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ZOE プログラム終了

ZOE プログラムの終了直前になって、なぜこれは ZOE という名称がついているのか気になってググったら、ZOE というのは女性の名前ではなく、ギリシア語の言葉で、英語で言うところの life という意味だそうです

プログラムの更新はしませんし、 gut health の再テストも £49 でオファーされましたが話には乗らないことにしました

なぜならば、洗脳が解けたからです😂

以下のことを中心に書いていきます


記録がメンドくさい

ZOE のプログラム中は基本的に水以外の飲み物も含む全ての食事を記録しないといけません。そうしないと意味がないとは言いませんが、このプログラムをやる意義は薄れると思います。ZOE は食生活習慣を見直すためのプログラムであり、記録したりしなかったりでは、本当のことから目が逸れてしまうと思うからです。人は自分が見たくないことは見えにくいものです

したがってこのプログラムは行動心理学の CBT (Cognitive Behavioural Therapy) と性質的に同じという印象を持ちました

私はがん患者という以前にもともと精神がおかしい人間で、精神療法のために CBT を試したことがありますが、あまりのメンドくささのために無理でした。また、いちいち記録しなければいけないということは、常にそのことを考えていなければならないということで、精神的に辛い状況ではますます自分が不健康になっていくように感じて違和感を覚えたものです。毎回の食事を楽しんで生きていきたいというタイプの自分がいつも食事のことを考えてストレスを感じてしまうのは、自分の高尚な哲学に大いに反することであると気づきました😂

また、私はほとんどの食事を自炊しているので、中途半端に残っている食材を使い切る献立にすると、特定のレシピに従うわけでないので入力がとても煩わしく感じました。食事ができあがったころにはすでにいろいろ忘れているとか😂

ダイエット(減量という狭義のダイエットではない)とは一時的な我慢ではなく、生活習慣をその後の人生を通して変えていくことなので、毎日のストレスになるダイエットは続けられるわけなく、続けられないダイエットには意味がありません

アプリが貧弱、使いにくい

例えば私はゆで卵をランチに持っていくことが多いのですが、前日に問題なく入力できたものが突然入力できなくなることが頻繁にありました💢

また食品やレシピの検索が遅い上に検索結果も不安定💢

また食品データベースが整理されておらず、同じものが重複して入力されていてそれぞれスコアも微妙に違うとか💢

食事を記録することだけですらメンド臭いのに頻繁なアプリの不具合ではストレスが増幅されます

目新しいことが皆無な「レッスン」

プログラム中には栄養学や健康学に関するトピックで「レッスン」が提供されたのですが、新しく学んだことが一つもありませんでした

ZOE Nutrition のポッドキャスト(無料)や YouTube の本要約チャンネルを聴いていれば、新しい情報は何一つないということです

また「レッスン」での参加者に対する語りかけかたが非常に patronising で不愉快でした。まるで宗教勧誘のように、一見相手のことを気にかけて接しているようで実は全ては宗教の存在を継続するためのことであり、個人のことなんか実はどうでもいい、ぶっちゃけた話、最初から見下しているというのが本音、というのは言い過ぎですが、方向性がそちらだということです

「レッスン」は途中からサボりました😂

腸内環境はほとんど変わらないという事実

私は最初は、血糖反応や血脂肪反応は持って生まれたものによることがほとんどで根本的に変えることはできないが、腸内環境は変えることができる、だからZOEプログラムの意義がある、と考えていました。ZOEもそのようなことを説いています

しかし、腸内のバクテリア界というのは現状維持勢力が非常に強く、もともと存在していなかった新しい菌を「生きているバクテリア」として食品や食品補助剤などで導入できることは、非常に稀なこと(たぶん宝くじで大当たりと同じくらい?)であり、まず起こらないと考えた方がいいということを某ソーシャルメディアのグループで知りました

「生きているバクテリア」を摂取して、そのバクテリアが生きたまま腸に届くということはまずないというのが健康オタク界隈では常識のようです

(同時に、多少のストレスや生活の変化があっても、腸内環境は急に悪くなったりしないとも)

腸内環境の改善は、生体としての内臓器官が完成する前に胎児のときに母体から、そして新生児のときに母乳から受け継いだ善玉菌の絶対数を増やすことによって達成できるのであり、検査で菌の種類が増えたように見えることがあるのは、もともとその菌は腸内にいたのだけれど、絶対数が少な過ぎて最初の検査では検出されなかっただけ、というのが正しいようです

(妊娠中の健康管理、そして新生児に初乳を与えるということはこの意味でも重要なのですね)

ZOEは腸にはできるだけたくさんの種類の善玉菌がいたほうがいいということを繰り返し説いていますが、もともと腸内にない菌を植え付けることは基本的にはできないということは明言せず、あたかもそのようなことが可能であると大衆に思わせるようなプロモーションをしているように見受けられます

やはり胡散臭い

ZOEは最新の科学技術を用いたテストというのを売りにしていてテストを受けるだけでも高額(日本円にすると何万円という単位の話です)な上に、ZOEプログラムでZOEスコアを算出できるデータベースとアルゴリズムにアクセスするには毎月とか毎年とかのサブスクリプション形式で別途費用がかかるので、誰にでも手軽に参加できるものではありません

ZOEもそのことは認めていて、だから個人の負担を最小化してもっと多くの人が利用できるように努力していると公言しています

しかし、広告のために有名人を使って、どれだけそこにプロモーション費がかかっているのかと疑問に思いますし、最新の科学技術を使っているのが事実でもその使われかたが的外れであれば最新技術もあまり意味がなく、プログラム参加者に無駄にお金を落とさせているのと同じです

ソーシャルメディアでの宣伝は、正直言ってこの世に蔓延る怪しげなダイエットプログラムと区別がつかないくらいに、人々の弱みにつけ込んだブラックメール方式と差がない感じがしています

とは言え、ためになったこと

ZOEを知って、ためになったことはたくさんあります。特に腸と脳が密接に連携しているという話です。そのために自主的にもう少し手広く調べる癖もつきました。もともとナッツも種も豆も好きですが、もっと積極的に食事に取り入れる決意もしました。オートミールも cracked wheat も一般的には健康食品だと思われているが私にはそうでもないことも知りました。人工甘味料が使われている飲み物を断つことができました

ただ、これからも安くないサブスクリプションを続けていくほどに有意義だとは思わなかったということです

これからは無料のポッドキャストで面白そうなものがあれば聴くし、発起人の一人である Tim Spector の著書も読みたいと思います(実はすでに読み始めています)

第一線の研究者が発信していることにはアンテナを張っていこうと思い、ZOEプログラムをやって自分の気が済んだとは思います

これを他人にも薦めるかというと、そこはビミョーですね😂

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