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夏にオススメ!子供と一緒に楽しみたい怪談絵本ベスト5

怖い話が好きだ。

怪談話や、ホラー映画、夏によくある心霊特集の番組なども好き。

小さい頃の夏の思い出と言えば、幼稚園の夏季学校というお泊り会で、夜に先生が話してくれる「怖い話」を聞くのが好きだった。

そんな親の影響を受けてか、うちの子供たちも怖い話が好きである。

いや、次男は結構怖がりなのだが、それでも、やっぱり人間には、DNAに「怖い話」を楽しむことのできる素質が備わっているのだろうと思う。

たまに怖い話が苦手だといって、怖い話を毛嫌いする人がいるが、子供の時に”上質な”怪談話に触れておくことは、子供の情緒の成長にも役立つのではないかと思っている。

ということで、まさに子供向けに”上質な”怪談を楽しめる、岩崎書店の怪談絵本シリーズを紹介したいと思う。

怪談や幻想文学の第一線で活躍する作家たちと、ベテランから新進まで異彩を放つ作風で実績ある画家たちとが相携えて、子供たちの柔らかな魂を揺さぶり、視えない世界への畏敬の念や未知なるものへの憧れを育むような、かつてないコンセプトの絵本を生み出したい!──監修者と編集者たちの熱き思いに始まった企画でした。

この特設サイトにもあるが、作家が、宮部みゆきさんや、京極夏彦さん、恩田陸さん、など、ベストセラー作家が多く参加していて、絞りに絞られた言葉ひとつひとつにすごく重みがある。それに、絵本ならではの、全ページを埋め尽くすフルカラーの絵。それが、あいまって、ちょっとした恐怖を心の中に掻き立ててくれる。

そんな素晴らしい怪談絵本シリーズにすっかりハマった私と子供たち。

独断と偏見で、我が家のオススメベスト5をご紹介したいと思う。

第5位:「悪い本」(宮部みゆき 作・吉田尚令 絵)

怪談絵本シリーズの記念すべき第一作目。とにかく絵が綺麗で、西洋な感じのおうちに西洋な感じのおもちゃが並んでいるんだけど、どことなく不気味な感じも漂ってくる。

「はじめまして わたしは 悪い本です」

から始まり、ひたすらこの本が語りかけてくるだけの話ではあるんだけど、いつかきっとあなたは私がほしくなる、という予言が、人間の中にひそむ悪の部分を暴くような、そんな心理的にちょっとぞっとする絵本。

特に怖いオバケなどは出てこないので、手にとりやすいと思うが、うちは二人とも保育園の時に読んだので、いまいち、この本の怖さがどこまで伝わったのかなあという感触だった。小学生以降の方がだんだんこの恐怖がわかるんじゃないかなと思う。

第4位:「ちょうつがいきいきい」(加門七海 作・軽部武宏 絵)

主人公の男の子がドアのちょうつがいとか、椅子とか、自転車とか、「きいきい」と音がするものに対して、それはオバケがはさまって悲鳴をあげている声なんだ、ということを発見していくお話。

でも、オバケはモジャモジャだったり、コミカルで、そんなに怖いという感じではないかな。まさに、ちょっとした疑問から、見えないものを想像する、そんな話で、うちの子供たちはわりと好きな作品。

第3位:「おんなのしろいあし」(岩井志麻子 作・寺門孝之 絵)

これはわりと王道ホラーな感じかな。結構怖めの絵本。

男の子がおばけが出るという学校の倉庫にひとりで入って、そこで白い足だけの幽霊に出会う。そこでは怖くないぞ、というんだけど、帰り道、知らない道にいつのまにか迷い込んで・・・。女の足のぺたぺたぺた、というイラストと音がリアルで、ちょっとゾッとする、まさに、怖い話好きな人へのおすすめ絵本。

ちなみにこの岩井志麻子さんの「ぼっけえ、きょうてい」は、なんとも言えない雰囲気漂うオトナの怪談小説で、個人的に好きな作品の一つです。

第2位:「おろしてください」(有栖川有栖 作・市川友章 絵)

男の子が道に迷って、電車に乗ったところ、その電車の中にはおばけがいっぱい、というお話。

オバケは、魚介系だったり、昆虫みたいだったりするので、ゲゲゲの鬼太郎の妖怪的な感じで、わりと子供は好きじゃないかなと思う。うちの子供たちもこの絵本は自分たちでよく読んでるくらい好きな作品。

タイトルにもある「おろしてください」だけど、つまり、おりられなくなる、という、なんとも後味悪いというか、余韻たっぷりのラストも最高な作品。特に、男の子ウケする作品じゃないかと思う。

第1位:「いるのいないの」(京極夏彦 作・町田尚子 絵)

我が家の圧倒的ナンバーワン!そして、私も大絶賛の怪談絵本がこの作品。男の子が田舎の祖母のうちに滞在するんだけど、そこで、天井の梁の上の上の方に、男の顔がじっと下を見ている、というのを見つけてしまうというお話。

絵もすごく素敵なんだけど、言葉のリズムやセリフがめちゃくちゃいい。

おばあちゃんは うえをみないで こたえた。「みたのかい。じゃあいるんだね」「あれはだれ?」「さあしらないよ」

明らかにおばあちゃんはこの変な存在のこと知ってるじゃん!!ということが二人のやりとりからわかる。そしておばあちゃんのアドバイスは

「うえを みなければ こわくないよ。」

でも、見なければって言われてもやっぱり気になっちゃう。だからつい見ちゃう。そんな男の子の心理描写もたまらない。そして、最後のページにいよいよこの存在が絵として出てきて、読んでる方は「ギャー」となる感じの終わり方も最高。

我が家でも、最初に読んだ時は、この最後のページに、二人ともめちゃくちゃビビったんだけど、今では「いるからねオジサン」と呼んで親しんでいる。

とにかく夏に限らず、一年中リピートの多い我が家の人気絵本なので、ぜひ一度手にとっていただきたい。

また、先に本の中身を確認したい方は、朗読のYouTube動画がいくつかあがっているので、そちらで先にチェックすることも可能。

暑い夏にぜひ、上質な怪談絵本で、子供と一緒に涼しい夜を。

ちなみに、毎週日曜の夕方17時半から、母親アップデートラジオで「本」をテーマに話しています。怪談絵本の会は以下。


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