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昭和な映画「どぶ川学級」と、工藤勇一先生の新刊『校長の力』

2024年2月11日(日)

地元図書館で映画「どぶ川学級」の無料上映会があった。

昭和47年の映画ゆえ、時代を感じるし、
映画の台詞や表現は、現代においては全くのNG表現も多数あったが、それも致し方ないし、今回の鑑賞のポイントはそこではない。

詳しいあらすじ解説は
こちらのサイト(→★★★)をご覧いただきたいが、ザっとストーリーを書き出してみる。

某中学校。様々な事情からグレて授業にもついていけず、教師らからも暴言を吐かれたり、体罰を受けたりする生徒を引き受け、学校とは別の「どぶ川学級」という勉強会で、勉強を教え始める須藤(23-4歳という設定)。

いろんな事情で、最初はいやいや勉強会に参加していた生徒だが、評判を聞き、「どぶ川学級」への参加者も日に日に増えていった。

生徒たちは須藤の励ましもあって、学習意欲が発動。成績も上がり、「こんな自分でも、やればできるのだ」という自信を取り戻していく。

そんな中、校長主導で、どうでもいい形骸化した生徒総会が行われるが、「どぶ川学級」に来ていた生徒たちが中心となって次々と立ち上がり、学校や教師への疑問や不信感を表明し、それらを議題にしようと提案していく。なかなか感動的な場面だ。

翻って、今の学校。

「映画の話」と言えばそれまでだが、今の学校で、こうやって生徒たちが積極的に、教師の意に反して、自分の意見を堂々と表明するという場面はあるだろうか?

そうした行為をやめさせ、予定調和的生徒総会に引き戻そうとする校長や教師だったが、結局は、生徒の総意を得て、そそくさと会場を立ち去ることになったのだが。

今時の子たちは、表立って自分の意見をはっきり述べたり、教師に意思表示をしたりすることが苦手なのではないだろうか?

というよりも、そもそもそれをすること自体が、思いもよらないことではないだろうか? どうせ言ったところで、何も変わらない、と。

先生に「言われたことを」「言われたままに」やったほうが楽、あるいは、それ以外にも選択肢があることを、思いつきもしないのではないか?

いわゆる「不登校」(この言葉は好きではないし、これに代わる言葉が欲しいと思うが見つからない)は過去最高記録を更新し続けているが、その原因としては、そういうことももうやってられるか! という静かな怒りもあるからか。

従順さだけを求める教育は、昔からさほど変わっていない。

しかし昔は骨のある生徒が多かった、のかもしれない。この映画が製作された頃、私はまだ小学校にも上がっていなかったのだし、本当にそうだったかも定かではないのだが。

おかしいことには、おかしい、と言い、
自分の意に反したことに対しては黙らず、
ファイティングポーズをとる。
――言葉の力で。

そんな子たちを育てるために、学校教育はどうあるべきか?

折しも今日、工藤勇一先生の新刊
『校長の力 学校が変わらない理由、変わる秘訣』(中公新書ラクレ)が届いた。

これは校長先生のための本かと思いきや、さにあらず。まだ半分しか読んでいないが、これは一般の先生や保護者、普通の仕事をしている人も読んで損はない。

言葉というものがいかに大切か、ということが身に染みて分かる本でもある。

この本については、読了したらまた、書く。


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