詩〈相棒〉
広くて青い
夏の空の下
緑にきらめく大海原を 1人と1匹 突き進む
風が吹けばさ 陸の真ん中にだって
海はできるんだ
青青とした まだ首を垂れる前の 稲穂たち
ねぇ 君たちも あの大空を目指してるんだよね
私もそうだよ
届かないって 大人たちは言うけれど
こんなに近くにあるんだもの
手を伸ばしたっていいじゃない
空を仰ぐ私の横で 相棒が
不思議そうにこちらを見上げてる
ごめんごめん この冒険はあなたが主役
空ばっかり見てないで
ちゃんとあなたを見てるから
相棒は不思議そうに私を見つめ
再び颯爽と
尻尾を楽しそうに振りながら 歩き出した
あの夏の大冒険は
私たちだけの
1人と1匹だけの秘密
緑の海は 寄せては返さない
風の吹くままに 波打っている
そんな 夏
私が憧れてやまないあの空に
あなたは先に行ってしまった
緑の大海原よりも 気持ちいいだろうか
気持ち良いといいなぁ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?