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マレーシアに春節はない⁈

旧正月/CNYからあけて八日目。拝天公/バイティェンゴンの日。福建系にとっては明日が本当のお正月だそうだ。

 日本でもお馴染みとなった「春節」旧正月(陰暦正月)、だがマレーシアでは「春節」という呼び方をしない。20数年前、ダーリン(当時は遠距離恋愛真っただ中)の親戚と会話するために、テレビ中国語を習い始めた私は、[快到春節/カイダオチュンジエ]もうすぐ旧正月だね、と電話で話しかけた。すると、帰ってきたのは長----い沈黙。

お正月のことを「春節」っていうんでしょ?

NO! 私達はチャイニーズニューイヤー、略してCNY、またはLUNER new year ルナーニューイヤー といいます。チュンジエ?知らない、言わないです。

ええぇ??どうして?

わからない。私達マレーシアン•チャイニーズも、シンガポール•チャイニーズもそうだから。

 そして後年、ダーリンが日本へ移住したあと、桜を見たときに思い出したように言った。たぶん、マレーシアにもシンガポールにも「春」の季節がないから「春節」という言葉を使わないんじゃない。二月のこんな寒い季節に早く「春」が来ると嬉しいなあ、と思う気持ちが無かったんじゃないかな。マレーシアは1-2月は一年中で最も暑い時期だしね。 なるほどね!

 ところで“バイティェンコン”とは天界のいちばんエライ神様の名前。儒教、とくにマレーシアの福建系華人が信仰する儒教ではCNYから八日目は拝天公様の誕生日。マレーシアでは福建正月とも呼ばれ、福建系華人が多い地域では、CNYよりももっと盛大に花火や爆竹が上がるのだ。儒教の風習では、紙のお金や金にちなんだ蜜柑をお供えをしたり、ごちそうを並べてお祝いする。そして、この神様は総理大臣的役割持っているため、CNYの二週間前には下界の神様が各地方の報告をしに、拝天公様前に集合し、良い行いと悪い行いを申し述べる。拝天公様は申告書をもとに、”こちらの地方は今後税金上げる、そちらは良く治めたからそのままでよろしい”等、采配するのだと。
 まるで日本の確定申告のようで興味深い。

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 中国大陸の中国人とは異なる文化・風習をもつマレーシア華人。我が家の神棚にはいろんな神様がいらっしゃるのだが、その話はまた次回。

⚫︎華人友人の手作りご馳走

※拝 の字は日本の漢字とちょっと違います。

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