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KAMOGAWA

万城目学の「鴨川ホルモー」という作品をご存知であろうか。京大のホルモーというスポーツ?サークルでの出来事が描かれた作品である。私は中3のときの朝読書の時間で読んだ。
高校生になって進路を決める際、父親から「ホルモーやればええやん」と言われ、自分も納得した。そう、あのみんなが憧れる京大で鴨川ホルモーをするんだ!と本気で目指していた。その夢も儚く散ったが。
京大には入れなかったが、縁があり私は京都の別の大学に入ることができた。その大学は高野川から近いこともあり、以前よりも川が身近に感じられるようになった。鴨川デルタと高野川マイフェイバリットスポット。そこに行っては1人でぼーっと川を眺めた。
川にはいろんな人がいる。犬の散歩、ランニング、楽器の練習、飛び石で遊ぶ、上裸で体をこがす、、、なんでもありなのだ。その中で私はパンやコーヒー牛乳をむしゃることが多い。トンビにむしゃってたレーズンパン、取られたこともある。イチゴ牛乳の日だってあるし、フィルムカメラで同じような写真を何枚も撮ることもある。
普段からよく川に行く私が、狂ったかのように毎日川に行っていた時期があった。研究室でツライことがあったらまず川に逃避していた。「あーあ、実験で使う酵母菌、うまく生えねぇな」とか、「室内で過ごしすぎて、太陽の光浴びてねぇな」とか。川に行ってゆらゆら帝国の空洞ですを聞く。どんなことがあっても、ぼーっとしてていいんだよという気持ちにさせてくれる、川。偉大だ。
今は気持ちを楽にして生きていいんだということがわかってきて、川に行くことがそのときよりは少なくなった。川に嫌な気持ちを流さなくてもよくなったからだろうか。

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