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口に風呂敷手に刀

「ち、しょうがねえな」緊急事態だ。強力な殺気を感じたので急遽、手に持っていた風呂敷を口に加えた。 そのあと手を刀にかける。その体制で相手の出方を伺うのだ。

 だがこの体制になって数秒が経過したが、何もおこらない。「おかしい。本来なら敵が来て、刀を一振りすれば相手を倒せる作戦だったが」相手の姿は見えぬ。見えぬどころか直前に感じた殺気も消えている。
「どういうことだ?」不思議に思ったが、油断させる相手の作戦と思い、今しばらく待つ。

 それから数十秒が経過したが、一向に変わらない。「うーむ、勘違いしたかな」と警戒態勢を緩め、手を刀から外して風呂敷を手に持つ。

 その時、突然の殺気を感じたかと思うと、同時に敵が攻めてきた。とっさに風呂敷を相手の顔にぶつける。相手がひるんでいる隙に刀で一撃を喰らわせた。相手は絶命し倒れる。

「ふ、こんなことだと思ったぜ。油断したと思わせておびき出したのさ」とつぶやくと風呂敷を持ち上げた。

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