女でありたくない

女でありたくない

同期が「元カノが女の子っぽい子でめんどくさくて。さばさばしている子がいいよな」って言うからじゃあ私はどうなんだろうって聞いたら「女の子っていうより、女性って感じ」と言われて女の子って言われなくてほっとした自分と、女性とも言われたくない気持ちになった自分がいた。女でありたくなかったことに気づいた。

 まず「女の子」って言われるの、あんまり好きじゃない。

女の子だから甘いもの好きでしょ、かわいいもの好きだよね、パステルカラーがいいかな。そういう子もいるかもね。

でも見た目は女だ。髪も伸ばしているし、ネイルも毎月通っているし、美容系youtuberをチェックしてメイクも毎日している。そしてそんな「女らしい見た目」は気に入っている。だから初対面だったり見た目しかみない人は「女の子」扱いをしてくれる。

でも中身については「女らしい」と言われたくなかった。女々しいって日本語、すごく嫌。女という漢字にマイナスイメージがついているのって、日本固有の男尊女卑を感じる。ロジカルな思考が好きだ。でもそれって幼少期からがんばった公文教育の賜物なんじゃないかな。数学も物理も好きだった。英語と音楽は苦手だった。「女の子だから」甘いものが好きなんだね、って言われたくなくて、辛い物を食べて、果物も砂糖も避けていたらいつのまにか本当に辛い物が好きで甘い物が苦手になっていた。メロンもスイカも食べられない。ケーキバイキングなんて地獄になってしまった。ここまで書いて気づいたけど私、女を差別してる。女なのに。どうしよう、日本固有の男尊女卑的思考に毒されてる。

 そもそも女に見えるってなんだろう。

何をもってして女って言えるんだろう。LGBTQが広まって、生物学的性別以外の見た目からは判断できない「性別」を求めている(もしくは求めていない)人を目の当たりにして私は女と言えるんだろうか。

 冒頭の女でありたくないっていうのは生物学的性別が女でありたくないっていうことではなくて、それ以外の性別が女として見られたくない…性別っていうより「性質」に近いかもしれない。見た目は女らしく綺麗で可愛くいたいのに、中身は女でいたくないってちぐはぐだ。友人にも見た目と中身が合っていないって言われたっけ。

 だからといって【男らしい「性質」】なんか求めていない。私のイメージする男の性質は、怒りっぽくてすぐ大声でわめく癇癪持ち、傲慢で、女子供を見下している。男へのイメージもだいぶ歪んでいる。ひどい。(怒りっぽくて大声を出すイメージは、多分、父親のせいだ。)

 自分の性質にまで男だの女だのでカテゴライズしてほしくないのかもしれない。まず地球にはこんなにたくさんのいろんな人間がいるのに性別が2つだけって少なすぎると思う。LGBTQとか言わずに第1000の性別くらい作らないと間に合わないんじゃないかな。

 私はきっと無性別になりたいんだと思う。でもそれってジェンダーレスとは違うかも。だって今のメディアに取り上げられてるジェンダーレスの方たちって男なのに見た目が女、女なのに見た目が男っていう「生物学的性別」と見た目のミスマッチというか男にも女にも見える見た目のことを指してる。私はもうどちらにも見られたくない。男にも女にも見られたくない。違いが伝わるかなあ。例えば猫とか犬とか動物って、特に見た目が可愛かろうとかっこよかろうと(可愛い、かっこいいは犬種とかで大方決まってる気もするけど)どの性別かなんて気にしないじゃん、ああいう存在になりたい。(ライオンとかクジャクとか性別によって見た目が大きく変わる種は除いて)

ああ、猫になりたい。こんな面倒なこと考えずにお昼寝だけしてたい。(大した悩みでもないけど)

おやすみなさい