ペーパーバック「うつ病は幸せになるためにやって来る」続編 詩「病の深淵で手にする大きな器」


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しんどくて
いくら薬を飲んでも利かない日
どうしても
考えてしまう

私を助けられる人は
誰もいないと
私の苦しみは
誰にも分らないと

そんなことはないと
いくら自分に言い聞かせても
拭い去ることの出来ない
疑いと失望

人間は
弱いものだ
苦しみのただ中では
何も信じられなくなる

かつて確信したことも
抱いた希望も
泡のように
心から消え去る

でも
それが人間なのだ
弱い存在であることを
あえて選んだ人はいない

誰もみな
強くあろうと
賢くあろうと
心優しくあろうと
頑張っている

でも病が襲う時
人は知る
自分の力で
自分を強くすることなど
出来ないということを

それを知った時
人の心はやわらかくなる
強くあろうとすることを
諦めるから

それでいいのだ
それこそが
自分に正直になるということ
本音で生きるということ
誠実であるということ

誠実な人は
腰の低い
人を裁かない
器のおおきな人間だ

工藤咲良

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