【中学受験算数】過去問演習では、複数の分析記事(難易度評価)を確認する

過去問演習を行う際、ネット上に公開されている分析記事(難易度評価)を参考にされている方も多いのではないでしょうか。
私も今年(2023年)の入試直後に渋幕、開成、桜蔭、聖光学院の分析記事を書きましたが、特に有名校の場合は業者、個人を問わず、多数の分析記事が公開されています。

その際におすすめしたいのは、1つの分析記事だけでなく、複数の分析記事を確認するということです。
同じ問題についても難易度評価が分かれることは意外に多く、複数の記事を確認することで、過去問演習の結果を正しく評価しやすくなるからです。

今年の入試問題では、渋幕中(2023年1次)大問4(2)、聖光学院中(2023年1回)大問1(3)の2問について、特に評価が分かれていた印象があります。

渋幕の大問4(2)は直角三角形(面積18㎠)内の黒い部分の面積を求める問題で、一見すると直角三角形の半分くらい(9㎠)に見えて、実際の正解も9㎠になります。

確かに正しい解法で正解に至ることは難しいのですが、このように「勘で正解できてしまう」問題は、模試等でも正答率が跳ね上がる傾向があります。
実際、渋幕に合格した4人の生徒さんは全員正解していました。

聖光学院の大問1(3)は、正解は「(8、4)(14、5)」ですが、多数の受験者が「(8、4)」と解答して不正解になったのではないかと思います。

確かに解法自体は決して難しくないのですが、このように「すいすい解けるけれど、罠がある」問題は、模試等でも正答率が極端に低くなる傾向があります。
実際、聖光学院に合格した4人の生徒さんは、算数全体では合格ボーダーラインを20点前後上回っていましたが、この問題は全員不正解でした。

参考までに「中学への算数」では、聖光学院の大問1(3)は難易度C以上(2023年7月号の発展演習に掲載)、渋幕の大問4(2)は難易度B(2023年6月号の日日の演習に掲載)という評価になっています。

一例を挙げましたが、他にも評価が分かれるケースは多々あります。
誤認を防ぐためにも、複数の分析記事を確認することをおすすめします。



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