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あをによし あすかの奥と万の葉 奈良あるき

昨日は、いよいよ今度こそ冬がやってきた!
という気温の下がり方だった。


そんな中、年末の予定を見ながら、そろそろ大掃除もどきも始めることにした。
今日はソファカバーを洗濯。
L字形なので2枚のカバーを外すと・・・隙間から柿の種やらピスタチオの殻やら
が出てきた。
普通は小銭とかが出てくる?!

このカバーの洗濯が大掃除では一番面倒(取り付けが)
これさえ終わればこっちのもの?!ってなわけないが・・・


一昨日の土曜日久々にオフだったので、本当は北山辺の道をひーさんと歩く予定だったが雨のため変更。

前日どうする?のラインのやりとりし
少々の食い違いがありながら(笑)、まとまったのが奥明日香の古民家レストランでランチ案。



曇りのち雨


前日の雨風の名残を残したままの曇天。
空気は少し生温い感じがする中、向かうは明日香村の南方面。

高松塚古墳を通り過ぎ、山へ上がっていく。

途中、棚田の風景で有名な稲渕棚田を通る。
きっと季節によってはきれいだろうな〜と思いながら、飛鳥川沿いを先へ。

ひー「この先にナントカっていう古い神社があるんですよ」
雲「へー」

と行っていると現れた神社の石碑。

ひー「寄ってみます?」
雲「寄るー!」


15号線を吉野方面へ



飛鳥川上坐宇須多岐比売命神社

という長い長い名前の神社。
後で調べたら、日本一長い名前の神社のよう。


あすかかわかみにいますうすたきひめのみことじんじゃ



そして、石碑が立つ道から見上げる階段の景色が
なんともただならぬ雰囲気を醸し出しているではないですか。


このぐらいの段数・・・
へのカッパ


全て散ったモミジの葉が
階段に貼りついている


スキ


雨でよかった


もう一息



神秘の杜



飛鳥川上坐宇須多岐比売命神社

創建年 不明 延喜式内社
祭神  宇須多伎比売・神功皇后・応神天皇


本殿はなく拝殿後方の南淵山をご神体とする原始神道の神社だった。
そう、あの三輪山を御神体とする大神神社と同じ。
ワタシはこの山を御神体にする神社がすきです。
すきというのも変だが、信仰の原初的でシンプルでわかりやすい。

そしてここは皇極天皇が雨乞いを行った地といわれている。

宇須多伎比売命は、飛鳥坐神社の裔神とされるが、なかなか謎が多い神様。




こちらはカップ派
ブルーの



そういえば、狛犬って何犬?
と思って調べたら・・・犬ではないようだった。
想像上の動物だった。



石は語る・・



とても神秘的な神社だった。
調べてもほとんど情報がなく、どの資料も出元は同じようなことから、
実際記録も少ないのであろうが、延喜式内社であることは間違いない神様が鎮座する杜。

名前も長いが、きっと歴史も長く深く興味深いものだった。



雨がポツポツ降ってきたので目的地に向かうために階段を下った。




栢森という集落にある古民家レストランへ・・・だったが
着くとお店はお休みだった。土曜日よ。


ただその近くに流れる飛鳥川がとても清らかで気持ちよく
心も穏やかに笑
「まっ、こんなもんよ」と退散。


蛍で有名


ちっこい五人衆



ということでもときた道を戻り、石舞台古墳の近くのお店でランチとなった。
まあ、素晴らしく美味しいというわけでなもなく・・・
これまた「こんなもんね」と。


雨もポツポツからパラパラパラとなってたので、屋外活動は諦め
万葉文化館へ移動。


実はワタクシこちらの中をちゃんと見学ははじめて。

それがなかなかどうよ、かなり立派な施設ではございませんか!?


万葉バージョン




地下の展示を見学

特別展示室では飛鳥池工房遺跡の発掘の出土品や富本銭(最古の銭貨)などが紹介されている。


ワタシの目をひいたのは、木簡。
複製であるが、こんな文字が書かれたものが出土したということは
やはりここに都があった事実を垣間見れる、ドキドキする歴史の片鱗だわ!


天皇と書かれた
最古の木簡


飛鳥寺と書かれた
最古の木簡



海石榴市などの様子の復元も面白かった。



糸は気になる


色はもっと気になる



ひーさんの相談に真剣に応じてくださる
お役人



さやけしルーム






やはり近いのね
半島は



万葉集、あまり詳しくないが人物像として気になるのは額田王

井上靖『額田王』がとにかく好きで、何度も読んだことは以前も書いたが
この謎めいた美しい才女をめぐる中大兄皇子、大海人皇子の関係と
大和国が始まる激動の時代背景の壮大な歴史ロマンは、小説とわかっていても
やはり想像と妄想が膨らむ。

井上靖はかなり読んだ作家の一人。
品の良い美しい日本語で、その言葉と文章がとてもすーっと心に入ってくる。
ワタシの中ではかなり正統派作家。


その万葉の歌姫が詠んだ歌でも有名なのものの一つが


熟田津尓 船乗世武登 月待者 潮毛可奈比沼 今者許藝乞菜

熟田津(にきたつ)に 船乗りせむと 月待てば
    潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな


こんなかっこよく熱い歌をつくる女性、やはり魅力的だったのは確かですね。





万葉劇場で上演を観るというので観てみた。

上演時間のタイミングで観たのは 柿本人麻呂


万葉劇場


これまた謎の多い人物のようだが、万葉集第一の歌人であったのは間違いなく
素人でも聞いたことある歌がとにかく多い。

この上演では草壁皇子を偲んだ歌などをドラマチックに演出されていた。

真草苅 荒野者雖有 葉 過去君之 形見跡曽来師
ま草刈る 荒野にはあれど 黄葉の過ぎにし君が 形見とぞ来し



そういえば、これも有名な歌。

足日木乃 山鳥之尾乃 四垂尾乃 長永夜乎 一鴨将宿
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む


たぶん、男性の方が寂しがり屋さんだと最近よく思う(笑)

違うかな?



歌に散りばめられた大和の景色を訪ねて歩くのも楽しいそうで、
そういえば山辺の道のあちらこちらに万葉の歌碑があった。
今度はそれを追ってみようかな。


ということで意外と?!楽しめた万葉文化館。

なかなか面白く、また贅沢な造りの広々としたいい施設だった。

ここなら気軽に寄って、妄想膨らませるのにはもってこいの場所かも笑


万葉の人々も見たであろう
飛鳥の景色





何か特別なプランを立てなくても、必ず何か収穫のある大和の地あるき


雨の奥明日香を歩き、万葉を観て学んだ一日。






そしてこの日を境に気温急低下!

まもなく冬至。






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