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宗像で7200坪の里山のシェアをする、「LiV KiTCHEN」オーナー”谷口 竜平さん”

田舎の魅力をクリエイティブの力で蘇らせ、若い人が田舎に集まる環境づくりをされている、”谷口 竜平さん”のお話をお伺いしました!

谷口 竜平さん プロフィール
出身地:福岡県宗像市
活動地域:宗像市を中心に福岡県内が主
経歴:継承した家と土地の活用として7,200坪の里山もシェアする“むなかたシェアハウス”、“むなかたシェアラボ”、ツリーハウスのある里山の活動、地域の人々が集まる「バー洋子」を展開。カフェ&バー「LiV KiTCHEN」オーナー。
現在の職業および活動:プロデューサー、ディレクター、デザイナー、大家、山主、飲食店オーナー
座右の銘:not for us, but for our children.

「若い人にとって魅力的な仕事を、田舎でつくる。」

Q1.谷口さんは、どのような夢やビジョンをお持ちですか?

若い人は都会に憧れて、田舎から離れていきます。その理由のひとつは、田舎に仕事が無いことなんですね。なので、「若い人にとって魅力的な仕事を田舎でつくること」が僕の夢です。今は、AIやITが当たり前の時代ですが、宗像(田舎)で最先端の仕事をしていたら、とても格好良くないですか?
「日本=東京」と思われがちですが、実は日本の7割は田舎なんですね。実は田舎の方がスタンダードなんです。田舎に面白いものあれば、みんなが集まってくると思うので、若い人にとって魅力的な仕事をつくって行きたいですね。

「田舎を、面白いと思ってもらえるプロジェクト。」

Q2.その夢やビジョンを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

僕は、7200坪の里山と家を相続しましたが、維持することがとても大変なんですね。けど、売ってしまうと、集まる場や思い出までも無くなってしまう。それは嫌でした。

僕はもともとクリエイターだったので、田舎の埋もれている資源も活かせるのが本物のクリエイターだと思い、田舎を「面白い」と思ってもらえるような、プロジェクトを取り組んできました。

①里山で、みんなでツリーハウスをつくるプロジェクト。
②里山のふもとの実家のシェアハウス。家を維持する事に困ってる人も多いので、新たな使い道の提案になれたらと思いました。
③倉庫の1階をイベントスペース、2階をシェアオフィスにし、交流できる場をつくる。ここで生まれた「バー洋子」から、九州中に「バーのママをやりたい!」という人が生まれ、今は10か所くらいで展開されています。
更に、新しいプロジェクトも生まれて、「宗像に変なことしてるやつがいる。」と、少しずつ注目されるようになりました。

今後は大島で島民の方と一緒に島づくり会社をつくろうと話しています。宿泊施設などを運営し、島民の方と共に仕事をつくっていきたいと考えています。田舎には素晴らしい資源があり、外の人からはすごい価値になるんですね。まずは大島でモデルをつくりたいと思っています。

「大人たちが楽しみながら、格好いいことをやる。」

Q3.その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような(基本)活動をしていますか?

自分で出来ないことは素直に言って、協働してくれる仲間と一緒に取り組んでいます。

僕は子供の頃にバブル崩壊を経験し、ずっと「不景気だ」「昔はよかった」と大人たちやメディアがこぞって、今の時代や人生が楽しくないようなことを言っていたからか、どこか大人の「こうした方が良い」と言うようなことを信じられませんでした。だから、子供が僕をみた時に「格好良いな。」と思われたくて、「大人たちが楽しむこと。格好いいことをやること。」を、大切にしています。

人と一緒にやることで視点が広がり、田舎の埋もれている資源も、無限の可能性になります。いつも予測以上の事が起こり、とても面白いんですね。

「大嫌いだった田舎の魅力に気づき、”何とかしたい”と思った。」

Q4.そもそも、その夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

僕は子供の頃、地元が大嫌いでした。地元の中でも、新興住宅地と農村地区の格差が大きくて、それがコンプレックスだったんですね。

新興住宅地の友達の家では、ケーキやスナックが出てくるのに、うちはぽたぽた焼きやイモ(笑)。車もケートラやケーバン。テレビの世界はとても格好いいのに、現実は、家は土間、まき風呂。古い、ぼろい、ダサい。友達にも馬鹿にされる。とにかく田舎が大嫌いで、早く出たかったんです。大きくなって憧れの都会に出て、デザイナーとしてバリバリ働いていました。

そんなある時、ばあちゃんが脳出血で倒れたと、叔母さんから電話が来ました。叔母さんは、仕事が忙しそうだから心配をかけたくなくて、落ち着いてから連絡したと言っていたんですね。ばあちゃんの体調は回復したんですが、もしかしたら死に目に会えなかったかもしれないと思った時に、ハッとしました。それまで僕はずっと、何かを成し得なきゃと思って何かに追われて生きてきたけど、自分の土台になっている大切なものを失っていたかもしれない。その時に、働き方を変えないといけないと思いました。

そしてその頃、それまで気づかなかった、田舎の魅力にも気づき始めていました。田舎はとても魅力があるけど、現実は年々人が減って、過疎化を目の当たりにし、「なんとかしたい」と思うようになりました。「若い人が面白くないと先はない。嫌だった田舎をクリエイティブできなければクリエイターじゃない。」と思ったのがキッカケです。

「人の幸せを、他人が決めつけるのが嫌!」

Q5.その発見や出会いの背景には、何があったのですか?

ずっと「人から決めつけられたくない。」と思っていました。僕は小さいころに、両親共を亡くし、両親が居ないことで「大変だったね。」「可哀想に。」と、ずっと言われてきたんですね。けど僕には、じいちゃんとばあちゃんがいて、何不自由なく育ててくれていたので、表向きは笑いながら流していましたが、本心では「そんなこと無いのに。」と、思っていました。

大人になってから、「両親が居る事が幸せ。両親が居ない人や、片親の人は、不幸だ。」と言ってる人に対して、「勝手に決めるな!」と、ものすごく反発心が出たこともあります。人の幸せは人が決め付けれるものではありません。「こう在るべきだ」とかもそうです。田舎も「こう在るべき」が強くて、自分の意見を受け入れてもらえないのが僕も嫌でした。だから、若い子も離れて、人口も減っているんだと思います。

「勝手に決めつけるな!可能性があるんだ!」この想いが、僕のクリエイターの原点にあり、田舎にも新しい可能性を見出したい想いへも繋がっているのだと思います。

記者 「田舎だから」「片親だから」と決めつけて、可能性を閉ざすのではなく、その埋もれた魅力を発見し、その魅力が若い人にも伝わっていることに、とても感動しました。今あるものに、新しい価値を生み出すことは、今からのAI時代にとても大切だと思います。谷口さんの、これからの更なるご活躍を、心から楽しみにしています!ありがとうございました。

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谷口 竜平さんの活動、連絡については、こちらから
↓↓
宗像エアストリームカフェ&バー リヴキッチン:

【編集後記】インタビューの記者を担当した熊倉と丸山です。

ひとつひとつの質問に対して、真剣に取り組んで頂き、私たちもとても嬉しく、楽しいインタビューでした。ひとつひとつのプロジェクトを楽しく取り組まれる谷口さんの生き方は、本当に”格好良い大人”であり、今からのAI時代に、私たち人間にとって、とても必要な生き方だと思いました!
貴重なお話を、本当にありがとうございました。

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。


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