論理的・合理的説明を求める人へ3


前回から1か月ぶりの投稿となります。

この1か月で考えていたことはまた別な記事で公開する予定なので、是非ご覧ください。

やはりというべきか、私の中で、「論理的・合理的」というワードは大きな意味を持つようで、どうにか私のイメージをあなたに伝えたいと思ってしまいます。

このテーマで話すのは3回目ですが、また別の視点で「論理的・合理的」ということについて私の意見を書いていきます。


先入観による論理性・合理性の破綻

暑い夏に常温の飲み物を店頭に並べる理由

昨今、地球温暖化の影響なのか春と秋の気温感というのが無くなり、季節が夏と冬の2極化してきたように思います。

特に夏は猛暑と呼ばれるような気温が日常化してきて、そんな暑い日には冷たい飲み物が飲みたくなります。

しかし、そんな暑い中でも常温の飲み物が店頭に置かれ、売れていくことがあります。

論理的・合理的に考えるのであれば、「暑い時には冷たい飲み物が飲みたくなる」は正しいことです。

そのため、店舗は飲み物をキンキンに冷やして売りますし、実際、暑い日には凍らせた飲み物がほぼ完売しますからこれは事実です。

では、常温の飲み物をわざわざ店頭におく合理的・論理的理由はどこにあるのでしょうか?

答えは「女性客」「テレワークの普及」です。

女性の中には慢性的な消化不良などの胃腸の不調をかかえる人が男性と比べてかなり数が多いです。

男性であれば気にせず飲める冷たさでも女性にとって胃腸を冷やし体調を崩す原因になることもあります。

昨今、女性の社会進出が加速し、働く女性が増えたこともあり、昼の暑い時にも常温の飲み物の需要というのが高まっていたというのが、「論理的・合理的説明」として成立するでしょう。

また、「会社の冷房などが効きすぎている」、「室内での仕事なのでそれほど暑くない」と思っている人も一定数いるという理由が第2の理由となります。

これもコロナ以降になりますが、テレワークの人口が増えたことで、冷たい飲み物でなくて常温でも良いという需要の割合が増えた結果でしょう。

このように、論理的・合理的な正解や正しさしか見ていない状態ではこの需要があることを見抜くことは出来ません。

実際に一部のコンビニではこのマーケティング方法だけで夏場の飲み物の売上が3倍になったそうです。

スーパーで常温の飲み物が置かれている理由

先ほど、「コンビニでは売り上げが3倍になった」という話をしましたが、スーパーで同じ方法を試した時、売り上げが3倍になることはあるでしょうか?

答えは「NO」です。

では、どうしてコンビニでは売り上げが3倍になり、スーパーでは売り上げが3倍にはならないのでしょうか?

先ほどの売り上げが上がる理由として挙げたのは、「女性客」と「テレワークの普及」の2点です。

この条件は特に変わらないわけですから売り上げが同じように3倍とは言わないまでも上がってもおかしくはないはずです。

あなたはコンビニとスーパーではどんな違いがあると考えるでしょうか?

ヒントは「一部のコンビニでは3倍」というところに隠されています。

この「一部のコンビニ」はいったいどんなコンビニだったと思いますか?

答えを言います。

答えは「時間」「立地」です。

「一部のコンビニ」は「昼時」のお客さんが多い店舗で「オフィス街」などの会社の多い立地や「社宅」など「テレワーク」の多い立地にある店舗です。

このマーケティング方法の根幹は昼時に食べ物と一緒に飲み物を買う人のうち、常温で買う人がターゲットになることです。

「夕方にお客さんのピークが来るスーパー」、「お昼ご飯を一緒に買わないといけない」など理由はいろいろあるとは思いますが、ターゲットの行動が全く違うスーパーでは結果が異なるのは当たり前なんです。

しかし、スーパーにも常温の飲み物は置いてあり、店頭に並び続けるくらいは売り上げも上がっています。

では、スーパーで常温の飲み物が置かれ続ける理由は何でしょうか?

この理由は2Lの飲み物が売り上げのほとんどで500mlの飲み物はそれほど売れないことがヒントになるでしょうか。

答えは「備蓄用での購入」や「冷蔵庫で冷やせばいい」というような「すぐに飲む必要がない」ことです。

このように同じ「常温である」にもターゲットとしている人の行動によっては「体を冷やしたくない」であったり、「すぐに飲む必要がない」という理由であったりとまるで過程が違います

また、この場合のマーケティング方法としては「ケース売り」が定番で、例えば、2Lのペットボトルを6本セットの箱買いで1本ずつ買うより安くするというような手法が取られます。

先入観による論理性・合理性の破綻

今回はスーパーとコンビニの2つの例で「論理的・合理的」の説明をしました。

私がこの例で伝えたかったのは、2つで

・一見、論理的・合理的に見えても視点を変えるとその逆が最も効果的である場合がある。
・一度成功した論理的・合理的方法が全てのパターンで通じるわけではない。

ということです。

どちらも論理的・合理的であると思ったことを疑わないと出せない結論だと私は思います。

先入観から論理的・合理的説明を鵜呑みにしてしまうと3倍の売り上げを逃したり、スーパーで常温の飲み物を3倍売れると誤認することもあるでしょう。

あなたは盲目的に論理的に筋が通っていることや合理的に判断したことが正解だと思ってはいませんか?

私の意見ですが、本当に必要なのは論理的に合っていることでも、合理的に合っていることでもなくてそれを判断する能力であったり、疑って、小規模で検証するような行動力であると思っています。

最後に

いかがでしたでしょうか?

1か月ぶりということもあり、かなり内容は力を入れたつもりです(笑)

論理的・合理的な説明に対して否定的な意見を書き連ねていますが、本当に論理的・合理的な説明が悪いと思っている訳ではありません。

論理的・合理的な説明を盲目的に信じることやそういう説明をする人を信頼することに少し疑問を持ったほうがいいという話です。

また、こういった論理的・合理的な説明に対して、否定的なコンテンツが世の中にあまりないので、もしかしたら興味を持ってもらえるかもという下心からです(笑)

あなたの元に私の文章が届いているということは私の思惑は無事達成されているみたいです。

これからもこのシリーズは書くかもしれません。

また次回をお楽しみに。

加えて、こんなテーマで何か語ってほしいというのがあれば、是非コメントくださいm(__)m

あなたが何に興味があるのか、どんなことが気になるのかを私が知る方法は限られていますので、是非是非あなたの声を聞かせてください。

私も楽しみに待っていますm(__)m

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