見出し画像

ウチの男児四人とずっと遊んでくれた国分寺市から昭和記念公園に来た二人の小学五年生の話

今日、何をしようかな。毎週日曜日には、朝からぼんやりそんなことを考えます。男児四人(長男8、次男7、三男四男4)をどこへ連れて行くか。僕自身の理由はいつも明確です。

1. 妻に自分だけで使える時間を
2. 男児四人に運動の機会を
3. 楽しかった/美味しかった記憶を

正直、1がメインで、2は必要性、3は「だったらいいな」くらいの優先どですけど。

いくつかデフォルトの選択肢はあるけれど、有料はほとんど使いません。お金かかるし、そもそもいまはほとんどやってないし。

そのため公園とか河川敷がいいんですけど、一家族で散歩くらいは許せても、一小隊に見える僕らには露骨に嫌な顔をされるひとたちもいるのでした。もうかなりおさまりましたけどね。

そろそろイケるようになったかなーと思ってウェブサイト調べると、遂に昭和記念公園も「子どもの森」が再開してました!!

終日遊べて、自転車で行けて、入園料の総額が500円未満という工藤家御用達の昭和記念公園子どもの森。空いているなら早速行こうと自転車で。

天気予報は微妙で、子どもの森の再開から数日なので、人はまばら。大人が連れて来るようなところでもあるので、小さい子たちはもっと少なかった。ふわふわドームのピーク時間でも、頂上に子どもが10人もいないくらいといったら想像つくだろうか。

最近は、男児四人で遊んでくれるので、もっぱら端っこからモニタリング役で、水分補給やトイレのアナウンス、昼食やおやつの供給源の役割を担っています。公園でもひとりリフティングしてたり。

それでも、8歳から4歳までの四人だと体格や体力差、もともとの関係性を含めて、ものごとが固定化しやすいんですね。長男が〇〇やろうと声をあげやすいし、バランサーを期待される次男はファンタジスタだし。

末っ子は双子で、二人で合意して上をけむに巻くし。ときにわざと入れ替わって、どっちがどっちかを見抜けない長男を混乱に陥れるし。

そんな四人が仲良くふわふわドームで飛び跳ねていると、二人のちょっと鬼さんかな?くらいの男の子たちと何やら話を初めて、鬼ごっこみたいの始めてました。

長男と次男は話が通じるけれど、双子はまだ年中なので、ルールの理解や順守が簡単ではないんですね。工藤家ではそんなもんだで済んでも、みんなでルール決めてやろうとなったとき、ルール無視する子とか出るとイライラしたりするじゃないですか。

でも、その二人の男の子は違うんですよね。聞こえた範囲ですけど、ひとりの子が〇〇やろう、一緒にやろうとウチの子たちに声をかけてくれると、もう一人の子が「これはわかる?」「こういうのできる?」と聞いてくれて、ルールをマイナーチェンジしていく。

長男から双子までみんなが参加できるようにしてくれる参謀と、みんなを引っ張って行ってくれて、ときにわざと?の振る舞いしてくれるリーダーの二人。ときどき出会うそのような子どもたちにはいつも感謝します。

力関係の代わらない遊びは変化が起きづらく、ウチの子たち以外の子が入ってきてくれるとすごくよい雰囲気になります。最近は、積極的にこっちから声かけづらかったりもするんで、久しぶりでした。

で、男児四人に給水させるとき、「スパイダーネットの方に行っていい?」と長男が聞いてきました。「ああ、いいよ」とさらっと返す僕。

すると、二人の男の子がささっとこちらに来て、こう言いました。

「こんにちは。僕ら、彼ら(ウチの子どもたち)とスパイダーネットで遊びたいんですけど、移動してもいいでしょうか?」と。

「おっ、おお。もちろん。ちょっとお水飲ませるからまっててくれる?」と僕。

「はい、では先に行ってますのでゆっくり来てください」と二人はスパイダーネットの方に歩いていきます。なぜかファンタジスタもそっちに。

(いや、お前はあっち側の一員みたいになってるけど、まず水飲んでくれって。)

今度はスパイダーネットの上で鬼ごっこみたいなことをやりながら、僕はやっぱり端っこから彼らを見ていたり、見ていなかったり。

そこでおやつの時間。暑いからアイス食べたいといっていた子どもたちなので、少し歩いて売店に行かなければならない。

そこで二人の男の子に声をかける。

「そろそろ、彼らおやつの時間なんだ。アイス食べるっていうからあっち(売店の方)にいかないといけないんだけど、一緒に食べない?よければ御礼にアイスおごらせてよ」

続けてフォローも。「でも、見知らぬひとからおごってもらうとか、そういうの親御さんから言われていたりするなら無理にとは言わないので」と途中までいいかけたところで、男の子のひとりが、

「ありがとうございます!いただきます!!」

なんて気持ちのいい返事なんだろう。こちらのオファーを受けてくれたからではなく、そのトーンや笑顔がすごく素敵だった。

売店に歩く途中、僕は双子の足元や、ファンタジスタの行動を声で注意しながら、彼らと話をした。

小学校五年生であること。国分寺市から自転車できたこと。来週から学校が本格的に始まることなど。そうはいっても、アイスに向かって走る子どもたちを見ながらなので、あまり長くは話せなかった。

アイスを食べているときも、二人はウチの子どもたちに取り囲まれるように話ながら食べていた。僕は久しぶりにマウンテンデュー飲んだ。

そして、いくつかの遊びを経て、またふわふわドームに戻るというので、彼らの後をダラダラ歩いて、モニタリング席へ。時間は15:00くらいで、あと一時間くらいかなぁと思いながら、ぼんやりしていた。

すると、長男が来て、「そろそろ帰る?最後にスパイダーネットもう一回やりたい。」と僕に聞く。

僕は時間もなかなかいいから、そしようか。じゃあ、みんな呼んできてと伝える。

すると、男児四人が集合するも男の子がいない。あれ、二人はどうしたのと聞くと、長男がすぐに教えてくれた。

「ちょっと前に、帰るっていって帰っちゃったよ」

あれ、いつの間に。最後にちゃんと僕も、子どもたちも、感謝と御礼の言葉を伝えようとしていたのに。

4時間近く、ウチの男児四人と遊んでくれた国分寺市から自転車で昭和記念公園の子どもの森で出会った二人の男の子へ。

あの日は、本当にありがとうございました。ウチの子どもたちに声をかけてくれ、長い時間遊んでくれてありがとう。一緒にアイスを食べてくれてありがとう。

いろいろな遊びを提案してくれて、上から下までが一緒に楽しめるルールにしてくれてありがとう。最後に御礼を伝えられなくてごめんなさい。僕らはちょくちょくあそこに遊びに行きます。

もし、また会えることがあったら、遊んでください。

僕は二人の男の子にも御礼を伝えたいけど、二人のご家族にもちゃんと彼らの振る舞い、気配りを伝えたい。自分たちの遊びのために周辺の子を巻き込むことは簡単です。

ただ、小さい子がいれば思い通りに行きません。そこでルールを変えて、みんなが楽しめるようにする行為や判断は、日常生活のなかで培ったものなのだろうと思います。

そのような素晴らしいお子さんたちが、ウチの子どもたちと遊んでくれたこと、心から感謝します。

---

妻と一緒に本を出しました。

本書を作成するにあたってたくさんの方にご支援いただきました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?