共感百景

書こうとしたことはその時即座にメモっておかないと必ず忘れる。寝る前に思い出して書こうと思ったって何一つとして思い出せない。思い出せない時点で大したことではないのかもしれないがその大したことないを書き留めておきたいから困るのである。大したことのないみんなが意識からいつも流してしまうようなことをあえて言語化することにこそ価値があるような気がしている。

毎月お金を払ってなんとなしに契約をしていまいち使い切れていないparaviで配信されている共感百景という番組を見た。この番組が妙に面白い。ミュージシャンや芸人、漫画家やアイドルなど様々な職業の人がテーマに沿ってあるあるネタを披露していくだけの番組なのだが、ただのあるあるネタというわけではなくそれを「共感詩」という詩として発表していくというスタイルでそのおかげで絶妙な面白さを生んでいる。言葉で説明するのがうまく出来ないがこれは見てもらうのが一番手っ取り早いのでいろんな人に見て欲しい。どうやら4月5日に地上波で放送されるらしい。なんだか番組の宣伝のようになってしまったが是非見て欲しい。そして自分でもやってみたい。どれほど出演者の人たちの詩がセンスのあるもので難しいものかというのかを身をもって体感してみたい。この日記の冒頭で言ったような大したことのないことだけどみんなが共感できることの言語化というのがいかに難しくてそれを言語化できる人がいかに魅力があるかというのを番組を見ていて感じた。やはり歌詞を扱うミュージシャンの方々の言葉のセンスは一線を画していた。いや、ミュージシャンの方々というよりトリプルファイヤーの吉田さんとクリープハイプの尾崎世界観さんのセンスがすごかった。

「共感詩」一応やってみる。テーマは「学校」

・わかってるけど「わかりません」
先生に指名されたときに本当はわかっているけどみんなの前で発言して万が一間違っていたら恥ずかしいから自分を守るために言う「わかりません」。わからない恥よりもわかったつもりの恥のリスク回避。

・足の速さで決まってたカーストって何だったんだろう
小学校の頃ってなんで足が速いとちやほやされるんだろう。勉強できる方がいいだろ。足が速いて。

・誰のための「避け」なのか
必死になってドッジボールで避けてたけどあれって誰のためだったんだろう。空気を読めてなかったのかもしれない。俺が避けて掴む勝利は別に誰も望んでない。

・お前のことなんて誰も気にしてないよ。いやほんとほんと!
「お前のことなんて誰も気にしてないよ」という言葉を蔑みでも励ましでもよく聞くけど、あれそういう言い回しじゃなくてほんとだから。いやほんとほんと!

とりあえずやってみたけど中身の良さとか関係なしにこれを考えるのは結構楽しい。番組見てないとこれが上手いか下手かも判断できないんでぜひ見て欲しい。うん。

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