見出し画像

私の日

 私の日、誕生日でもないのにそう思うのは、今日はロマンチックな七夕だからだと思う。
 七夕は年に一度男女が出会う日という伝承があるけれど、実際にそうだと「辛いだろうねえ」と考えた。けどまだ相手がいない身だ。

 空を見ると天気予報の曇りを覆して晴れ間が見られた。「夜まで晴れ間が残ってたら」と、少し期待しようと思ってお出かけの準備をする。「どうせならよりよく見えそうなところに行かないと」そう言って支度をした。
 そろそろ風が吹いてきた夕暮れに車を動かす。目的は近くの山の上だ。赤く染まった西の空に向かって車を走らせること一時間あまりが過ぎる。

 坂道を上ってちょうど展望台の前にある駐車場に止めたときには、とっぷり日が暮れていた。周囲も暗くなっている。やはりというか男女セットの人たちが何組もいた。

「少し雲が出てきたか」期待していた天の川は残念ながら雲が邪魔をしている。その代わり眼下には夜景が天の川のように光っていた。

こちらの企画に参加してみました。

#小説#スキしてみて#noteのつづけ方
#400字小説  #シロクマ文芸部
#
私の日  #七夕
#短編小説

この記事が参加している募集

noteのつづけ方

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?