慣-成功には原則があった!
スティーブン・R・コヴィー (著)
ハードカバー: 492ページ
出版社: キングベアー出版; 初版53刷版
発売日: 1996/12/25
https://www.amazon.co.jp/%E5%AE%8C%E8%A8%B3-7%E3%81%A4%E3%81%AE%E7%BF%92%E6%85%A3-%E4%BA%BA%E6%A0%BC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AE%E5%9B%9E%E5%BE%A9-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%B3%E3%83%BBR%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BC/dp/4863940246/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1529532229&sr=8-1&keywords=7+%E3%81%A4%E3%81%AE%E7%BF%92%E6%85%A3




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