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92/CT検査結果と情報選択

2023年7月20日(木)
がん告知から92日目
※5,617文字


こんばんは。

今日退院しまして、
いつも通りに母ちゃんの迎えで、
ランチに行ってきました!

今日は「ひっつみ&そば」+「天ぷら」

「退院したの俺な!」
天ぷらの破壊力により満腹すぎて夕飯はゼリーのみ


そう言えば…

母ちゃんはSNSへの顔出しOKだったのかな?
ちゃんと許可取らずに、
noteにもInstagramにも載せてたけど…笑

Instagramに載せるための写真撮影って言ってるし、
「退院したの俺な!」シリーズは、
数名のファンがいるから…まぁいいか!笑


InstagramとFacebookでは、
先にお伝えしましたが、

今日は「CT検査の結果」というテーマでお伝えします。

▼CT検査結果と今までの経過


CT検査結果からお伝えしますが、
【転移肝臓の癌が半分ほど消えていました】

目視ですけどね、
5月と比べて半分!
4月と比べるとまだ同じくらいか少し多いかな。
くらいですが、

5月は肝臓ほとんどを覆っていたので、
一面雲で時々晴れ間みたいな感じが、
晴天の中に少し雲がある!程度でした。

良かったです。
ホッとしました。
ありがとうございます!

ここから今までの経過と、
検査結果が出るまでの前後を報告したいと思います。
(何度も読んで知っている方は、スクロールしてくださいね)

■2023年3月下旬より下腹部の違和感あり
■2023年3月31日より「医療機関受診・紹介・検査」
■2023年4月20日「S状結腸癌・多発肝転移・ステージⅣ・根治不能・延命治療」を告知
■2023年5月1日「CVポート」造設手術
■2023年5月8日「抗がん剤治療」開始
■2023年6月2日「BRAF遺伝子変異」陽性を告知
■2023年7月17日抗がん剤治療6サイクル目

2023年7月20現在までの経過

こんな感じの経過です。

少し具体的なことも踏まえて、
(改めて)お伝えしますね。

まず僕は、
「S状結腸がん」いわゆる「大腸がん」です。

健康やまぐちサポートステーション様サイトより


「S状結腸がん」は、
カメラで確認したところ、
2/5くらいが癌化しているものの、
正常な部分もあることから切除はせず。

排泄が出来なくなったら、
「S状結腸」を切って「下行結腸」と「直腸」を繋げる方向です。

※切除をしても体内や血液にも癌細胞が混ざっているので再発の可能性もあり、活かせる臓器は最後まで活かすのが、現在の標準治療とのこと。
(あくまでも僕の解釈です)

今のところは、
下剤も使用していますが、
排泄はできているので大丈夫そうです。
(抗がん剤を使うと、出にくかったり固くなったりするので調整しながら下剤を使っています。休薬期間は使わなくても排泄できています。)


この「S状結腸がん」が原発巣(元のがん)で、
そこから転移(血液にのって飛び火)した場所が「肝臓」でした。

上尾中央総合病院様サイトより


告知前の4月10日から、
こうやって色々調べたんですが、
転移がなければもちろん良かったのですが、

「転移が肝臓だけに留まっていた」っていうのも、キセキですよね。

発見が遅ければ、
肝臓から更に転移していた可能性があるので。


図にもあった「血行性転移」という転移の仕方で、
大腸から肝臓にも「がん」が広がりました。

大腸のがんの部分を取っても、
血液にがんが残っている以上、
再発や転移の可能性があるから、
切らずに全身を薬で管理するのがベストだよね。

というわけで、
治療方針としては「化学療法」いわゆる「抗がん剤治療」となりました。

ちなみに…
放射線治療は、
多発肝転移(肝臓内複数の場所に転移)しているので、不可。
先進医療の重粒子線治療も不可。
(国立がんセンター確認済み)

そしてこの転移した「肝臓」のがんが、
あまりにも急増していました。


腫瘍マーカー(がんの数値)はこちらの記事で。


肝臓がんが急増した理由の一つは、
「BRAF遺伝子変異」によるものでした。

個人病院で最初の診察、
その後に紹介された総合病院で、
胃や大腸の検査をし、
病理検査でがんが分かった際に
『遺伝子検査もした方が良い』(3割負担で2,3万だったかな)とのことで、お願いしました。

総合病院から紹介をされ、
がん治療は大学病院で行うことなり、
抗がん剤治療中の6月2日に、
「BRAF遺伝子変異陽性」と聞きました。

『だからこんなに急増したのか』という原因が分かった日でもあります。

※この遺伝子変異への治療は現在は行っていません。現在の抗がん剤が効かなくなった場合(ずっと効いてて欲しいんだけど)の次の治療法として、遺伝子変異阻害薬が使われます。

抗がん剤にしろ、
阻害薬にしろ効果は100%ではないし、
副作用もどう出るのか分からないので、

「現在行っている抗がん剤治療が有効なら、効かなくなるまで続ける」
これも標準治療の方針です。(僕の解釈)

※がんの標準治療は日本だけではなく世界共通

▼肝臓が生命線


毎日酒を飲んで、
ハイボールのウイスキーも杯数を重ねるごとに濃くなって、
肉や加工品や外食ばかりしていて。

今思うと、
僕の「大腸」「肝臓」から、
『もう休ませてくれ!!死ぬーー!!』って、
お知らせだったんだと。

ほんとごめんなさい。
そして、伝えてくれてありがとう。
大腸と肝臓だけで踏みとどまってくれて、ありがとう。

そう思います。

「がん」が治ったら、お酒は飲みたいです。
治ったら乾杯しましょうね!
(無茶な飲み方はせずに1〜2杯だけね。)


僕の場合は、
この「肝臓」が生命線です。

図にもあったように、
転移した肝臓から更に血液にのって、
肺などに転移する可能性があります。

感覚的には、
『もう肝臓は癌でいっぱいにしたから、違う臓器に侵攻しようぜ』
(by.癌さんの気持ち)

そこに「抗がん剤」が入り、
そして「抗がん剤」が効いたことにより、
なんとか「肝臓」は正常になろうとしている。
※本当ありがとう!


抗がん剤治療前は、
抗がん剤が効かなかったら次の治療法がある。



とは分かっていても、
怖さはあったし、
薬もたくさんあるわけではないから、
その不安もあった。

数値は下がっていても、
実際の写真(CT検査結果)を見るまでは、
100%確証は持たなかった。

だから、
昨夜は嬉しかった!

朝の外来診察前と、
1日の業務を終えた後に、
必ず担当医が病室に来てくれる。

朝は忙しいだろうからと思って、
夜に来てくれた時に、

『朝はCTの結果も良いと聞きましたが、画像見れますか?』と聞いたら、

快く引き受けてくれて、
『すぐ見れます!じゃこっちに!』と、
スタッフステーション横の診察室で比較画像を見せてくれて。

そのあと病室に戻って、
「本当に良くなってる」って嬉し泣きでした。

4月20日に告知をされ、
4月と比べて5月の数値が倍以上になり、
癌の範囲も広がり、

6月に入り数値は下がり始め、
7月に入り数値はかなり下がり、

「良くなっている」って思っていたところに、
「ほら、ちゃんと良くなってるでしょ」って、
証明書をもらった気分でした。

『よくやった俺!』
『応援してくれている、みんなやったぞー!』
『まだ生きられる!生きて良いんだ!』

って、
昨日の記事を書き終わった後は、
嬉しくてなかなか寝れなかったです。


『自分1人ではここまでこれなかったな』

『公開して助けてもらって良かったな』

『辛いも嬉しいも共有できて良かったな』

『嫌な思いをさせた人もいるかもしれないけど、今はこの生き方じゃないと俺は潰れてたな』

『誰かの勇気になりたい。とか言ってたけど、自分の勇気に自分がなりたかったんだな』

体調や治療を優先してくれた人たち、会社、講師の皆さん、
支援物資を送ってくれた皆さん、
SNSで「いいね」「コメント」「メッセージ」をくれる皆さん、
遠くから見守ってくれている友達や従兄弟や親戚の皆さん、
ご飯に誘ってくれる先輩や友達、
そしていつも支えてくれる家族とリボン。

「がん」になってから、
図々しく、自己中になり、気分屋になりましたが、

それでも、
理解してくれて応援してくれて、
僕の気持ちを優先してくれて、

心から感謝します。
本当にありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。



ここで終わるとキリが良いんですが、
「忠告」的なことも書き足していたので、
興味のある方は続きをどうぞ。


▼情報は武器にもなり命取りにもなる


4月10日からは、
ほぼ毎日朝方までスマホやパソコンで、
情報を集めていた。

「肯定的」「否定的」問わずに。

情報(知識)が、
僕を不安にさせたこともあるけど、
不安な情報の根拠や背景まで調べ上げた。

「一意見としては正しい」ことも、
「それは個人の意見」も、
切り取られ都合の良い部分だけが、
インターネット上には拡散されていて、

あるいは、
「これで癌が治った」
「病院の治療をせずに治す方法」
という、
サプリメントや製品や機械も、
世の中には溢れている。

冷静じゃなければ…
抗がん剤が効かなければ…
治療方法の選択肢が少なくなったら…

あらゆる情報を鵜呑みにしてしまう怖さも感じた。

どの情報も間違いではないかもしれないけど、
「切り取り」「個人の意見」が大いに関係していることも踏まえて、情報収集はしてほしい。

全てを鵜呑みにせず、
疑いながら、そして情報は自分で探す。
ネット、ニュース、本が全て正しいとも言い切れない。

だからこそ、
自分の「目」「思考」「感覚」が大事になる。

もしも不安なことや迷うことがあれば、
SNSで連絡をしてほしい。


【ネットニュースを信じて抗がん剤治療を拒否し、症状が改善せず亡くなった人】

【がんに効くというサプリメントや浄水器を購入したものの亡くなった人】

【がんは悪霊が付いているからと宗教に勧誘され、がん保険の一時金など全ての資産を費やし、治療費が払えなくなった人】


確証も持てない情報に不安を感じて、
「お金」「時間」「命」を落としている人がいることも知ってほしい。

ネット記事も、
間違いではないと思うが、
「一意見」であり「個人の主観」もある。

「正しい」こともあるが、
あなたの今の状況で「正しい」と言えないこともある。

サプリメントなどで癌への有効性があるのなら、
認可薬として認められているはず。


僕もがん告知から、
たくさんの情報をもらった。

もちろん参考にしていることもたくさんあるし、
情報をいただけることはありがたい。

けれども、
鵜呑みにせず何を優先するのかは、
明確にしておかないと、
混乱し冷静さを失い、
「お金」「時間」「命」を失う可能性もある。

抗がん剤の有効確率は30%程度。
効かない方が確率としては高い。
「抗がん剤治療は身体に悪い」と言われるのは、
このことだし、確かにその通り。
身体にとっては毒でしかない。

だから効果が認められない可能性もあるので、
「○クール」と治療回数(期間)が決められている。
その回数で効果がなければ、
薬の変更をするか、抗がん剤治療を中止するしかない。

効かないことが分かった場合は、
抗がん剤治療は身体に負担をかけるだけなので、
推奨されないのも標準治療方針にある。


【抗がん剤は身体に悪い】のはその通り。
だから効かなければ中止になる。

【抗がん剤治療は製薬メーカーの金儲け】は、その通り。
毎年のように新しい認可薬を作るためには、
どれだけの研究と治験を繰り返してきたのか。
その努力や治験を受けてくださった人のおかげで、
僕らは認可薬(保険適用)で治療を受けられる。

研究費も治験も製薬も、そのための経費も人件費も莫大なコストをかけている。
莫大なコストをかけても認可されなければ全て水の泡。その数も膨大な量だと思う。
だから認可された薬にその分を上乗せしても(してるか分からないけど)当然だと思う。

製薬メーカーが儲けた金で、新しい研究や薬を開発してくれているからこそ、
今の僕の薬も保険適用で使えているし、
「BRAF遺伝子変異」の治療薬も2020年11月に認可されているし、
「がん悪液質」の治療薬も2021年に認可された。
だからもっと儲けてたくさんの命を救ってほしい。

「陰謀論」はたくさん出回っているから、
そのうち書くかもしれないけど、

イタリア人医師が「自分が癌になったら抗がん剤は使わない」と発言したことを切り取って、
「医師は抗がん剤治療をしない」と、
あたかも医師全員の意見のように出回っているし、

さっき書いた「身体に悪い」とか「金儲け」も、
確かにそうなんだけど、その根拠とか背景までは出回らない。

そして、
「がん告知」を受けた冷静じゃない本人や家族がその情報を鵜呑みにして、
「お金」「時間」「命」を失う危険性もある。

熊谷翼調べ

良いものは良いと思うし、
僕も取り入れているものもあるし、
参考にしているものもある。

いただいた情報の中で、
必要なものの優先順位を決めて、

「治療効果がなければ使う」
「調子が悪くなったら試す」

と優先順位を決めることが必要だ。

情報提供者には、
『必要になったらこちらから情報を求めます』
と伝えておけばそれで良い。
断ることも必要だ。

「がん保険」の一時金給付を狙って、
高額なサプリメントやドリンクを売りつける人(マルチ商法)や、
宗教に勧誘する人も実際にいる。

心配した連絡をもらってランチに誘われたら、
「マルチ商法の勧誘」ってこともある。

「私の周りの人に限ってそんなことはない」と、
思い込んでいると痛い目にあう。
これは本当に!だから疑ってほしい。

※僕は告知された日から宗教勧誘、マルチ商法勧誘されてます。ランチの話も事実です。

僕がこういうことを書くことによって、
本人もそうだし、
周りの友人や家族も注意を払うことはできるはず。

伝える側も悪意があるわけではない。
本当に助けたいから守りたいから伝えている。

その気持ちは否定できないし、
サプリメントやドリンクも良いものではある。
宗教も個々の信仰なので個人の自由。

だからこそ、
受け取る側が冷静に慎重に、
情報は受け取らないといけない。


自分で判断がつかなければ、
SNSでメッセージをくださいね。

2023/07/20
熊谷翼

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