「ホアちゃん、今日は何買ってきたの？」夫の圭は子供の幸越をあやしながら帰ってきたばかりのベトナム人妻・ホアに声をかける。

「うん、安いものを買ってきた」と、ホアが一言。

「安いもの？」圭は首をかしげる。ただ金額が安いというだけで買ってきたの言うのか。
　圭は幸越を抱きながらダイニングのほうに来ると、ホアがエコバッグから出してきたものを眺めた。

「う、うどんか」うどんには3割引のシールが貼っていた。「それと、これも割引だったよ」とホアが出したのはカレーのルー、半額のシールが貼ってある。
「なるほど、主婦としては合格だな」と圭は笑顔になる。

「だったらカレーうどんに決定だ」と圭のひとことにホアが戸惑いの表情を見る。「圭さんなんで」
「だって今日８月２日はカレーうどんの日だからだよ」そう言ってカレンダーを見る。

「なるほど、いいよ」そう言ってホアは材料をキッチンに持っていく。こうして記念日に合わせるメニューが完成した。

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