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#186 白金台〜目黒駅界隈【たてもの探訪】

2023年10月21日(土)訪問

目的地は「港区立郷土歴史館」。もともとは「旧公衆衛生院」でした。
ここの存在を知ったのは、SNSからの情報で半年位のことですが、調べてみたらめっちゃテンションの上がる建物だったので、思い切って訪れてみました。思い切ってというのは、相変わらずコロナやインフルエンザが流行っている中、人混み大嫌いなひなたぼっこが週末に都心に行くのは何となく気が引けていたから。

西武線はまだいいとして、高田馬場で山手線に乗り換え目黒駅まで。やはりめちゃくちゃ混んでました〜💦それだけでかなり疲れます。


建物概要と歴史

これまでの経緯を調べてみると、
昭和13年 公衆衛生院として竣工(国が設立した機関)
設計 内田祥三  施工 現在の大成建設
鉄筋コンクリート造地下1階、地上6階 塔屋4階
平成14年 国立保健医療科学院として統廃合され、埼玉県和光市へ移転するまで使用されていた
平成15〜20年 おそらく空き家状態?
平成21年   港区がこの建物と敷地を取得
平成30年 改修工事が完了し、郷土歴史館を中心とした複合施設として開館

目黒駅から三田線に乗り換えて白金台駅で降りました
通りの案内板を見るまでもなく、出口を出て右をふりむけば歴史館の入り口が
大きな看板が出ているので、迷うことなく行けました
三角屋根が特徴的な南エントランスの入り口

ブログ作成にあたって、設計者の内田祥三(よしかず)氏を調べてみると、東大本郷キャンパスにも同じような造りの建物があることがわかりました。

ネットより画像を拝借(東大本郷キャンパス)

内田ゴシックの特徴

設計者の内田氏は、隣接の東京大学医科学研究所(旧伝染病研究所)や東京大学本郷キャンパス内の安田講堂などを設計した東京大学建築学科教授です。連続したアーチ等の特徴的な外観は、「内田ゴシック」と呼ばれてます。
また、内田ゴシックの特徴の一つに通称「犬小屋」と呼ばれるポーチ(入口)部分が挙げられます。頭頂部(フィニアル)には松かさ(松ぼっくり)様、その下には拳葉飾(クロケット)を配したこのデザインは、関東大震災により使用不能となったジョサイア・コンドル設計にかかる旧法文校舎に用いられていた意匠でした。
かつてのキャンパスの姿を継承し、建築家コンドルへのオマージュとしての意味も含まれているのでしょう。ゴシック建築の尖塔のような急勾配の屋根を持つこの「犬小屋」ポーチは、内田祥三の好みであったらしく、設計担当者は内田の好みに合わせ各所に配してゆきます。

リーフレット、ネットから引用

詳細はこちらのHPで⬇️


スクラッチタイルで覆われたゴシック調の外観は
内田ゴシックと呼ばれる特徴的なデザインの1つ

南エントランスから入り、中央ホールへ向かいます。
古い建物のせいか、若干のカビ臭さか病院臭かは分かりませんが、独特のにおいと雰囲気がありました。

夜だと、ちょっと怖いかもです💦

中央ホールから中央エントランスへ出てみます。

この連続したアーチ型も、内田ゴシックの特徴。迫力ある‼️
入り口側からエントランスを望む

中央エントランスから中に入ると・・・

この建物の1番の見所、2階の中央ホール

中央ホール

2層吹き抜けの空間で、左右に分かれる階段が作り出す空間と、床や壁に使われている石材のデザインが特徴。
設計者が最も贅沢にしつらえた空間で、建設当初からほとんど手が加えられておらず、床に天然石、壁は人造大理石、手すり内には金属のレリーフを配しており、上質な素材と手の込んだ装飾類を随所に見ることができます。

案内板より抜粋

こういうシンメトリーな造りは気持ちがいい!
円形の天井は、ユニークでもあり美しくもあり、高級感のある素材とバランスがとれているように感じます。

中央ホール付近の照明
3階から2階のエントランスを見下ろす
階段を上ったところの照明もかわいい。天井の意匠も細かいところまで手を抜かず。
図書室のほうに行ってみます。廊下の照明も特徴的

旧書庫

全国でも数少ない、戦前期の書架が残されている書庫です。
窓や廊下の境に防火シャッターが設置されており、火災時に外部からの火を遮断し、本を守れるよう設計されていました。設計者の内田は関東大震災時に所属大学の図書館を消失した経験があり、その経験が設計に反映されています。

案内板より引用
窓ガラス越しに中央エントランスを望む
現在は港区の複合施設として利用されてます
1階のカフェも覗いてみましたが、割と混んでいたのと
さほど惹かれなかったので、ここはやめて…
トイレはちゃんと今風にリノベーションされていてきれい!

郷土歴史館の展示物をさらっと見学し、中央エントランスから出ます。

改めて全体を見ると、めちゃくちゃ立派でぜいたくな造り
3面に窓がある何角形?かの出っ張りがアクセントになっていて面白い

1分39秒の動画でこの建物を体感できます(上空からの映像がいい!)

郷土歴史館を出て、そのまま地下鉄に戻るのももったいないので、20分ぐらいかけて目黒駅まで歩くことにしました。

白金台〜目黒駅までの風景

目黒通り沿いを歩いて、最初に目に入った建物。

高いマンションに挟まれているこの3つのビルがかわいい。
しかも、それぞれデザインが特徴的☺️
この写真は…多分、都心の雲を撮りたかった😅
意外と空が見えるんだなと思って…

目黒通りから1本、奥の道に入ってみると…

港区白金台なのに、めっちゃ普通の住宅街じゃん!!
この通りだけ見ると、実家の方と全然かわんないんだけど…
でも、白金台‼️
打ちっぱなしのおしゃれなデザインのビルを発見。学校らしい。
欧風調のこじゃれたマンション。港区って感じ!
再び表通りに出る。ビルの間に挟まれた民家らしき家。
やっぱり今でも古い家は残ってるんだー。
窓の枠がかわいいツインマンション

目黒駅方面に向かって歩いていくと、自然教育園が。

確かネットの情報だと朝ドラ「らんまん」のロケ地だったとか?
自然教育園に隣接された東京都庭園美術館。
ここも平日、ゆっくり見てみたい場所だ。
庭園美術館に併設されてるレストランに入ろうか迷ったけど。
高いし、待たされるようだし、そそられなかったのでやめた。
目黒駅までの道を、一瞬だけどこじゃれた街路樹を歩きます
目黒駅に向かってるけど、なぜかここから品川区。

ややこしいのですが、目黒駅は目黒区ではなく品川区に存在し、品川駅は品川区ではなく港区にあるらしいです💦

このマンションのデザインも可愛かったので、撮影
目黒駅近く。裏通りのビルに囲まれた気になるお店発見
目黒駅到着です♪

やっぱり都心の人混みと、この日はいろんな意味で…どっと疲れました。いろんな意味については…また別の機会にブログを書くとします。

結局、地元のローカルな喫茶店でお茶して帰りました😅
ローカルな場所…落ち着くわ〜。

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