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クボタメガネテクノロジーとは

こんにちは。
窪田製薬ホールディングス広報の市川です。

窪田製薬は、”世界から失明を撲滅する”ことをミッションとし、目に関わる創薬、デバイス開発を行っています。創業者の窪田については(こちら)にまとめてありますのでご覧ください。

今回は、クボタメガネテクノロジーについてまとめていきます。


近視の多くは、軸性近視であり、眼軸長が伸びることで発症します。これは、近見作業の増加などが原因と考えられており、成長期の子供だけでなく成人でも進行することがわかっています。 メガネやコンタクトレンズは、網膜にピントが合うように矯正することで、遠くがよく見えるようになります。

ヒトは遠くを見るときは、毛様体筋が緩まり、水晶体を薄くしてピントを合わせます。一方近くを見る時は、毛様体筋が緊張して水晶体を膨らませてピントを合わせます。
これにより中心視力に影響がある網膜中心部では網膜上に結像されますが、近くを見ているとき、周辺部では網膜より後方で結像してしまうことがわかっています。これを「遠視性デフォーカス(ボケ)Hyperopic Defocus」と言います。

「遠視性デフォーカス」により、眼球の成長を促すため過剰に眼軸長が伸びてしまい、結果近視になってしまうと考えられています。この発生を防ぐため、網膜の手前に焦点を結び近視を抑制するのが「近視性デフォーカス(Myopic Defocus)」です。近視性デフォーカスは、 遠視性デフォーカスよりも成⻑信号が強⼒であり、 1⽇1時間の近視性デフォーカスにより、約11時間程の遠視性デフォーカスが補われると発表されています。(Source: Nickla DL et al. Brief hyperopic defocus or form deprivation have varying effects on eye growth and ocular rhythms depending on the time-of-day of exposure. Exp Eye Res. 2017;161:132-142.)

クボタメガネテクノロジーは、AR技術を用いて、遠視性デフォーカスと逆転の発想である、近視性デフォーカスを実現します。着用直後は、このように実際に見えている映像の上に、投影映像を確認することができますが、患者の半数が30分程度で画像を認識できなくなったとの報告もあります。

着用直後

 自然光で近視性デフォーカスを実現した製品は、すでに実用化されており、米国では CooperVision 社の「MiSight®1day」という製品が近視抑制効果があるとして米国食品医薬品局(FDA)より認可を受け販売されています。この製品は、多焦点コンタクトレンズの仕組みを応用し、自然光をぼかして網膜周辺部に刺激を与えることで、一般的な単焦点コンタクトレンズと比較して近視の進行を抑制することを証明したコンタクトレンズです。自然光を用いた製品は、1日10時間から12時間使用する必要がありますが、クボタメガネテクノロジーは網膜が反応しやすい映像のみを的確に投影するため、朝や夕方のリラックスタイムに数時間かけることを想定しています。 2020年に米国で行われた概念実証試験では、クボタメガネテクノロジーを用いたウェアラブルデバイスの眼軸に与える影響を検証した結果、対象眼と比較し、眼軸長の短縮を確認しました。

”世界から失明を撲滅する”

窪田製薬では、今後も科学的エビデンスを積み上げつつ、眼科領域に特化し、創薬及びデバイスの開発を進めてまいります。


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