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花炭製作に至るまで。好きなことを仕事にする

北海道・道東へ移住してから約半年間
次の仕事については、ゆっくり考えようと
過ごしていました。 

最初は、自宅で出来るような
オンラインでの仕事を考えていました。

でもよく考えると、
好きな事をする為に、移住してきたのだから
本当に好きな事を仕事にしたいと思いました。

私の好きな事、私の"個性"とは何だろうと考え始めました。



「好き」を感じる日々

今までずっと忙しく働いていたおかげで
特に趣味も、得意な事も分から無いことに気付きました。

毎日やっていた事といえば
身体を動かす事が好きなので自転車での通勤や
近所の公園などを散歩したり。
あとは、たまに読書するくらいでした。


自分の好きな事をゆっくり考えるようになりました。

まず、仕事になりそうな事
という認識から探すのではなく
とにかく好きな事を意識しました。



自分の好きな物を集める


移住先で、冬の雪の中を散歩している最中に
見つけたカラマツの松ぼっくり。
花のように見え、綺麗で可愛らしいと思いました。

この形はカラマツの松ぼっくりという事を、移住先で初めて知りました。


クロマツ、エゾマツ、カラマツ、チョウセンゴヨウマツ…
松ぼっくりに色んな種類がある、ということすら知らなかった私です。

カラマツの松ぼっくりがきっかけで
松ぼっくりを集める事が好きになりました。

子どもの頃に感じた喜びを思い出しています。


コーヒーと焚き火

毎朝コーヒー豆を挽いて、コーヒーを飲んでいます。

そのお湯を沸かす為に、天気が良い日は
クッキングコンロを使い
落枝を燃やして、お湯を沸かしています。

出来るだけガスを使わずに
自然の火力を使いたいという思いから始めました。

HONMAのクッキングコンロ


アウトドア経験ゼロの私。

最初は、全く火を起こせず
何十分もかかっていました。

だんだん火を起こすコツを掴み
枝の組み方を考えたり工夫したり
楽しくなってきて
毎朝炎を見る事ができる事も喜びになりました。




「好き」が集まってきた


こうして自然と共に生活していると
自分の毎日の生活が大好きになり
生活を仕事したい
と思い始めました。

でも、自分で思った事だけど
生活を仕事にするって何だろう…と
考えていました。

そして仕事というのは需要と提供(供給)という関係性が無いと成り立たない事だよな、と改めて思いました。


そんな中、松ぼっくり達を
何か違う形に出来るかと思い、調べると
炭に出来る事を知り
それが花炭という物だと知りました。

作り方を見て、実際にやってみたら
凄く上手に出来て、蓋を開けた途端に
炭の香りと、漆黒の美しさにため息が出ました。

朝の湯沸かしの火を絶やさずに、そのまま
その火で花炭を創る。コーヒーを飲みながら。
落枝と松ぼっくりは毎日の散歩で集める。

これは、全部私の好きな事で出来る事だ!という発見です。
自然と共に生活し、それが生業となることは
この上ない幸せだと感じました。

作った花炭を家のテーブルの上に置いてみると
綺麗だし、自然の造形で華やかになる。
消臭などの炭の効果も感じられました。

ガラスの器に入れると綺麗です。


自分でも使ってみて、良い物だと実感しました。
これは誰かに提供しても喜んでもらえる物だと感じました。

たくさん作れるようになり
近所の方にプレゼントすると、とても喜んでくれて、その気持ちが食べ物となって私に還ってきました。

花炭の価値を実感し
オンラインショップで出品すると
少しずつ売れていきました。

購入してくれた方が
「プレゼント用に購入しました」と仰ってくれて
本当に嬉しくて自信が湧きました。


より多くの方々に、花炭を広めていきたいと思い
ホームページを作成したのが10月28日です。

人々の暮らしに、自然の癒しと
快適さを提供したいという思いを込めて
一つ一つ製作しています。


循環を感じた


種を飛ばすという役目を終えた松ぼっくりが
花炭として誰かの手に渡り、その対価としての
お金というエネルギーが私に還ってくる。
それが、また花炭を作る糧になる。
花炭は、炭として朽ちた後
燃えるか土に戻り、自然に還る。

私も自然に関わり、自然の循環の中に居ると
実感することが出来ました。
そして循環をテーマとしてロゴを作りました。


何気なく、自分の好きで始めたことですが
自然と共に生活している中で
仕事としても自然と共同作業が出来ていて
とても嬉しいです。

自分も自然の一部です。


そして最近気づいた事ですが
花炭をお見せした何人かの方に
「炭に出来ずに燃え尽きてしまう事もあるから、大変良くできていますね」
というようなお言葉を頂き
自分にとって好きな事が得意な事になっていると気づきました。

好きな事だから何回も出来るし
好きな事だから追求する

当たり前のことかもしれませんが
ハッと気づいた事です。


このように始まり、進んでいる
花炭工房 フップの森です。

枝を曲げる事にはまっています。造形美。




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