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草刈日和

草刈の音に飛び起き休みの日
(くさかりの おとにとびおき やすみのひ) 

草刈は夏の季語。農業が生活の基本にあった時代には、農耕用の牛馬の飼料に朝の草刈に出かけることが多かったのだそうだ。夏は草がよく成長し、栄養価も高い。夏に刈った草を乾燥させて他の季節のために貯蔵もした。今は農家以外で草刈が生活の中にある人はよほど贅沢な暮らしなのではないか。せめて季語として「草刈」という言葉くらいには触れておきたい。

土曜日は陶芸の日。陶芸教室は午前、午後、夜間とあって、以前は登録をしてある時間帯に出席することになっていたのだが、今は生徒が少なく設備の利用に余裕があるので、どの時間帯に出席してもよいことになっている。私は午後に登録してあるが、大抵は午前に出席する。毎日、朝4時半に起床しているので、週末でも目が覚めてしまい、習慣で午前に動く。しかし、今日はなんとなく午後に出かけることにして、朝食をいただいてしばらくして二度寝をしようと床に入った。すると、エンジン音が聞こえてきた。芝刈りだ、と思うといてもたってもいられなくなって、カメラを持ってベランダに出た。芝刈機がいたりきたりするのを眺め、草の香を愉しみ、草の丈が短くなって虫を捕りやすくなった鳥の囀に耳を澄ます。楽しい。

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