芝生広場に薫る塩焼き
鮎上り行く水柔らかし
締切まぢか籠もれる厠
観測史上最速と云ふ
たえぬほほ笑みひねもすベンチ
黄砂舞い込む窓開け放つ
春の暑さに思ふ故郷
カーステレオをひっそりと聴く
歩けば遠し新たな母校
裏口入れば異国のなまり
いちめん白き闇夜のうたげ
切り集めたる折々の花
校舎をかこむ花の咲くらん
手力込めて馬の口取る
先を思へば途方にくれる
三日続きも舌のよろこぶ