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消えた鍵

 消えた鍵に顔色が変わる。今日は体を動かしかったので、自転車で遠くまでサイクリングをしたのだ。

 県を越えて100キロ近くは走っただろうか?途中に大きな峠がないので走れた距離。さて、目的地で一休みした。来た道を100キロ戻らないといけない。

 早朝5時からここまで走った。「夜には十分戻れる」1時間近く休憩したので、自転車に戻ろうと思ったときに鍵がないことに気づいたのだ。「あれ、どこで落とした」鍵はかかったままで、慌てて今まで来た道を戻る。

 その間1時間かかったが、くまなく見ても鍵がない。鍵がないのだ。「ま、まずい、家に帰られない」

 途方に暮れていると、見知らぬ親父が近づいてきた。
 
 相当落ち込んでいたのがわかったのか「どうしたんじゃ」と声をかけてくる。事情を説明した。「するとこのワイヤー切っていいのなら」と言う。自転車の鍵はワイヤーを使っていたからだ。

 そして親父は大きなペンチのようなものでワイヤーを切ってくれた。

こちらの企画に参加してみました。

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消えた鍵 #短編小説


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