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読んだ・観た・聴いた

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本や雑誌などを読んで思いついたこと。書評とか感想は上手にまとめる人がたくさんいるので、そういうものはそういう人たちにお任せする。本の内容とは全く関係なく見えることも少なくないが、… もっと読む
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記事一覧

大野晋 『日本語練習帳』 岩波新書

母語が思考を規定する。本書でも以前に読んだ田中克彦の著作でも、日本語が所謂「民主主義」に…

熊本熊
10日前
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大野晋 『日本語の起源 新版』 岩波新書

言葉のそもそもに興味がある。人類は30万年ほど前にアフリカ大陸で生まれ、6万年ほど前にアフ…

熊本熊
2週間前
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勝俣鎮夫 『一揆』 岩波新書

4月、新学期、新年度。「イッキ、イッキ、イッキ、、、」というのは今はやらないらしい。強要…

熊本熊
3週間前
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池谷和信 『人間にとってスイカとは何か カラハリ狩猟民と考える』 臨川書店

初めて野生のスイカというものを目にしたのは1984年3月、オーストラリアを旅行したときのこと…

熊本熊
3週間前
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笠松宏至 『徳政令 中世の法と慣習』 講談社学術文庫

落語に『雁風呂』というのがある。米朝と圓生の動画でしか聴いたことがないのだが、この噺は大…

熊本熊
1か月前
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古今亭志ん朝 『世の中ついでに生きてたい』 河出文庫

先日、noteでシズさんがビックリハウスのことを書いていたので、懐かしさを覚えてコメントを付…

熊本熊
1か月前
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蛇足 『職人歌合』

「職人」というのとは違うのだが、「職人」で思いついたことがある。道楽で陶芸をやっている。2006年10月に陶芸教室に通い始めた。今となっては何故始めたのか記憶が無い。作業はごく個人的なものなので、他の生徒と特に親しくなるわけでもなく、ただ毎週出かけて何事か作業をして、先生と話をして帰ってくる。始めた頃は上手く作ろうとか、こういうものああいうものを作ろうとか、当然のように欲があった。ある程度技量が上がると、ひょっとしたら作家として生きていけるかも、などと妄想を抱いたこともあった

網野善彦 『職人歌合』 平凡社ライブラリー

「職人」という言葉に何を想うだろう。私は堕落した賃労働者なので、自分の腕で暮らしを立てる…

熊本熊
1か月前
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網野善彦『宮本常一『忘れられた日本人』を読む』岩波現代文庫

本書では「東日本と西日本」という章を設けている。宮本の方でも明確に東西を分ける境界のよう…

熊本熊
1か月前
29

宮本常一 『忘れられた日本人』 岩波文庫

本書はずいぶん前に読んだのだが、最近になって網野善彦の『『忘れられた日本人』を読む』を読…

熊本熊
2か月前
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松岡宏大 『ひとりみんぱく』 国書刊行会

広告に弱い。築60年近い公団住宅に暮らし、テレビを持たず新聞を読まず、自家用車や自転車を持…

熊本熊
2か月前
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田中克彦 『差別語からはいる言語学入門』 ちくま学芸文庫

やっぱり田中克彦はおもしろい。差別ということについては近頃妙に喧しい所為もあって、関心が…

熊本熊
3か月前
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宮本常一 『女の民俗誌』 岩波現代文庫

やっぱり宮本常一はおもしろい。丹念に人に会い、信頼関係を築いて相手の経験とその先にあるも…

熊本熊
3か月前
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三杉隆敏 『やきもの文化史 景徳鎮から海のシルクロードへ』 岩波新書

長崎に行ってきた。長崎県美術館で開催している「永田玄の眼」というタイ古陶の展示を観るためだ。暮に茶話会で永田さんの話を聴いて、永田さんが集めた器のいくつかを手に取って、永田さんが構想した私設美術館に展示するはずだったものを直に見てみたいと素朴に思ったのである。茶話会でこの企画展の紹介もあったが、その時は「長崎かぁ、わざわざ行けないなぁ」と思った。大晦日を目前にして、ふと行く気が起こってツレに話したら、旅行に出かけるということを素朴に喜ぶので引っ込みがつかなくなった。12月30