この世が有限であることの証明

星とたった二人きりになりたい。

隣に恋人がいたとしても、その瞬間だけ忘れてしまうくらいに。わたしの影は星明かりにスポットライトを当てられ、ワープしてしまうの。宇宙に投げ出され、種族の殻を溶かしたわたしは、宙を駆る。上も下もなく、泳ぎだす。

もしもこの世界が無限だったら、きっと星々の存在が知られることもないくらい、輝きしかないんだろうね。あるいは、弱肉強食を具現化するように蠢いて、お互いに窒息してしまう。けれど今も孤独な星があっちにもこっちにも見えるから、それは限りがあることの証明なのです。

限りがあるのに、届かない。手を伸ばしても、それはわたしの有限証明に留まるだけ。ああそっか、仲間なんだね。きみもわたしもひとりぼっちだ。此処にいるよ。

#詩

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