二月の詩

二月が嫌いだ。固くなった雪の跡。いつがサヨナラだか知らない間に、二度と会えなくなる。使いかけのライターだけ、残されたって困るね。宙に浮いた言葉ばかりいつまでも降り注ぐ。くさくなったマフラーを洗いたいような温存しておきたいような泣きたいような気持ちで春を信じる。見る、聞く、引き戻される。迎える腕はもはやないのに、馬鹿正直な僕のからだは飢えを訴える。苦しいそうです。出会わなければよかった、って綺麗ごとが汚らしく僕のこころをぐしゃぐしゃにしていく。単純なキャッチボールだった。「会える?」と。言えない距離になってからしか、君を物語にできないくらい、当たり前の空気でいてくれてありがとう。


#詩

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