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値切る中国人ママがみかん箱買い~文京区湯島ー上野広小路周辺①~ 2021/12/30

売上92620円/日、声をかけた人数200人以上、回ったお店100件以上

この日は文京区と台東区の間のスナック・キャバクラ街。銀座、六本木にも売りに行ってるからわかるけど、やはり店のクオリティは高くなさそう。情緒があると言ってしまえば聞こえは良いけど、古臭く、汚らしいといった言葉の方が当てはまるなぁ。路上に積まれているゴミ袋から、ネズミがチュウチュウって飛び出してきたよ泣

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雑居ビルの中はすべて夜のお店。今回も100件以上回ったお店からインパクト大のお店の数々を紹介します。

値切るのが常識。中国人ママが試食でメロメロ

まずはこちら。

ノックすると「ドウゾ~」と中国語なまりのしゃがれた声。いつものようにアイスブレイクをして「みかん買いませんか?」って言うと、「見せて?美味しいの?いくら?」と得意の単語質問3連投(中国人っぽいなぁ)

食べたらわかるからと言って、一玉差し出すと、当たり前のようにさっと手に取りむきむき。奥にいる中国人女性の従業員と分けあって、モグモグしながら、目を見合わせて。「うんうん」とうなづきあう。

ここからが勝負。値切る生き物=中国人女性

「よし来た」とこれはもう購入は間違いない、あとは値段の勝負ということで、頭の中で作戦を立てる。

気を付けないといけないのは、中国人は間違いなく「安くしてよ」ということだ。「値切る生き物=中国人」この方程式は経験上外れたことはない。きっと中国人は小学校の頃に主要5教科の他、「値切り交渉」って授業をきっと受けてきたのでは?それくらい身についている。

まぁ初めに提示した値段から最低2回は交渉してくると思ったほうがいい。もちろんバラでは売っていたが、試食の感じから箱振りは決定。あとは向こうの要望に答えながらも、これ以上はまけられない、と誠意を見せることだ。

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値切っている自分が恥ずかしいと気づかせる

これも経験則だが、「人は頑張っている人を応援したくなる生き物」なのだと思う。自分の仕事に自信と誇りを持ち、キラキラとプレゼンをしている。売りつけたいから、買ってほしいのではなく、めちゃくちゃ美味しく、食べてほしいから、買ってほしい。これが伝われば、値切っている自分が小さく見え、本当はこんなことをしたいんじゃなくて、この子を応援するべきだよね、、ってところに落ち着く。

今回の値切りピークもここ。というか、実は、値切り交渉に行く前に、今日の勝負は決まっていた。なぜなら、試食の前に僕の渾身のプレゼンが心に刻まれていた。また、早い段階から「オニーチャン、遅クニ頑張ッテルネー」などポジティブな言葉を聞いていたので、僕の存在を受け入れてくれていたことが分かったのだ。値切りの勢いも小さめで「安クデキナイデショ?」と初めから、臨戦態勢から外れ、頑張っているから買おうかな、のスタンスがにじみ出ていた。その空気を察した僕も吹っ掛けることなく、適正価格で提示し、一回目の交渉で箱買いが成立した。

理想の取引だ。

「お客様に配ルカラ、アリガトネー」

自分が頑張って稼いだお金は、お客様が頑張って稼いだお金。

商売はあくまで対等な関係の中で成り立っている。つくづく思う。

それは本気度が伝わることで成立するじゃないかって。お客様も毎日を一生懸命生きていて、一生懸命稼いでいる。お金を稼ぐことの大変さを十分に知っている。自分と似た人間が目の前に現れて、まさに今、頑張っている。それをないがしろにすることは、一生懸命頑張っている自分をないがしろにすることなんだと。

こんな感じで伝わっているんじゃないかって思う。

だからこそ、受け取ったお金は大切に使う。このみかん代はママが一生懸命接客して得たお金だから。コロナで客が入らない中で、家賃、従業員の給料を払い続ける苦しさ、酒類販売禁止の中でも一生懸命営業している。

今日もこの背景が見えたね。

これを生で感じられる、最高。だから行商はやめられない。

では~



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