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第7回熊本地域医療勉強会 開催報告 2024/2/2

2024年2月2日(金)第7回熊本地域医療勉強会 を開催しました。
講師を務めていただいたのは、
熊本医療センター 総合診療科 副部長 國友耕太郎(くにとも こうたろう) 先生  です。

講演テーマは、

「多職種連携の新たなメリット 」

講演動画はこちらから↓

熊本県立濟々黌高等学校、自治医科大学のご出身 で、卒業後は天草や阿蘇を中心に地域医療に携わってこられています。
卒業後10年目に、国立病院機構 熊本医療センター入職。現在は総合診療科の副部長として日々診療に従事される一方で、研修医教育や医療安全活動、学会・論文執筆活動など、多方面にご活躍中の先生です。

國友先生のご活動が紹介されている記事(日経メディカル)

今回の講演テーマは「多職種連携の新たなメリット」
多職種連携の必要性について、「診断」を切り口に、熱くお話いただきました。

多職種の医療・介護従事者が、連携するのはいいことだ と、
病院で働く誰もが思います。
しかし、それは各職種が仲良くする、という意味だけではありません。

こんな経験はありませんか?


医師の方々 ➡ 他職種からの情報で一気に診断が出来た
(検査するけど熱源はっきりしない・・・、食欲不振の精査したけど原因特になし・・・)

看護師の方々 ➡ 普段から、「あの患者さん、〇〇っぽくない?」、「あの患者さんの便、CDっぽいよね」

薬剤師の方々 ➡ 「この処方の組み合わせ微妙、併用注意だけど主治医は知ってるのかな?」

門前薬局の方々 ➡ 「残薬めっちゃ多いけど(アドヒアランス不良)、主治医は把握してるのかな? 一人暮らししてるけど、認知症ありそう」

理学療法士の方々 ➡ 「(リハビリしていて)パーキンソン病ありそう」

事務の方々 ➡ 「このおばあちゃん、いつもと様子は違うな」、「今日の外勤の〇〇科の先生は予約外はすぐ怒るから・・・温厚な◎◎科の先生で受付が良いかな」

患者さんやご家族 ➡ 「ネットで調べたら、この病気だと思った」、「実はストレス多くて、それが原因かなと思っている」


あります!あります!
実は、それぞれの職種で、診断に関わっている!! 
という一例です。

診断は、医師の「頭」➡「チーム・組織レベル」で行われる時代に 変化しています。

多職種連携によるメリットとして、様々なエビデンスが出てきています。
入院率の低下、入院期間の短縮、不要な救急外来受診を減らす
そして、患者満足度の向上、医療の質の向上 です。

また、「診断エラー」 は、世界中の問題、どの診療科でも誰でも起こしうるという前提をもとに

対策のひとつとして、多職種・チームによる診断 が必要であり、そのためには、各職種の強みを活かす ことが重要です。

では、多職種による診断を促進させるには?

自分の職種のできる範囲を認識する、有効なコミュニケーションをとる雰囲気・場・組織をつくること などが挙げられました。

今回の Take Home Message  !!

① 多職種連携が進んでいるのは地域医療
② 多職種連携で診断する時代に
③ 多職種連携が診断エラーを減らすことに繋がる



〈参加者アンケートより〉

・診断は医師の仕事だと思っていましたが、コメディカルからの情報提供が有用な時があることや、診断エラーの改善にも貢献できるのではないかと、考えさせられました。(臨床検査技師)

・自分の職種の強みと弱みを感じながら業務していましたので、大変興味深く聴講させて頂きました。多職種連携こそが過疎化の地域医療、マンパワー不足を救う!! と感じることができました。なかなか医師に伝えることは難しいとは感じますが、患者さんのためにエラーを防げるよう努めていきたいと思います。(言語聴覚士)

・薬剤師、放射線技師、臨床検査技師などから専門的にコメントしてもらって、助かっています。在宅医療や緩和ケアの分野では、介護との連携などで患者さんの生活面での情況や課題など、医師以外の方々の発言か大変参考になっています。(医師)

今回参加者はオンラインも含め約40名。医師以外にも、医学生、看護師、薬剤師、放射線技師、臨床検査技師、言語聴覚士、MSW など、講演タイトルの通り、多職種の方々にご参加いただきました。ディスカッションでは、放射線技師、臨床検査技師の方からもコメントをいただき、日々の仕事のやりがいを感じる時間となりました!!

勉強会終了後は、同会場にて懇親会を開催。國友先生を囲んで密度の濃い意見交換ができました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
次回の開催もお楽しみに!!


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